グローバル化のための新チーム結成
米ドル建てのステーブルコインUSDCの発行規格を統括する『センター(Centre)』は30日、世界レベルでデジタル通貨と関連サービスを促進する新たなチームを発表した。
センターは決済企業の米サークル(Circle)社と米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースによって設立された、ステーブルコイン発行のための規制と運用の枠組みを提供する標準化組織。USDCのガバナンスや技術関連ロードマップ、オープンソース化などに貢献している。
オープンソースで構築されるUSDCは、センターが定めた報告及び審査要件を満たすことで、適格とみなされた金融機関やフィンテック企業が発行可能な会員制度をとっていることが大きな特徴だ。
新チームは、最高商務責任者、最高リスク・コンプライアンス責任者、最高財務責任者などの幹部を含む6人から構成される。今後数年間で規格の調和とサポートに取り組み、会員の拡大を目指すという。
USDCとは
USDCは米ドルを1:1で担保資産とするステーブルコイン。価値は1ドルと同じように推移する仕組み。コインベースとサークル社の共同事業体「Centre」によって発行される。ステーブルコインの中では、テザー(USDT)に次いで2番目に多い流通量を誇る。
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グローバルネットワーク構築へ
センターは公式ブログで、現在、会員制度とオープンソースの枠組みを活用することで、世界中の様々な金融機関がUSDCを発行することが可能だと回答している。そして、将来的には、センターが「世界中のどの通貨圏からでも参加できるグローバルなスキームとなること」を期待しているという。
昨年12月にセンターのCEOに就任したDavid Puth氏は、今回結成されたコアチームを中心に「ステーブルコインのグローバルネットワーク」を構築したいと抱負を語っている。
最終的にはUSDCのように、他国でもセンターの基準に基づいて構築された相互運用可能なステーブルコインを連携できるように、海外のパートナーを増強させている。
Puth氏は、JPモルガン・チェースやステート・ストリートなどで要職を経験したウォール街のベテラン。センターのCEO就任前には、世界金融市場の重要機関に指定されているCLS Bank Internationalの最高経営者を務めていた。
同氏は、センターをグローバルに発展させるために必要なリーダーシップと運営チームを構築し、センターの会員を、銀行、大手フィンテック企業、金融サービス企業や決済企業、さらには仮想通貨ベースの金融企業まで拡大することを目指している。
現在、USDCの流通量は270億ドル(約3兆円)を超えている。イーサリアム(ETH)、アルゴランド(ALGO)、ステラ(XLM)、ソラナ(SOL)、Tron(TRX)の5つのブロックチェーンで稼働しており、今後も複数のブロックチェーンに導入される予定だという。
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USDCの透明性
センターは米ニューヨーク州のビットライセンス(仮想通貨事業者が同州の居住者にサービスを提供するための許認可)を保有する事業者。同機関は「USDCは、詳細な財務・運営の透明性を備えたソリューション」であり、米国の規制の枠組みの中で運営されていると強調している。名指しはしていないが、「既存のアプローチ」(他のステーブルコイン)は財務・運営の透明性を欠き、規制されていないオフショアの管轄区域で運営されていると批判した。
センターは、8月22日、USDCの裏付け資産を、より保守的な現金と短期米国債のみに限定する方針を発表。7月に初めて、裏付け資産の内訳を公表したが、今後も透明性を確保する努力を続けるとしている。
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