はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米財務省、仮想通貨ウォレット規制案を正式発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ウォレットの規制強化

米財務省のFinCEN(金融犯罪捜査網)が暗号資産(仮想通貨)ウォレットの金融機関との取引について取締りを強化する規制案を正式に発表した。

この規則が施行された場合には、自己ホスト型ウォレットについてマネーロンダリング防止規則が強化される。

3000ドル(約31万円)を超える引き出しに対してKYC(顧客身元確認)の強化が求められており、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)は、その引き出しを行う顧客と、送金先の身元情報(名前や住所など)を確認しなければならない。また1万ドル(約103万円)を超える取引の場合には、FinCENへ報告する義務が発生する。

つまり、取引所と外部ウォレットの間で、仮想通貨の匿名取引ができないようになることを意味している。

FinCENは、大きな取引を小さな取引に分割して報告義務を回避することを防ぐような方策も提案した。

この規制案は、国際的規制機関のFATF(金融活動作業部会)が策定したトラベル・ルールに沿うものである。このルールは、1万ドルを超える取引の送信者と受信者の身元情報を取引所間で共有することを求めるものだ。

仮想通貨コミュニティや議員から反対の声

FinCENは、提案の背景について次のように説明した。

この提案の目的は、米国の国家安全保障を、外国政府が後援するランサムウェアやサイバーセキュリティ攻撃、制裁回避、テロ資金調達など、さまざまな脅威から保護するための適切なコントロール体制を築くことだ。

しかし、この規則案は取引所の業務を増やし、仮想通貨取引から現金のような匿名性を失わせ、個人を監視するものともなる。米国議員や仮想通貨コミュニティからは反対の声が挙がっている。

共和党の議員、Warren Davidson氏、Tom Emmer氏など四名は、財務長官に公開書簡を提出し、この動きを見直すように求めた。また、米大手仮想通貨サービス企業「サークル」のCEO、Jeremy Allaire氏も財務省幹部宛に書簡を提出し、次のように指摘した。

この提案は、問題となっている実際のリスクに十分に対応しておらず、産業界やアメリカの競争力を著しく傷つけ、(ブロックチェーン分野で先進的な)中国企業に経済的・産業的な優位性をもたらし続けることになる。

パブリック・ブロックチェーンが多くの産業を変革する可能性を抑制し、米国の競争力を低下させるとした格好だ。Allaire氏は、「ソフトウェアやプロトコルレベルのソリューション」で問題に対処することが可能で、いつでも説明のため対話に応じると締めくくった。

また、今回の規制案にはパブリックコメントも受け付けているが、非常に期間が短いことも問題視されている。パブリックコメントの締切は2021年1月4日に設定されており、これに対してJake Chervinsky弁護士は次のようにツイートした。

「行政手続法(APA)は、新しい規則を採用する前に、連邦政府機関が一般市民からの意見を受け入れて検討することを義務付けて」おり、パブリックコメント期間が非常に短いことで、FinCENはAPAに違反している可能性があると指摘した格好だ。

一方でFinCENは提案文書の中で、ルール施行が遅れると、不正な資金と結び付く既存の仮想通貨ウォレットから、非合法な仮想通貨取引所などに資産が移されてしまう可能性もあると主張している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。
06:30
米国初のソラナ現物ETF、取引開始初日で出来高約48億円の好スタート
「REXオスプレイ・ソラナ・ステーキングETF」が7月3日に取引開始。米国初のステーキング機能付き仮想通貨現物ETFとして約100万ドルの運用資産で滑り出し。
06:10
米上場ナノ・ラボ、72億円で仮想通貨BNB追加購入
ナスダック上場のナノ・ラボが74,315BNBを約5000万ドルで購入。総額5億ドルの転換社債プログラム第1弾として、BNB流通量の5-10%保有を目指す。
05:50
上場企業の仮想通貨トレジャリー戦略に警鐘、F・テンプルトンが「負の連鎖」リスク指摘
フランクリン・テンプルトンのアナリストが流行する企業の仮想通貨トレジャリー戦略について分析。プレミアム維持の困難さと市場下落時の負の連鎖リスクに警告。
05:35
ルミス議員、仮想通貨税制改正法案を再提出 300ドル未満取引の免税など盛り込む
ルミス上院議員が仮想通貨税制改正法案を再提出。300ドル未満の小額取引免税、マイニング・ステーキング報酬の二重課税解消など包括的な改正を提案。
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧