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米金融機関でビットコイン取引が可能に、NYDIGとQ2がプラットフォーム提供 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

一般金融機関でビットコイン取引

米NYDIG社とQ2社は22日、両社の技術を統合した新たなデジタルバンキング・プラットフォームで、一般金融機関による暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の売買及び保有サービス提供が可能になったと発表。

ニューヨーク州の銀行「Five Star Bank」とカリフォルニア州の信用組合「UNIFY Financial Credit Union」が、米国で初めて同プラットフォームを導入した金融機関となったという。

「Q2デジタルバンキング・プラットフォーム」が導入された金融機関では、各々のデジタルバンキングアプリ(PC及びモバイル)を利用したビットコインの売買や保有が可能になり、口座残高にはドルとともにビットコインも表示されるという。さらにビットコインやブロックチェーンについて学べる機能も備えていると、Q2のビジネス開発部門を統括するJonathan Price執行副社長は付け加えた。

Price氏は、同プラットフォームは「米国の金融機関にとって大変革をもたらすもの」であり、多くの金融機関が強い関心を示しているとコメント。年内に導入を予定している金融機関も多く、2022年初頭までに少なくとも450の金融機関が新サービスを利用できるようになると述べた。

Q2とNYDIGの提携

Q2社は米テキサス州オースティンに本社を置くフィンテック企業で、米国内外の金融機関にデジタル・ソリューションを提供。現在、同社のデジタル・バンキング・プラットフォームは米国のトップ100を占める銀行の約30%を支えており、450以上の中小規模の銀行や信用組合に、オンラインバンキングソフトを提供している。Q2のエンドユーザーは1,800万人以上と見積もられている。

2017年創業のNYDIG(New York Digital Investment Group)は、大手ヘッジファンドStone Ridge Asset Management(運用資産額1.1兆円相当)の子会社。銀行や保険会社など様々な企業にビットコイン関連技術や、機関投資家向けのカストディを含む金融サービスソリューションを提供している。

両社は今年6月に提携を発表していたが、今回、銀行と信用組合が顧客に仮想通貨の取引オプションを提供するという具体例に繋がった。

関連:米NYDIGが金融大手2社と提携、一般消費者にビットコイン普及拡大へ

NYDIGの活発な活動

NYDIGは様々な企業と積極的に提携を結び、ビットコインの普及を推進しているようだ。同社は6月末には米決済大手のNCRと、7月には米決済プロバイダーのAllied Payment Networkと提携を発表していた。

NCRのサービスは650以上の金融機関が利用。一方、Allied Payment Networkは企業向けの決済サービスを提供している。NYDIGとの提携を通じて、両社のクライアント(金融機関・企業)は、その顧客(個人)向けにビットコインをはじめとする仮想通貨投資ソリューションを提供することが可能になる。NYDIGがカストディを担当する。

関連:米、数百の銀行の顧客が仮想通貨取引可能へ 決済大手NCRとNYDIGが提携

NCRとは

NCRとは、旧称:National Cash Registerのことで、1884年に創業された決済関連企業。主に銀行や信用組合に向けて、POSシステム、現金自動預け払い機、小切手処理システム、バーコードリーダー、オフィスの消耗品などを販売している。

▶️仮想通貨用語集

取引所のライバルとなるか

NYDIGの調査によると、米国の成人の20%以上がビットコインを保有しており、そのうちの80%以上は、自身が利用している銀行や信用組合でビットコインを保管することにも関心を持っているという。

NYDIGの親会社Stone RidgeのYan Zhao共同設立者は、米Forbesの取材に対し、現在の銀行インフラ内で仮想通貨サービスを提供することで、仮想通貨に特化した取引所などの企業との競合が可能になると述べている。

銀行は、顧客の預金が仮想通貨取引所に流出するのを食い止めるためにも、仮想通貨の取引サービス機能を自社で提供することに大きな興味を示していると、NYDIGのバンキングソリューション責任者であるPatrick Sells氏は言う。

我々がやっているのは、一般のアメリカ人や企業が、今ある銀行との付き合いを通じてビットコインを購入できるようにすることだ。

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