「ビットコイン供給が有限であることは価格上昇要因」
元米国財務長官のLawrence Summers氏がブルームバーグの番組に出演し、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は定着していくと語った。
ビットコインが勢いを盛り返しているがこれはバブルかと聞かれ、Summers氏は短期の値動きを予測するつもりはないと断りつつ、次のように見解を述べている。
ビットコインを好む金融機関も存在しているし、ビットコインは定着している。
価格が騰落を繰り返しても、再び上っていく状況をみると、以前よりも回復力が増しているように見える。今後、より多くの人々はビットコインに資金を移すかもしれない。そして、供給数が有限であることを考えると、需要が上がれば価格も上るだろう。
Summers氏は、世界銀行のチーフエコノミスト、米国財務省長官、および国家経済会議の理事を歴任してきた有名なエコノミストだ。
準備資産としても語られるようになったビットコイン
最近ではカナダのStephen Harper元首相が、米ドルに代わる準備資産としてビットコインにも言及している。
米国をはじめ世界情勢が不透明で、米ドルの立場が揺るがされていることについて、元首相はユーロや人民元が代わりとなる可能性は低いと発言。
その上で「米ドルの代わりとなり得る主要通貨の見極めは難しいが、金やビットコインなどが挙げられるだろう。最終的には、米ドルが大きな割合を占めると思うが、準備通貨として見られる資産数は拡大するのではないか」とした。準備資産の種類が増え、ビットコインもその内の一つになり得るとの見解を示した格好だ。
また実際に、米フロリダ州の主要都市であるマイアミ市のFrancis Suarez市長は、市の財務資産の一部にビットコインを組み入れる構想を披露している。
ビットコインには供給上限が設定されていることを挙げ、社会でより広く採用されていくにつれて、その価格は上昇していくのではないかと、Summers氏と同様の意見を提示した。
こうして一部の政府関係者の中でも、ビットコインへの認知や評価が高まっていることが窺える。
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欧州中銀総裁「世界規模でビットコイン規制が必要」
ただ、ビットコインについての意見は政治家や政府関係者の中でも意見が分かれている。
欧州中央銀行のChristine Lagarde総裁は1月13日、ロイター主催のカンファレンスで、ビットコインは世界的に規制が必要だと訴えた。
「ビットコインは通貨ではなく資産」であり、「インチキなビジネスやマネーロンダリング活動を助長してきた非常に投機的な資産だ」と話し、国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)の重要性も指摘している。
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欧州委員会は、ユーロ圏の中銀発行デジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」について、発行する可能性を検討しているところだが、その背景には「外国のデジタル決済手段」がEUに流入することへの警戒もある。
2020年9月には「一般的な仮想通貨市場は規模が大きくないため、現時点では金融の安定には影響はない。しかしグローバルに利用されるステーブルコインは状況が異なる」として、とりわけFacebook主導のステーブルコイン等を懸念していることを示している。
しかしラガルド総裁の発言は、ステーブルコインだけではなくビットコインも注視し、それは通貨にはならないと牽制するものとなった。