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仮想通貨ネムとは|初心者でもわかる仕組みとユースケースを紹介

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ネム(NEM)の仕組みを解説

本記事では、ネムの発行量などの基本概要から、仕組み、NEMブロックチェーン技術を利用して開発されたサービスなどを紹介します。

目次
  1. NEMとは?
  2. NEM(XEM)の基本概要
  3. ユースケース
  4. 関連サービス
  5. 開発者
  6. ロードマップ

1.NEMとは?

ネムとは、国や政府に縛られることのない新たな経済の仕組みを構築することを目的としたプロジェクトです。ネムの英語表記であるNEMは、New Economy Movement(新しい経済運動)の略称です。

ネムはエコシステムの進化、及びブロックチェーンプラットフォームの最適化を行い、エコシステム全体で緊密に連携することで、集合的な目標を現実のものにすることをミッションに掲げて活動を展開しています。

ネムエコシステムには、ネイティブ通貨XEM(ゼム)が流通する「NEM NIS1(以下、NEM)」、ネイティブ通貨XYM(ジム)の発行が予定されている「Symbol Blockchain(シンボルブロックチェーン; 以下、Symbol)」の2つのブロックチェーンが存在しています。

その他、ブロックチェーンを使用したプロジェクトの特定やインキュベート及び投資を行う「NEM Ventures(ネムベンチャーズ)」、ブランド構築やテクノロジー改善及び包摂性を育む「NEM Community(ネムコミュニティ)」、トレーディングデスク及び流動性管理を行う「NEM Trading(ネムトレーディング)」、プロダクト開発や技術開発及びビジネス開発を行う「NEM Software(ネムソフトとウェア)」がエコシステムを構成しています。

1-1 2つのネイティブ通貨が存在する理由

「NEM」及び「Symbol」には、それぞれXEMとXYMと呼ばれる2種類のネイティブ通貨が存在しており、NEMが個人を含むコミュニティ主導のブロックチェーンプラットフォームとして機能しているのに対し、Symbolはエンタープライズ(企業や公的機関)のブロックチェーンに対するニーズに特化したプラットフォームとして開発が行われています。

2つのブロックチェーンエコシステムには、上記の違いがあるため、XEM及びXYMのプログラムは継続して開発が行われていきます。

2.NEM(XEM)の基本概要

ネムのネイティブトークン「XEM」について解説します。

2-1 NEM(XEM)の特徴

XEMの総供給量は8,999,999,999であり、これらは全てネットワークローンチ時に発行されたため、新たなXEMが発行されることはありません。

XEMが流通しているNEMブロックチェーンは、2015年にローンチされました。NEMはセキュリティに定評があり、ローンチ以降、一度もシステム停止やハッキングは起こっていません。

NEMには、トランザクションの際に複数の署名を必要とするマルチシグ設定機能や、ブロックチェーン上で独自のトークン発行を可能にしているモザイク機能など、他のブロックチェーンでは見られない特徴的な機能があります。

NEMでは、イーサリアムのようにNEM上でアプリを構築することができます。開発者がNEMを簡単に他のアプリに統合できるよう、開発者向けのAPIシステムが提供されています。

現在NEMの開発及びプロモーションは、NEM Group Ltdと呼ばれる組織が担当しています。

2-2 XEMの発行用途

XEMの発行用途は以下の通りです。

ハーベスター(ハーベスティングを行う者)として取引承認作業を行うためには、10,000以上のvested XEM(1XEM=30円として約30万円)の保有が条件です。XEMは、ハーベスターへの取引承認作業に対するインセンティブとして使用されています。取引手数料の支払いにも使用され、手数料額は取引の種類(送金、モザイク取引、マルチシグ)によって異なります。

2020年11月までの公式情報をもとに作成

2-3 コンセンサスアルゴリズムの概要

ビットコインではプルーフオブワークというコンセンサスアルゴリズムが採用されていますが、ネムでもコンセンサスアルゴリズムが実装されています。

2-3-1 PoIとは

2015年03月にNEMブロックチェーンが始動して以来、コンセンサスアルゴリズムには、Proof of Importance(以下、PoI)が採用されています。

コンセンサスアルゴリズムとは、直訳すると「合意方法」を意味します。NEMのように、中央集権組織によって管理されていないブロックチェーンでは、誰がどのようにして取引を承認及び記録し、取引承認を行うノードにどのようなインセンティブを与えるかなどのルールを決定する必要があります。

このルールに当たる部分がコンセンサスアルゴリズムであり、各ブロックチェーンでは、それぞれのコンセンサスアルゴリズムに従って、取引が合意及び承認されブロックが生成されます。

PoIとは、均等な富の分配を目的として、最新の機器や多大なエネルギーコスト、多量のコイン等の条件を排除したコンセンサスアルゴリズムです。

具体的には、各ハーベスターに重要度(インポータンス)と呼ばれるスコアが割り当てられており、スコアに基づいてハーベスティングを行うハーベスターがランダムに選出されます。スコアを高める条件として、XEMによる取引量や取引数、取引相手を増やす必要があります。

つまり、NEMプラットフォームの活性化に対する貢献度が高い程、多くのインセンティブを得ることができるコンセンサスアルゴリズムであると言えます。

著名なコンセンサスアルゴリズムには、ビットコインが採用しているProof of Work(以下、PoW)やイーサリアムが採用を予定しているProof of Stake(以下、PoS)があります。

PoWは最新の機器と多大なエネルギーコストを消費することで、PoSは多量のコインを保有することで多くのインセンティブを得ることができ、「金持ち」がより金持ちになる仕組みに課題があると言えます。このような課題を解決するためのコンセンサスアルゴリズムが、PoIであるといえます。

2-3-2 ハーベスティングとは

NEMのトランザクション承認及びブロック生成作業は、ハーベスティング(収穫)と呼ばれています。ハーベスティングとは、ビットコインでいうマイニング(採掘)のようなもので、ハーベスティングを行うハーベスターは、取引承認の報酬としてXEMを得ることができます。

ビットコインのマイニングとは異なり、NEMのハーベスティングでは、最低10,000のvested XEM(1XEM=30円として約30万円)を保有しているアカウントなら、誰でもハーベスティングに参加できます。そのため、ビットコインのマイニングのように、高度の計算能力を持ったコンピュータなどは必要ありません。

また、ブロック生成の際に新規XEMが発行されない点も、ビットコインのマイニングと異なっています。

vested XEMとは、ハーベスティングに参加する権限を持っているXEMを指し、ハーベスティング権限を持たない一般的なXEM(unvested XEM)とは区別して考えられます。各アカウントにあるunvested XEMは、1日10%ずつvested XEMへと変換されます。

このシステムにより、一定期間XEMを保有した人でないとハーベスティングに参加できなくなるため、不正防止に役立つと考えられています。

NEMのハーベスティングには、委任ハーベスティング(Deligated Harvesting)という仕組みがあり、希望するハーベスターは、他のノードにハーベスティング作業を委任できます。委任ハーベスティングでは、普通のハーベスティング(ローカルハーベスティング)と異なり、常にコンピュータ上で24時間ノードを稼働している必要はありません。

2-3-3 取引処理能力

NEMが採用しているPoIでは、1ブロックの生成に約60秒を要しており、1秒あたり2件の取引を処理することができます。ちなみにビットコインでは、1ブロック生成に約10分かかるように調整されています。

NEMのユースケースで1ブロックあたり120件以上の取引が発生する可能性は現状では低いと考えられ、処理の遅延等が発生する可能性はありません。また、処理能力を抑えることでソフトウェアの最適化や高性能なハードウェアも不要であるため、コストを抑えることができます。

NEMプラットフォームの開発を行うNEM Group Ltdは、高い処理能力求めるユーザーや新たなユースケースに対応するために、「Symbol」と呼ばれる分散型ブロックチェーンの開発とネイティブ通貨「XYM」の発行準備を行なっています。

これは、NEMブロックチェーンを進化させた新しいプラットフォームです。

3.ユースケース

NEMのブロックチェーンのユースケースを2つ、紹介いたします。

3-1 リトアニアが主導する中央銀行デジタル通貨(CBDC)

リトアニア銀行は、NEMブロックチェーン上で中央銀行デジタル通貨(以下、CBDC)の発行検討を行なっており、2020年07月23日「LBコイン」と呼ばれるトークンを発行しました。

同トークンは、法定通貨としての役割は有しておらず、収集、取引を行い記念銀貨と交換することができる実証実験として発行されたものです。

このような「遊び」の要素を取り入れた背景には、ゲームに興味をもつ若年層にアピールすることだけではなく、同行がデジタル通貨の発行や利用について知識と経験を深めるという大きな目的があったようです。

参考記事

3-2 偽造防止、盗難防止ソリューション「LuxTag」

LuxTagは、NEMブロックチェーン上でブランド品等の偽造防止及び、盗難防止を目的として開発されたデジタル証明書です。

同証明書にタイムスタンプを押すことによって、書類の存在をブロックチェーン上で証明できるだけでなく、対象の所有権を譲渡、または分割することも可能です。

さらに所有権の証明は更新することができ、一人もしくは複数の関係者が、ブロックチェーン内に保存される前にその変更に相互に同意することができるように、コントラクトを設定することもできます。

4.関連サービス

NEMブロックチェーンを活用したサービスをご紹介します。

4-1 NEM Wallet

任意のアドレスやネームスペース(ドメインネームのようなもの)に対してXEM、モザイク、及びメッセージを送ることができるウォレットです。Mac、Windows、Linuxとの互換性があり、オンチェーン上の多重署名及びマルチユーザーアカウントのネームスペース、サブドメイン、アポスティーユ公証サービス等を行うことができます。

4-2 XEMBook

現在の保有XEM残高(時価総額)、そして入出金履歴をわかりやすい表示で、NEMウォレットにログインせずともブラウザ上で閲覧する事が可能です。

4-3 nemlog

NEMを投げ銭できるブログプラットフォームです。NEMコミュニティから生まれたプロダクトとして、主に日本コミュニティに親しまれています。

同サービスでは、ブログ投稿だけではなく、他のユーザーとのコミュニケーションやユーザーが開催するイベントに参加して楽しむことができます。

4-4 nemgraph

NEMコミュニティの声から誕生したサービスです。同サービスは写真の投稿を通じてユーザー同士がつながる場所を提供するコミュニケーションツールです。

投稿された写真にXEMを投げ銭したり、自身の投稿した写真を所有権証明できたりと、ブロックチェーンならではの機能が特徴です。

4-5 NEM Hot/Cold Wallet

資金の送金と受け取りに使用できる初めてのNEMコールドオフラインウォレットです。

4-6 NEM DNS

NEMブロックチェーンをインターネットサービス用のスマートな分散型で信頼性の高いDNSサービス(ドメイン名のIPアドレスへの変換など)として使用することができます。

4-7 NEM Microwallet

ユーザーがNEM機能の一部を高速かつアクセス可能な方法で使用できるようにするChrome拡張機能です。

4-8 NEM Pay

NEMブロックチェーンを使用して、モバイルデバイスから直接、簡単に資産を送信することができます。

4-9 NEM Tools

アカウント、取引、ハーベスティング等、NEMに関するあらゆるサポートが可能なツールセットです。

4-10 NEM Vote

NEM投票モジュールを使用することで、誰でもブロックチェーン技術を使用して投票作成、または投票を行うことができます。

4-11 PacNEM

NEMブロックチェーンに統合された、オープンソースのマルチプレイヤーパックマンブラウザーゲームです。

5.開発者

NEMの開発・普及を行っている組織名と代表などは、以下の通りです。

5-1 社名/拠点

NEM Groupが主導で、ネムのコミュニティとともに開発や普及を推進しています。本拠地はジブラルタです。

5-2 創設者及び開発者名と経歴

ネムの創設者などの主要人物と経歴は以下の通りです。

2020年11月までの公式情報をもとに作成

6. ロードマップ

Symbolブロックチェーンのメインネットリリースは、2021年3月15日を予定しており、同ブロックチェーン上で利用されるネイティブトークン「XYM」のオプトイン(受け取り表明)は2020年09月15日から開始することを発表しています。

(2021年2月23日時点)

参考:仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチ日と権利確定日時を発表

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