NYDIGが約220億円資金調達
米仮想通貨の投資・カストディ企業NYDIGが、複数の大手金融機関から計2億ドル(約220億円)の資金を調達したことを発表した。
今回出資を行ったのは、NYDIGの親企業である大手投資会社Stone Ridge Holdings Group、モルガン・スタンレー、New York Life(全米No.3の保険会社)、MassMutual(大手保険会社)、Soros Fund Management(大物投資家ソロス氏関連のヘッジファンド)、そしてFS Investmentsと、いずれも名の知れた金融機関だ。
特にビットコイン・仮想通貨領域に関わっているのはモルガン・スタンレーとMassMutualだ。
モルガン・スタンレーは21年2月、傘下の投資部門「Counterpoint Global」が、ビットコイン投資を検討していることがブルームバーグに報じられた。MassMutualは20年12月、NYDIGを利用して約100億円分のビットコインを財務資産の一部として購入した事例がある。
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一方、New York Lifeの出資は、投資家からも高い関心を集めている。
同社は約6,000億ドルを運用する全米トップ3の保険企業。MassMutualのようにビットコインに直接投資しているかどうかは明らかでない。NYDIGは、クライアントの生命保険や個人年金保険、損害保険の保険会社(複数)が、NYDIGを通して1,000億円分のビットコインに投資し、NYDIGのカストディに預けていることを明かした。
また、今回がNew York Life初の仮想通貨関連の投資案件ではない。2015年に、業界最大手の仮想通貨投資企業DCGにも出資した経緯がある。
NYDIGの動向
NYDIGはビットコイン・仮想通貨の関連ファンドを運用しており、昨年12月に2つの関連ファンドで計150億円を調達していた。
また、今年の1月にはフィンテック企業Movenと提携し、銀行がビットコインの関連サービスを行えるようなソリューションを提供することを発表。具体的には、NYDIGのAPIを利用することで、ビットコインの購入、販売、保管サービス、ビットコインで利息を払う預金口座、クレジットカードのBTC報酬プログラムなどを30〜60日で展開できるサービスとなる。
さらに2月16日には、ビットコインの上場投資信託(ETF)の申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出したこともわかった。「モルガン・スタンレー」の名前がETFの指定参加者(Authorized Participant)に上がっていたことで、同社のビットコイン事業本格参入を示唆している。