WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム新旧チェーンの統合を優先するメリットは?ブテリン氏らが見解

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2つのチェーン統合を優先する可能性

分散型金融(DeFi)市場が急速に拡大する中、その主要な基盤である暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の開発動向に、より多くの関心が集まっている。

直近ではDeFiの急成長に伴い高騰が問題視されていた、イーサリアムの手数料(ガス代)システムの改善案「EIP1559」の実装が決定され、ユーザーやイーサリアムベースのアプリ開発者から歓迎の声で迎えられた。

関連:イーサリアムの手数料改善案EIP1559、7月頃の「ロンドン」アップグレードで実装へ

そして、次なる大きな展開として注目されるのが、大型アップグレード「ETH 2.0」のロードマップで「フェーズ1.5」として、「フェーズ1:シャードチェーンの実装」の後に記されていたマージ(Merge)、つまりETH1.0とETH2.0という新旧チェーンの互換性を高める統合だ。この時点で、合意形成アルゴリズムがPoWからPoSへと移行することになる。

ETH 2.0の核となるビーコン・チェーンは昨年12月1日にローンチに成功。その数日後、最新ロードマップが公開された。その際に、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、「フェーズ(段階)」の順序に沿って時系列で開発を進めていくのではなく、各作業を独立させて並行して開発する方針を明らかにしていた。

関連:イーサリアム2.0、最新ロードマップ(計画書)を公開

統合を優先させる利点

米国最大のオンライン掲示板「Reddit」のイーサリアム掲示板で、「なぜ統合がデータ・シャーディングより優先されるべきなのか」という意見がユーザー「u/Always_Question」により投稿された。「u/Always_Question」が主張する利点は次の3点に要約できる。

  • 手数料システム改善案「EIP1559」が意図した効果を阻止しようと画策する、マイナーグループに対する牽制
  • バリデータにロックされていたイーサリアムに即時に流動性をもたらす
  • 技術的にデータシャーディングより複雑ではないが、ネットワークに大きな影響を与える

この投稿に対し、ブテリン氏並びにETH 2.0のコア開発者Danny Ryan氏は、概ね賛成だと返答している。

ブテリン氏自身の投稿

さらに、Redditの「EIP1559の次の大きなEIP(改善提案)/展開は?」という質問に、ブテリン氏自身が次のような回答をしている。

「どのような順番になるかはわからないが、1.統合、2.ステートサイズ(ステートレスかステート失効かその両方)の解決策」

さらに、技術的にプロトコルの一部ではないが、汎用ロールアップ(Rollups)も重要だと付け加え、手数料システムの改善実装よりも早く実現しそうだ、と述べた。

ロールアップの重要性

ロールアップは、スケーラビリティ問題を改善するソリューションでレイヤー2技術の一つ。完全にETH2.0へ移行が完了するまでの、中期的なスケーリング戦略として重要視されている。

ETH2.0へのネットワーク移行の元来の目的の一つが、スケーラビリティの向上だが、レイヤー2ソリューションを活用しない場合、その実現は数年先になると見られている。一方、ロールアップを中心としたレイヤー2の開発に注力した場合、それ以前に高いスケーラビリティを実現することが可能だとブテリン氏は、AMAセッション等で説明している。

1秒間のトランザクション処理スピード(TPS)で見ると、ロールアップを活用した場合、ETH1.0のネットワークでも、最大4000TPSの処理が可能だという。さらに、ロールアップを利用した取引は「最大で100倍安く送金できる」とブテリン氏は説明した。

ロールアップの一つであるオプティミスティック・ロールアップでは、トランザクションの一部をオフチェーンで処理することで高速化をはかり、スマートコントラクト処理数の大幅な向上が見込めるという。この技術はすでに昨年、実用化が始まっている。

また、ブテリン氏は、レイヤ−2プロトコル間のやりとりを可能にする新たな提案も発表。オプティミスティックロールアップをはじめ、ZKロールアップなど、複数のプロジェクトが進行するロールアップ間の交換を例にあげた。

関連:ヴィタリック氏がイーサリアムの新提案、レイヤー2プロトコル間ソリューションについて

ETH2.0の完全な実現に至るまでのロードマップは、次々に新しい技術や状況に応じた提案を取り入れながら、進化していっているようだ。DeFiをはじめ、最近注目を集めているNFT市場など、一大経済圏を築いているイーサリアムのエコシステムの発展は、仮想通貨業界全体にとっても、ますます重要になっていくだろう。

関連:イーサリアム20万円の大台回復、「強気相場」再開に4つの背景
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/13 月曜日
20:29
堀江貴文×岡部典孝、AIエージェント決済時代の日本円は?|WebX2026
【WebX2026】 | セッションレポート AIエージェント決済時代、日本円ステーブルコインの勝機は 堀江貴文 × 岡部典孝 2026年7月13日、WebX2026 Bina…
19:09
SBI北尾会長、WebX 2026基調講演でAI×オンチェーン戦略を総覧|WebX2026
SBI北尾会長がWebX 2026に登壇し、AI完全導入・オンチェーン金融・ネオメディアの3大戦略を解説。ビットバンク子会社化、Ondo Finance・Solana財団との新提携など注目発表が相次いだ。
18:37
AIが変える仕事と資産 加納裕三×田中渓が語るbitFlyer特別対談|WebX2026
AIは仕事をどう変え、人間に何を残すか。bitFlyer CEO加納裕三氏と元ゴールドマン・サックス投資部門統括の田中渓氏がWebX 2026で語った「優しさ」「1次情報」「今すぐ動く」の3つのキーワードとは。
18:35
片山財務大臣、日本の金融インフラ戦略を示す 物流・商流・決済の一体化で経済底上げ|WebX2026
WebX 2026に登壇した片山さつき財務大臣が、円建てステーブルコインの普及状況や国債オンチェーン化の動向を解説。金融庁が推進するPIPの3つの実証プロジェクトを公開し、ブロックチェーンで物流・商流・決済を一体化する日本の金融インフラ戦略を示した。
17:00
SBI VCトレード、JPYSCレンディング16日申し込み開始 当初年率3%
SBI VCトレードは7月16日、円建て電子決済手段JPYSCを貸し出し利用料を得られる「JPYSCレンディング」の申込みを開始する。貸出開始は23日から、当初12週間は年率3%で提供。税区分や取扱いラインナップも解説する。
15:00
リップルCEOが振り返る、「SEC提訴で事業閉鎖の検討も」
米リップル社のガーリングハウスCEOが「SEC提訴を受け事業閉鎖も選択肢にあった」と明かした。法的費用は1億5,000万ドルに上ったという。
14:50
日本の暗号資産ETFは米国の何を再現し、何を超えるか|WebX2026
日本の暗号資産ETF解禁(2028年)を見据え、米国で2年半の実績を持つブラックロック・野村AM・SBIが登壇。個人投資家50%・機関25%という米国の実像と、家計金融資産2,386兆円の1%が流入するだけで米国ETF市場を超える日本のポテンシャルを議論したWebX2026セッションレポート。
14:33
世界の金融はブロックチェーンでどう変わるか、メガバンク3行が語る最新事例|WebX2026
WebX2026セッションレポート。みずほ・三井住友・三菱UFJのトランザクションバンキング担当者が、Augustusやトークン化預金など海外事例を交えながら、ブロックチェーンを送金・決済インフラへ実装する上での課題と日本の現在地を語った。
14:30
松本尚デジタル大臣が語るAI主権とサイバー安全保障、日本の成長戦略|WebX2026
デジタル大臣・松本尚氏がWebX2026に登壇。高市政権が掲げる370兆円規模の官民投資計画、「信頼できるAI」第3極としての日本の立ち位置、ガバメントAI・国産LLMの展開、サイバーセキュリティ強化策を語った。
14:20
トレードワークスとSBI証券、AIエージェント証跡の検証を開始 国内初
金融取引システム開発のトレードワークスは13日、SBI証券と共同でブロックチェーン証跡基盤「LastEvidence」の概念実証を7月1日から開始したと発表。AIエージェントのログ改ざん検知を検証する国内証券初の試みで、8月末まで実施する。
12:32
「イーサリアム2.0時代の到来」トム・リーが描くイーサリアムの回復シナリオ|WebX2026
『WebX 2026』の特別基調講演に登壇した米上場DAT企業ビットマイン会長トム・リー氏が、仮想通貨市場の4つの逆風とETH底打ちシグナルを解説。AIが人間の財産を支配するリスクへの対抗手段としてブロックチェーンを位置づけ、イーサリアム2.0の成長論とビットマインの戦略を詳報。
12:15
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、8週間ぶりに資金フローがプラス転換 
米国の仮想通貨ビットコイン・イーサリアム現物ETFへの資金フローが10日までの週にプラスに転換した。8週連続で続いていた記録的な資金流出局面から純流入へと転じた格好だ。
12:11
AIメビウスの輪と日本の活路 シンプレクス金子氏が語るWeb3時代の戦略|WebX2026
シンプレクス・金子英樹CEOがWebX 2026で語った講演レポート。FX市場を日本独自に育てた歴史を振り返りつつ、生成AIの利用料が米国企業の輪の中を循環する「メビウスの輪」構造を提示。その外側にいる日本がWeb3と円建てステーブルコインで活路を開く可能性を論じた。
11:39
「台湾クリプト新法」の舞台裏、オードリー・タン×葛如鈞対談|WebX2026
台湾立法院議員・葛如鈞氏とオードリー・タン氏がWebX 2026で対談。VASP法・AI基本法制定の背景、「曖昧性から明確性へ」の規制転換、シビックAIの設計哲学、AIエージェントとブロックチェーンの融合について議論した内容をレポートする。
11:24
「技術で勝ってビジネスでも勝ち切る」赤澤経産大臣が基調講演、Web3政策の針路を示す
WebX 2026に登壇した赤澤亮正経済産業大臣の基調講演レポート。NFT活用による漫画・アニメの海賊版対策、Web3を活用した地方創生の実証事例、量子コンピューターへのセキュリティ対策など、「技術で勝ってビジネスでも勝ち切る」を掲げる政府のWeb3政策の方向性を解説。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧