RiotがWhinstoneを買収へ
米ナスダックに上場する暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Riot Blockchain(以下、Riot)が、テキサス州の大規模なビットコイン(BTC)マイニング施設を取得することが分かった。
AIやブロックチェーンなどにハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)サービスを提供する欧州企業Northern Dataと、その米国子会社Whinstoneの買収契約を結んだ。
8,000万ドル(約90億円)とRiot株式の約12%をあわせて買収費用とし、6億5,000万ドル(約710億円)以上の取引価格になるという。買収取引は、規制当局の認可など手続きを経た上で2021年第2四半期に完了予定だと発表されている。
Riotの発表によるとWhinstoneのマイニング施設は、300MW(メガワット)の容量をすでに保有しており、また追加で450MW分を拡張できる状態だ。
現在この施設は、合計約18,000平方メートルの面積となる3つの建物で、機関投資家向けにホスティング(ビットコインマイニングの代理運用サービス)を行っている。新たに約5,600平方メートル規模の建物も建築中だ。電力は安価な長期契約によって供給されている。
Whinstoneはホスティングによる収益に加えて、ビットコインマイニング用の液浸冷却技術の提供などエンジニアリング技術や建設サービスからも収益を得ており、従業員は約100人だ。
RiotのJason Les CEOは、「この取引は当社が将来成長するための道を開く」と述べ、「業界で最も才能のある開発チームにより運営され、非常に安価な電力を利用できる、北米最大級のビットコインマイニング施設」を所有できることは重要だと続けている。
また、世界のビットコインマイニングにおいてアメリカが採掘シェアを増やすという目標も促進することになるとした。
中国に対抗して「北米を仮想通貨マイニングの中心地にする」という目標は、様々な北米マイニング企業で共有されている。マイニング能力を増強中で、近く独自マイニングプールを立ち上げることを発表しているMarathon社も同様のことを語った。
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マイニングマシンの大量発注も
さらに、Riotは新たにマイニングマシンの大規模発注も行っている。4月7日の発表によると、同社はビットメインに1億3,850万ドル(約151億円)相当のマイニングマシンを注文した。
標準ハッシュレートが90 TH/s(テラハッシュ/毎秒)のAntMiner S19jを42,000台購入、11月から毎月少なくとも3,500台以上を受け取り、2022年10月頃までに配送が完了する予定だという。
Riotは、これらのマシンが完全に展開されれば同社は7.7 EH/s(エクサハッシュ/毎秒)の計算能力を所有することになると見積もった。
ビットコインの価格上昇によりマイニング企業の事業拡大が続く傾向で、世界的に関連するICチップが不足している。また、マイニングマシンの価格も高騰中だ。Riotは昨年にもビットメインとAntMiner S19 Proの購入契約を結んでおり、このS19 Proの標準ハッシュレートは 110TH/sで、今回購入するAntMiner S19jよりも効率が高かった。
しかしRiotは、今回S19Proよりも性能では劣るS19jに一台あたり購入価格を多く支払っている。マイニングマシン需要の高まりが窺える。
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