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セキュリティトークンへの活用も進むNEMブロックチェーン、CBDCなどへの導入事例も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタルトークンに強みをみせるNEMのブロックチェーン

世界各国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての議論が高まっているところだが、まだ慎重なアプローチが多い傾向だ。

その中、仮想通貨NEM(XEM)のブロックチェーンを使用してリトアニア銀行が実施しているCBDCはユニークな試みにより話題になっている。

本記事では、CBDCの現在の開発状況と、リトアニア銀行の試み、そしてデジタルトークンの発行と管理に強みを持つNEMの新ブロックチェーン「シンボル」を紹介する。

中銀デジタル通貨(CBDC)が社会にもたらす利点

昨今、ブロックチェーンのユースケースは産業界で増加しているが、社会に確実に大きなインパクトを与えるだろう事例、すなわちCBDCはまだ構想・実験段階にある。

CBDCが金融システムのイノベーションになると考えられる点は、その安定性、詐欺の予防効果、監査の迅速化、アクセシビリティの向上など様々だ。

また、民間のステーブルコインプロジェクトである「セロ」やフェイスブック主導の「リブラ」では、金融サービスにアクセス出来る人を増やす「金融包摂」が目標として掲げられているが、CBDCが発行されれば、法定通貨へのアクセスを拡大し、より強力に人々を支援できる可能性がある。

さらにCBDCは、中央銀行が、経済危機に対処するための金融政策を実施する上での新しいツールともなり得る。

これは、現在のような経済的に不確実性な時代に特に注目される側面だ。

各国のCBDC開発状況

現在、世界中で多くの政府がCBDCについて模索を行っている。

中国の人民銀行(中央銀行)は、2014年以降、デジタル人民元の調査に多くのリソースを投入しており、積極的に実証実験を行うなど、現在CBDC開発ではリード的存在だ。

米国も、COVID-19パンデミックに際して経済対策として給付金を配布する際に、支払遅延などの問題が発生したこともあり、「デジタルドル」計画を加速中。

ヨーロッパでは、アプローチは国ごとに大幅に異なる傾向がある。 G7諸国である英国、フランス、ドイツ、イタリアは、慎重な姿勢を見せており、研究重視のアプローチを選択している。

中央銀行は個人が使用する小売CBDCと、銀行など金融機関が使用するホールセール型CBDCのどちらを優先すべきかということも検討課題の一つだ。

リトアニア銀行のユニークなCBDC「LBコイン」

CBDCについて先進的な中国では一部地域で限定して、ファーストフード店や公務員の交通費手当支給などにデジタル人民元の試験運用をしているが、まだ実際社会でそうした活用事例は少ないのが現状だ。

そうした中、リトアニア銀行では「LBコイン」という異色の試みが実施されている。

この「LBコイン」は、法定通貨としての役割を果たさない「遊び」の要素を重視して作られている点に特色がある。

出典:NEM

この「デジタル・コレクターコイン」は収集およびトレードを繰り返すコレクターアイテムとして所有できる。実際に法定通貨として使用できるようになるのは、収集したデジタルコインを記念銀貨と交換した後だ。

トークンを揃えて銀貨と交換するには、他のコレクターとトレードすることが必須になる。

プロジェクトマネージャーであるPavel Lipnevičによると、このデジタルコインはCBDCを発行する上での実践的な経験を積むのに役立つ「最も先進的で実験的な遊び場」になることが期待できるという。

現在はネムのブロックチェーン(NIS1)を使用しているが、新しいブロックチェーン「シンボル」がローンチした際には「LBコイン」もそちらに移行される見込みだ。

NEMのデジタルトークン採用事例

NEMは、トークンの発行についての規制に準拠したフレームワークを構築しており、最近の採用事例では、リトアニアのCBDCの他に、ウイスキーのデジタルトークンに関するものがある。

デジタル資産マネージャー企業Wave Financial Groupが米国ケンタッキーに本拠を置く醸造所Wilderness Trail Distilleryと協力して、2020年代のバーボンウィスキーのファンドを立ち上げた。

投資家は推定在庫にリンクしたデジタル証券を購入可能だ。

NEMを選択した理由としてWave FinancialのCEO、David Siemerは次のように述べる。

NEMの「シンボル」採用は、セキュリティトークンを発行することを目的として設計された技術力の高さにより、ふさわしい選択だった。

NEMベンチャーズのマネージング・ディレクターであるDave Hodgson氏は、Wave Financialとの連携について、次のコメントを寄せた。

ウイスキーに限らず、ユニークな資産クラスをトークン化するために今年初頭からWave Financialと協力してきたが、このような進展を見ることができてワクワクしている。デジタル資産をトークン化した経験があるWave Financialは、NEMにとって初めてのセキュリティトークン発行において完璧なパートナーだ。

セキュリティトークンに強い「シンボル」

NEMの新ブロックチェーン「シンボル」は、セキュリティトークンの発行や管理に役立つ機能を多数装備するものとなる。

とりわけ、データ保護や証券法の徹底したコンプライアンスを可能にするもので、配当支払い、償還、早期決済など、伝統的な金融商品の性質についても考慮に入れられている。

複数の資産に関連付けられた複数の取引を、1つのトランザクションに集約できるようにする機能も備わっている。これにより、投資家グループが共同出資を行ったり、ある規定が満たされない場合の取引をキャンセルすることも可能になる。

また、秘密鍵を複数用意してセキュリティを高めるマルチシグ、資産の凍結・ロック機能、取引情報に関する拡張機能なども実装。

こうした様々な機能により、トークン発行や、トークン取引などセキュリティトークンの管理の主な場面で利便性を向上するものだ。

最新の予定では、Symbolのメインネット立ち上げ期日として12月17日が目標に設定されており、今後様々な分野での活用が期待される。

関連:ネム、新チェーンSymbol稼働を12月17日に仮設定
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