はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

中国「デジタル人民元」利用のマネロン事件で初の逮捕者

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DCEP利用した事件、初の摘発

中国内陸部の新密市の公安警察は2日、中国政府が開発・実証実験中のCBDC(デジタル人民元)を悪用した資金洗浄グループら11名を逮捕した。デジタル人民元(DCEP)を利用した資金洗浄の摘発は、中国では初の事例とみられる。

犯人らは9月頃、被害者にオンライン注文した商品に不備が発生したと電話で連絡。価格の3倍を弁償することと引き換えに、「身分証明」と謳って複数回に渡り総額20万人民元(約360万円)の送信を要求したという。

取引履歴を調査した警察当局は、従来のオンライン決済とは異なる点を発見。最終的には中国南東部の福建省に在住する26歳の男性を逮捕し、資金洗浄(マネーロンダリング)を支援した疑いでカンボジアに拠点を置く詐欺グループの団員ら合計11名が逮捕された。

捜査を行なった地元当局によれば、これまでもデジタル人民元を利用した詐欺やマネロン事例はあったものの、犯人らの摘発に至ったのは今回が初の事例であると考えられるとしている。

デジタル人民元とは

2014年より中国の中央銀行が開発しているCBDC。e-CNYやe-Yuan、DCEP(Digital Currency/Electronic Payment)などとも呼ばれる。2020年後半より、中国各地で大規模な実証実験を行なってきた。

国際的な利用も一部では懸念されており、世界各国の中央銀行の約80%が中国に追随する形でCBDCの実証実験・研究および検討を余儀なくされている。

▶️仮想通貨用語集

中国の中央銀行である中国人民銀行が7月に公開したホワイトペーパーでは、「コントロールされた」匿名性を有すると説明。

「少額は匿名、多額は法に基づき追跡可能」という原則の下、多額な送金の際には、デジタル人民元が違法行為に使用されず、取引がマネーロンダリング防止およびテロ資金対策の要件に適合することを保証する必要があるとしていた。

関連:中国人民銀行、「デジタル人民元」に関するホワイトペーパー公開

中国人民銀行は、年初より各地でデジタル人民元を抽選で配布する形で実証実験を繰り返してきており、大きな経済圏を誇る国としては最もCBDCの進展が進んでいるとされる。(バハマなどの小国ではローンチ済み)

また、2022年に首都北京で開催予定の冬季オリンピックでは一般市民を含めた実証事件が行われる計画も浮上しており、米国などからは懸念の声も挙がっている。

関連:米議員が警鐘「北京冬季五輪でデジタル人民元を米選手に使用させてはいけない」

中銀関係者らは米ドルの基盤を揺るがすためなどの「国際送金」手段としての利用は考えていないとするものの、日本銀行の内田 眞一理事は10月には以下のように述べていた。

日本銀行として、「現時点でCBDCを発行する計画はない」というこれまでの基本的な考え方に変わりはありません。ただ、「CBDCを発行する」ということが大きな決断であると同時に、世界各国で真剣な検討が進む中で「発行しない」ということも大きな決断になってきています。

そして、発行しないのであれば、どうやってデジタル社会にふさわしい決済システムを構築していくか、考えなければなりません。いずれにしても現状維持はありえません。

関連:日銀理事「民間決済サービスとCBDCの共存が必要」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:21
初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧