米SECの仮想通貨規制
米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は議会の公聴会で、SECが暗号資産(仮想通貨)を禁止することはないと語った。
5日の公聴会で、仮想通貨擁護派のテッド・バッド議員から「中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を考慮し、中国のように仮想通貨を禁止する計画はあるか」と聞かれたゲンスラー氏は、「そのような計画ない。禁止するかを決めるのは議会の判断になる」と回答している。
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CBCDCとは
「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。
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5日は米金融サービス委員会でSECに関する公聴会が開催され、ゲンスラー氏も参加。今回の回答はその公聴会で発言されたものだ。なお、公聴会の内容は仮想通貨に限定したものではない。
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ゲンスラー氏は今回、重要なことは投資家や消費者を保護すること、また仮想通貨業界にマネーロンダリング対策(AML)や税金の規則等を守ってもらうように取り組むだと話し、仮想通貨を禁止する計画などはないと説明した。
FRB議長の見解
米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長も先月30日、ゲンスラー氏と同様に「仮想通貨を禁止するつもりはない」と発言している。
パウエル氏の発言も、バッド議員の同様の質問に対する回答。7月の公聴会における「デジタルの米国通貨があれば、ステーブルコインも仮想通貨も必要ない」との発言について、「すぐに言い間違えたことに気づいた。仮想通貨を禁止するつもりはない」と釈明している。
また「現行法ではFRBは仮想通貨を禁止する権限を持たないが、禁止について議会に提案することは可能だ」とも述べていた。
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