ビットコインのマイニング、環境への影響は
米電気自動車大手テスラによるビットコインの大口購入を受け、再び最高価格を更新したビットコイン(BTC)だが、マイニングが環境へ与える影響に関する批判は今後も続くと見られる。
ビットコインのマイニングは電気代などのコストが収益性に直結するため、多くが電気代の安い開発途上地域などで行われている。そういった地域では、ほとんどの石炭火力発電が十分に環境に配慮されずに行われているという問題が指摘されてきた。
特に、中国の新疆ウイグル自治区は石炭資源が豊富なため電気代が安く、マイニング産業の一大集積地となっている。
ブルームバーグNEFによると、その電気料金は中国中部がキロワット時0.6~0.7元であるのに対し、新疆では0.22元(約3.5円)ほどになるという。同地域では、風力発電などの展開が進められているものの、再生可能エネルギーは発電量の4分の1未満とのことだ。
なお、もう一つの集積地である中国・四川省では、豊富な水資源を利用した水力発電が盛んであるため、クリーンな電力を利用したマイニングが行われている。
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環境問題重視のテスラにも影響か
特にテスラは、電気自動車(EV)など環境問題に配慮する姿勢を打ち出し利益を生み出してきたという背景があり、今回のビットコインの購入に関して、環境問題という観点で一部から批判が出ている。
米国では州によって自動車メーカーは一定の割合で排気ガスゼロの車を販売しなければならない。テスラの製品は排気ガスがゼロであるため、他のガソリン車を販売する自動車メーカーに余剰分の規制クリア枠(クレジット)を販売している。
このクレジット販売は2020年の第2四半期においてテスラの収益の約7%を占めており、環境に配慮した規制が多額の利益をテスラにもたらしている形だ。
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