銀行初のMakerDAOローン提案
フランスのメガバンク「Societe Generale(ソシエテ・ジェネラル)」は大手DeFiレンディングプラットフォームMakerDAOに、DAIローンの提案を提出したことがわかった。銀行がMakerDAOを利用する初事例になるようだ。
提案を行ったのは、ソシエテ・ジェネラルのデジタル資産子会社「Forge」で、オンチェーンで発行された債券トークンをステーブルコインDAIの担保資産として、最大22億円に相当するDAIのローン(融資)の発行を申請することを目的としている。
Forgeは2019年に初めてイーサリアム(ETH)のブロックチェーンを使って、債券を発行し、ブロックチェーンを利用する大手銀行として注目された。
提案について
MakerDAOへの提案では、担保に利用されるのは、Forgeが2020年に発行した債券だ。これらの債券は2025年に満期を迎えるもので、米Moody’sとFitchは「AAA」と格付けしている。
DAIは主にETHとERC20を担保に発行されている、米ドルと1:1の価値を持つ担保型ステーブルコインだ。フランスではDAIやオンチェーンの債券も合法のものとされている。
債券担保のDAI発行の計画について、Forgeは6つの事業体を挙げている。
ソシエテ・ジェネラル、Forge、MakerDAOプロトコル、MakerDAOのリーガル代表者、DIISグループ、およびもう一つのエンティティ(取引所)の6つで、DIISグループは証券エージェントの役割を担当する。フランスの関連法律は、ローンの清算などを確保するための証券エージェントを必要とするという。
また、これほどの事業体を必要とするのは、現実世界の法律要件をクリアする必要があるからだとみられる。
Forgeは提案で、「今回のローンはパイロット事例となり、目的は、フランスの法律下で新たな試験を促進することだ」と説明している。この提案はこれから、MakerDAOにおける正式なコミュニティ投票にて採決されることになる。
MakerDAOは大手DeFiプロトコルで、現在の運用資産総額が約1.3兆円に達しており、DeFiPulseで3位に位置する。