はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「本来の革新性が薄れかねない」リサーチ企業Gartner、VISAの仮想通貨サービスに物申す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「仲介者をなくすことがブロックチェーンの革新性」

リサーチ・アドバイザリー企業Gartnerが、VISAの新たな暗号資産(仮想通貨)関連サービスについて疑問を投げかけた。従来型の金融会社がステーブルコインを取引に利用することこそ、革新的だと主張している。

クレカ大手VISAは2月3日、銀行がビットコイン(BTC)などのデジタル資産の売買サービスを提供できる仕組みを整える新事業を発表した。

関連:決済大手VISA、「銀行のビットコイン売買サービス提供」を可能にする新事業を発表

こうした方向性について、GartnerのアナリストAvivah Litan氏は「消費者、企業、ブロックチェーン間を技術的につなぎ、将来の決済インフラストラクチャへの移行の準備を助ける」ものだと評価。

しかし一方で、こうしたサービスはブロックチェーンの革新的な性質にはそぐわないものではないかとして、次のように指摘した。

ブロックチェーン決済の革新性は、ピアツーピアで取引を実行し、中央の仲介者や関連する銀行手数料を排除することにあるはずだ。中央集権型サービスの台頭により、仮想通貨を移動するため追加の取引手数料を支払わなければならないとすれば、疑問が生じる。

ピアツーピアで取引を行うことにより、中間手数料を排除することがブロックチェーンにおいて革新的であったが、VISAや銀行などの仲介機関が仮想通貨を扱って手数料を取ることで、そうした革新性は薄れてしまうという意見だ。

「ステーブルコイン決済の導入が望ましい」

Litan氏は、ステーブルコイン決済の導入をより良い代替案だとして、そうした望ましいサービスの特徴を5つ挙げた。

  1. 法定通貨に固定されたステーブルコインによる低コストのオンチェーン決済
  2. ステーブルコイン決済を実行するための簡単にアクセス可能なアプリケーション
  3. 現在のカードネットワークよりも低い決済手数料
  4. 決済の基礎情報と紐づいた、ブロックチェーン上の透明性あるリアルタイムのステーブルコイン決済
  5. カード会社と銀行が、提携先の銀行口座にオフチェーンで保管されるステーブルコインを保護

このシナリオではカード会社など決済企業が、ユーザーが取引で使用するステーブルコインを発行する。しかしブロックチェーン上で発生する実際の決済には関与しないという。また加盟店においても、現在のようにカード取引に関連した取引手数料を支払う必要がない。

カード会社はそれでも、法定通貨とステーブルコインを交換する際の付加サービスや、ステーブルコインの基礎となる裏付け資産の利子などから収益を得ることができるという。

また、ビットコインなどの仮想通貨は価格が不安定なため決済機能が採用される可能性はそれほど高くないとする。その点、ステーブルコイン決済は、特に企業間取引(B2B)の分野で求められていると述べた。

PayPalは今年中に仮想通貨決済開始

決済企業ではVISAの他、PayPalが今月、仮想通貨決済サービスを2021年中に開始する予定だと発表したところだ。

提携する世界の小売店2900万店舗において仮想通貨決済サービスを導入し、消費者の日常におけるデジタル通貨決済をサポートしていくとしている。

関連「仮想通貨決済サービスは年内に開始予定」──米PayPal、2021年の計画を発表

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。
05:35
米SEC、BTCやXRP投資のグレースケール仮想通貨投信のETF転換承認を再検討
米証券取引委員会がグレースケールの仮想通貨信託「Digital Large Cap Fund」のETF転換承認決定を再検討。NYSE Arca上場承認が一時停止状態に。
04:24
仮想通貨のサイバー攻撃にどう備える?|実例から学ぶ取引所の対策と自己防衛法
暗号資産のサイバー攻撃リスクと、取引所のセキュリティ対策、個人で実践できる防衛策を初心者向けにわかりやすく解説します。
07/02 水曜日
18:40
BITPOINT、カルダノ(ADA)保有者向けNIGHTエアドロップを検討開始 
ビットポイントジャパンがMidnight財団と国内初連携。カルダノ(ADA)保有者やステーキング参加者に「NIGHT」トークンのエアドロップ参加機会を提供。2025年7月開始予定の「Glacier Drop」メカニズムの詳細と参加条件を解説。
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧