1.1兆円の評価額
米最大手仮想通貨投資企業DCG(デジタルカレンシーグループ)は1日、1.1兆円の評価額に基づいて800億円に相当する株式を複数のVC(ベンチャーキャピタル)に売却したことを報告した。
今回の株式売却はDCGが新たな資金を調達するためのものではなく、初期投資家などが既存のエクイティを売るもの。株式購入(私募)のラウンドを主導したのはソフトバンクのVision Fund 2とLatin America Fundで、グーグル親企業AlphabetのCapital G、Ribbit Capitalなども参加していたという。
DCGへの投資について、ソフトバンクグループインターナショナルのMarcelo Claure最高経営責任者は「DCGに投資することは、仮想通貨全般に投資するようなものだ」と話した。
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DCGはコインベースやbitFlyer、Dapper Labs、DECENTRALAND(MANA)を含む、様々な暗号資産(仮想通貨)関連企業やプロジェクトに投資しており、投資信託最大手のグレースケールや仮想通貨メディアのコインデスクなどを傘下に持つ非上場企業。1兆円の評価額に到達したが、Barry Silbert CEOは株式上場については考えていないと説明した。
また、Silbert CEOはDCGの40%の株式を持っているが、今回の取引で売却していないという。
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22年に仮想通貨資産管理サービスを開始か
同日、DCGは仮想通貨富裕層向けの資産管理サービスを提供するために、複数人の金融アドバイザーを募集していることもわかった。
「ウェルス・マネジメント」の子会社の立ち上げを計画しており、サービスの開始目処は2022年と見られている。資産管理サービスは仮想通貨の富裕層に向けたもので、「数億円相当の仮想通貨利益を生み出している投資家や、仮想通貨未経験の適格投資家の資産を分散的に運用することを目的とする」という。