インド参入を検討か
複数の大手暗号資産(仮想通貨)取引所が、規制面で不透明な状況の続くインドへの事業展開を図っていることがわかった。関係筋の話としてロイターが報じた。
インド参入を検討しているのはKraken、Bitfinex、Kucoinの3社で、いずれも出来高や流動性、信頼性などで業界上位を誇る取引所。関係者によれば、インド国内の仮想通貨企業を買収することで参入を図っている模様だ。
また、上述の取引所はインド市場のエントリーポイントウィ理解すべく調査を開始しており、一社は買収を検討している企業のデューデリジェンスを行なっていると言う。いずれの取引所もロイターへの質問に応じなかった。
また、過去の事例では、2019年にバイナンスが仮想通貨企業WazirXを買収してインド参入を果たしており、21年3月にはコインベースもLinkedInの求人掲載でインドを拠点とするブロックチェーン人材を募集していることが確認されている。
中国に次ぐ人口を有するインドはこれまで、仮想通貨に対する規制方針を繰り返し変更して不透明な状況が続く。2018年には中央銀行のRBIは仮想通貨企業に銀行の口座サービス提供を禁止にしたが、2020年にはインド最高裁がこれを違憲と判断。
21年3月にも仮想通貨取引などを全面的に禁止する法案が検討されるとの報道も一部ではあったものの、5月には仮想通貨を「デジタル通貨」として規制する可能性が浮上するなど、見通しが悪い。ただ、ロイターによれば、インド国内には1,500億円(1,000億ルピー)相当を有する約1,500万人の仮想通貨保有者がいるという分析が出ており、市場ポテンシャルがリスクを大きく上回るとの声もある。