CoinPostで今最も読まれています

Ethereumのレイヤー2に初対応、アグリゲーターOpenOceanがLoopringを統合 DeFiユーザーのガス代負担を削減

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

OpenOceanがLoopringに対応開始

DeFi(分散型金融)およびCeFi(中央集権型金融)両方に対応したアグリゲータ・プロトコルの開発を行うOpenOceanが、高騰するイーサリアムのガス代に対処するために、イーサリアムのL2(レイヤー2)スケーリング技術「ZKロールアップ」を用いた「Loopring」のオーダーブックDEX(分散型取引所)を統合。これによりOpenOceanユーザーは、イーサリアム(L1)と同等のセキュリティを維持しながら、低コストかつ高速なトレードが可能な取引所へアクセスできるようになった。

OpenOceanはこれまでに、イーサリアムネットワーク内からは、UniswapやSushiswap、Curveなどを統合しているが、L2に対応するのは今回が初めてだ。また、OpenOceanはイーサリアムL2に初めて対応したアグリゲーターでもある。今後はLoopring以外にも、L2アプリケーションの統合数を増やしていく予定だという。

OpenOceanとは

OpenOceanとは、DeFiおよびCeFi両領域をカバーしたアグリゲータであり、主要DEXおよびCEX(中央集権型取引所)の流動性を一ヶ所に集約することにより、ユーザーへ最も良いレートを、低スリッページかつ低手数料で提供している。

OpenOceanでは、ダイクストラ法と呼ばれる、最適な経路を見つけるアルゴリズムの応用版を採用している。この方式では、ある二つの通貨をトレードするのに最適なルートを、数あるDEXの中から見つけ、最良レートを算出する。単に最も良いレートを提供しているDEXを探すのではなく、単一のDEXで取引するとガス代や手数料のコストが高くなってしまう場合は、複数のDEXを経由することにより、単一のDEXを経由よりも低コストのレートを提示する。ユーザーは、アルゴリズムで計算されたこの最良レートを、CEXで提供されているレートと比較した後、DEXまたはCEXのどちらでトレードを実行するか選択可能だ。

OpenOceanでは、サービス利用料として追加の手数料を徴収していないため(Pro版利用者は除く)、ユーザーが払う必要があるのは、元々のトランザクション実行にかかるガス代や手数料のみだ。

複数チェーンとCeFiのサポート

OpenOceanの特徴の一つが、その他の類似DEXアグリゲータと比較し、圧倒的にサポートしているチェーン数が多いことだ。

現在DeFi分野からは、イーサリアム、バイナンススマートチェーン(BSC)、オントロジーおよびトロン上で稼働している20以上のDEXが統合されており、今回のLoopring統合により、イーサリアムL2が追加された形となる。公式ブログによるとOpenOceanは、BSCで最大かつトロンで最初のアグリゲータだという。今後はSolanaやMatic(Polygon)、Polkadotの統合も計画されている。

一方でDEXアグリゲータとしては珍しく、CeFi分野のプロダクトもサポートしている。21年3月から、大手仮想通貨取引所のバイナンスが統合され、ユーザーはDEXおよびCEXの最良レートを比較できるようになった。

今後は取引所に限らず、DeFiおよびCeFi分野におけるデリバティブ、イールドファーミング、レンディング(貸付)および保険商品にも対応する予定だという。

OOEトークンとは

OpenOceanでは、OOEトークンという独自トークンが流通している。OOEトークンは、以下の用途で利用されている。

  • コミュニティ投票:OOE保有者はコミュニティ発展に関わる投票に参加可能
  • ガス代削減・スリッページ補助:OOE保有者は、随時実施されるキャンペーンにてトレードコスト削減の機会が与えられる
  • 流動性マイニング:OOE/ETH、OOE/USDT、OOE/DAI、OOE/BNBおよびOOE/BUSDの流動性提供者は、イーサリアム、BSC、オントロジーおよびトロンチェーン上で行われる流動性マイニング・プログラムの対象
  • CEXトレードVIPメンバーシップ:OOEの大口保有者は、板取引時の手数料特典、トレード手数料補助、トークン引き出し時の手数料補助、および機関投資家向けアービトラージ取引用ツールへの限定的アクセスなどの特典を享受
  • 担保:レンディング時に担保として利用

L2ソリューション、Loopringとは

今回OpenOceanが統合を発表したLoopringとは、ZKロールアップと呼ばれるスケーリング技術を活用した、イーサリアムのL2ソリューションだ。L1のセキュリティレベルを維持すると同時に、高い処理能力も兼ね備えており、現在イーサリアム・エコシステム全体で課題として捉えられているネットワークの混雑、およびそれに伴うガス代高騰に対する解決策を提供している。

Loopringプロトコル上に構築された取引所は、ノンカストディアル(ユーザー自身が資金の管理権を所有するタイプ)の分散型取引所として機能しており、OpenOceanに統合されたオーダーブック型のDEXに加え、AMM(Automated Market Maker/自動マーケットメイカー)機能も備えている。

ZKロールアップとは

ZKロールアップとは、ロールアップと呼ばれるイーサリアムで活用されているスケーリング技術の一つだ。ロールアップでは、トランザクションをL1(イーサリアム)外で実行した後、トランザクションのデータまたは証拠をまとめてL1へ提出し、L1で検証することにより、L1のセキュリティを維持しながら、高速かつ低コストのトランザクションを可能にしている。

ロールアップには、有効なトランザクションが実行される(不正が行われない)ことを前提として機能しているオプティミスティック・ロールアップ、およびゼロ知識証明を活用することにより、トランザクション内容を全てL1に持ち込む必要なく、トランザクションの正当性を証明するZKロールアップがあるが、Loopringでは後者の技術を活用し、トランザクション処理能力を向上させている。

ZKロールアップには、オプティミスティック・ロールアップと比較して、トランザクション完了にかかる時間が少ないといった利点がある一方で、スマートコントラクト実装が難しいといった欠点もある。

関連:イーサリアム新旧チェーンの統合を優先するメリットは?ブテリン氏らが見解

詳細: OpenOcean

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア