今週の相場の動きは
ビットコイン価格は9日、18,000ドルを割り込み17,650ドルまで急落。その後、価格は少し持ち直し、18,000ドル付近を推移している。
各指標の騰落率一覧
12/11(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
12/5〜12/11のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週(11日正午時点)のビットコイン(BTC)対円相場は、概ね上値の重い展開。
Mt.GoxのBTCが動くとの懸念や、ハードブレグジットの可能性浮上による一時的なドル高、さらには先週に再開した米追加景気刺激策の合意期限が後ろ倒しになるなど、今週は週初から何かと不安材料が浮上し、相場は8日、200万円での保ち合いを下方にブレイク。9日には対ドルで節目の18,000ドル水準となる187万円をおよそ1週間半ぶりに割り込み、安値を広げる展開を演じた(第1図)。
10日までの相場は日足終値では18,000ドル水準を死守し続けているが、保ち合い下放れにより短期的に下降トレンド突入が意識されたか戻りは弱く、週央からの米株安も相場に逆風を吹かせている。
10日には、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和拡充や、米大手生命保険会社のマスミューチュアルがビットコインに投資と報じられたが、相場の反応は今一つだった。
来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)(15日〜16日)と、米連邦政府のつなぎ予算切れ(18日)までに追加景気刺激策が合意に到るかが注目だ。
予てから、米連邦準備理事会(FRB)は経済情勢によっては早ければ12月にも量的緩和の拡充検討を開始する可能性が浮上していたが、ECBの追加緩和と先月分の米雇用統計の下振れ具合に鑑みれば、FRBがコロナウイルス感染拡大第2波に応じて策を講じる可能性は高まったか。
また、来週の18日までに予算案がまとまらなければ、殆どの米政府機関が閉鎖に陥るため、追加景気刺激策の合意が急がれる。なかなか具体的な進展が見えてこないが、これが合意に漕ぎつければ、株価も復調しBTC相場も切り返す切っ掛けとなろう。
ただ、来週のイベントまでに相場がどれだけ足元の売り圧力に耐えられるかも注意したい。過去最高値の明確な上抜けに失敗したことによる失望感や、8日の保ち合い下放れにより、短期的には弱地合いが続いている。上述の通り、日足終値では18,000ドルを死守しているが、砦が陥落すれば売りが加速しそうだ。
足元の水準で相場が粘り腰を発揮できるかが目先の焦点だが、突っ込み買いは控えておきたい。
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