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ビットコイン47000ドル台まで反騰、仮想通貨市場は米コインベース発の好材料が追い風に

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ビットコイン相場と金融マーケット

20日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+6.94%の517万円(47,180ドル)と反発した。

調整局面では、直近高値の48,076ドルから一時43,955ドルまで下落したが、20日12時時点で47,000ドル台まで反騰。これにより、意識される200日移動平均線(200SMA)水準を再び上回った。週足始値は47,014ドル。

前日比の騰落率では、ビットコイン(BTC)の+6.94%に対し、Coinmarketcap(CMC)時価総額3位のカルダノ(ADA)が+16.01%、同9位のポルカドット(DOT)が+12.68%、同17位ポリゴン(MATIC)が+15.63%と際立っている。

悪材料と好材料が交錯

昨日11時頃には、シンガポールの仮想通貨取引所Liquid Global(リキッド・グローバル)の入・出庫を管理するホットウォレット(MPCウォレット)から、計100億円(9,135万ドル)相当の仮想通貨が不正流出した。

これを受け、国内グループ企業Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)では、運用する全てのウォレットの安全が確認されるまで仮想通貨の入出庫を停止したことを発表した。

関連銘柄として、Liquid Chain及びそのスマートコントラクトの監査を6月に終了し、メインネットローンチを控える「QASH・Liquidトークン(LQT)」が前日比-15%以上急落したものの、仮想通貨の全体相場には大きな動揺は見られなかった。業界では、ここ数年間で不正流出などのインシデント対策や各国規制・補償体制などが大きく整備され、ハッキング被害などで盗難された仮想通貨が、直ちに市場で全売却される懸念は後退している。

関連:Liquid Global、仮想通貨の不正流出を報告

好材料としては、今年4月にナスダック上場を果たした米最大手仮想通貨取引所「コインベース」のブライアン・アームストロングCEOが、5億ドル(550億円)規模の仮想通貨購入する意向を示したことが挙げられる。取締役会の承認を得て方針を発表した。

今後も、利益の10%相当を仮想通貨購入費に充てると積極的な姿勢をアピールしたほか、「市場の成熟度に従って割合を増やす」ことも言及したことなどから、継続的な”買い圧力”につながるとして市場に好感された。

詳細:米コインベースCEO、5億ドル(550億円)規模の仮想通貨を購入する方針示す

コインベースの最高財務責任者(CFO)であるAlesiaHaas氏によると、購入対象はイーサリアム(ETH)のほか、PoS(プルーフオブステーク)系トークン、DeFi(分散型金融)系トークン、及びすでにプラットフォーム上でサポートされている「その他銘柄」が含まれるとしており、今後は上場企業として多岐に渡る仮想通貨を保有する可能性がある。

Cinneamhain VenturesのパートナーAdam Cochran氏は今年4月、コインベース社員を対象に「(コインベースで取り扱う銘柄の中なら)今後30日間どの銘柄を買いたいか?」と尋ねたアンケートを実施。次のような回答が得られた。

アンケート結果

最も得票数を集めたのはイーサリアム(ETH)で、2位がビットコイン(BTC)であったが、3位にCompound(COMP)、4位にMaker(MKR)、5位に大手分散型取引所のガバナンストークンUniSwap(UNI)と、時流に乗るDeFi(分散型金融)関連銘柄が続いたのは特徴的であり、示唆に富んでいる。

ビットコインを大量保有する企業は

Bitcoin Treasuriesのデータによれば、ビットコインを大量保有する上場企業ランキング(開示ベース)では、コインベースは現時点で5位。

1位は、米ソフトウエア企業「マイクロストラテジー(MacroStrategy)」の105,084BTC(約5,500億円)。転換社債や優先債(シニア債)の私募などで資金調達を行い、ビットコインを買い増してきた。

2位は、米大手自動車メーカー「テスラ(Tesla)」の43,200BTC。3位は米大手決済企業スクエア(Square inc.)、4位は米大手マイニング企業「マラソン・デジタル(Marathon Digital)」と続く。

出典:Bitcoint Teasuries

今月5日には、金融大手フィデリティがマラソンの株式の内7.4%を大量保有したことが判明したほか、7月13日には、米大手投資会社Capital Groupがマイクロ・ストラテジー株を12%以上取得したことがわかった。SEC(米証券取引委員会)に提出された大量保有報告書で判明した。

なお、マイクロストラテジーの筆頭株主は今年5月時点で米最大手資産運用会社のブラックロック(Black Rock)であり、約16%の割合で大量保有している。

これらの情報を勘案すると、大手機関投資家がビットコイン含む仮想通貨市場へのエクスポージャーを間接的に拡大していることは明白であろう。

オンチェーンデータ分析

オンチェーンアナリストのWill Clemente(@WClementeIII)氏は、「仮想通貨取引所からのアウトフローが、過去1ヶ月間で111,033BTCに達した」と言及。「このペースは、仮想通貨史上でも最大規模だ」と指摘した。

OTC(相対)取引が含まれる可能性もあるが、大口投資家が中・長期保有を見据え、より安全性の高いコールドウォレットやカストディサービスなどに資金移動・保管を進めている可能性が高い。そのほか、ステーキングやDeFi(分散型金融)における複利運用の需要の高まりも指摘される。

Will Clemente氏の見解を裏付けるのが、データ分析業Glassnodeによる「Bitcoin:Net Transfer Volume from/to Exchanges(7d EMA)」の統計データである。同指標は、仮想通貨取引所への7日平均の純流入を示しており、値の急激な増加は大口の売り圧力を示唆する。

出典:Glassnode

Glassnodeの考察データでは、ここ1年のマーケットを4つのサイクルに分類した上、20年9月〜11月のレンジ相場を大口の「アキュミュレーション(買い集め)期間」と判定。

20年12月〜21年4月の強気トレンドにおける「ディストリビューション(売り抜け)」期間を経て、BTCの急落局面ではインフローが超過し、Fear(恐怖)とCapitulation(降伏)に転じたと結論付けた。その後、現段階では再び2020年後半の水準(アウトフロー超過/買い集め期間)へと回帰している。

少なくともオンチェーンデータを見る限り、5月の暴落を伴う下落トレンドで一旦リセットされた現在の相場環境は、十分な伸び代を感じさせると言えそうだ。

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