今週(8/28〜9/3)の仮想通貨相場
今週のビットコイン市場は堅調で、540万円以上の価格推移を見せている。またイーサリアム含むアルト市場も好調で、仮想通貨市場は全面高となった。
各指標の騰落率一覧
3日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)
8/28〜9/3のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
8/28〜9/3レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場はレンジ内で底堅い展開。3日正午時点で530万円台後半で推移している。
シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして始まると、相場は週明けから上値の重い展開で530万円を割り込んだ。その後、窓埋めを完了すると、イーサ(ETH)の上昇に連れ高となり530万円を奪回するも、米財務省がインフラ法案内のブローカー定義を海外法人まで拡大する様、バイデン政権に求めていることが嫌気され反落。
これにより、相場は510万円〜550万円の高値圏レンジ下限を試す展開となったが、週央からはETHやADAの上昇が相場の支えとなり、9月2日にはレンジ上限まで戻した。
一方、対ドル5万ドル(第1図内青戦)周辺で相場が失速すると、3日朝方から雇用統計を警戒したポジション調整売りが入り540万円を割り込んでいる。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入プログラムのテーパリング開始時期アナウンスがあるか否かを左右する、3日発表の米雇用統計に注目が集まっている。市場では前月からの雇用者数増加ペースの鈍化が予想されており、テーパリングのアナウンスは早くても11月になるだろうという安心感さえうかがえる。
他方、ETHの保ち合い上放れも注目に値する。テクニカル分析におけるパターンフォーメーションでは、保ち合いブレイク後の値幅の目安は、相場が保ち合いに入る直前の値幅と同等とも言われている。ETHの対円相場は8月の保ち合いに入る直前の7月20日から8月8日までに16.3万円ほど上昇しており、この先同等幅の上昇を演じるとすれば、史上最高値の47.85万円を優に超え51万円付近まで上昇する試算となる(第2図)。
BTC相場は依然として高値で揉み合っているが、ETHが続伸すれば流石に5万ドル突破とレンジの上方ブレイクも時間の問題かと思える。
さて、来週は中米エルサルバドルでビットコイン法が施行される。6月に本法案について発表があった際は、BTC相場は340万円付近から反発上昇となっていたが、来週はセル・ザ・ファクトが入る可能性にも注意しておきたい。ビットコイン法が施行されるのは9月7日となっている。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン相場、来週も週央からの不安定な値動きに注意したい