はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

中国人民銀行、「デジタル人民元」に関するホワイトペーパー公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

中国中銀、デジタル人民元の白書公開

中国の中央銀行である中国人民銀行は16日、各地で実証実験を行うデジタル人民元(e-CNY)のホワイトペーパーを発表した。中国のCBDC(中銀デジタル通貨)で一部スマートコントラクト機能を追加することが初めて公表された。

ホワイトペーパーとは、事業計画書のようなものだ。

今回、21ページにわたるデジタル人民元(Digital Currency/Electronic Payment)の研究開発に関する進捗状況を報告する白書にて、中国人民銀行はe-CNYの設計と機能開発、並びにシステムのデバッグが基本的に完了していると報告。「安定性、安全性、制御性、革新性、実用性」などの原則に基づき、代表的なエリアで実証実験を実施していると述べた。

白書によれば、今年6月末時点でデジタル人民元は、総額5,900億円(345億人民元)に相当する7,075万以上の取引の処理に成功した。日常的な請求書支払い、飲食サービス、交通機関、ショッピング、政府のサービスなどさまざまな場面における決済で利用されたという。

デジタル人民元の機能

また、今回の白書では、デジタル人民元にスマートコントラクト機能が導入されることが示唆された。これにより、受取側と送信側が合意した場合には、自動的に支払い取引を行うことができるようにプログラム可能となる。

他にも、デジタル人民元は「コントロールされた」匿名性を有すると説明。「少額は匿名、多額は法に基づき追跡可能」という原則の下、少額決済は匿名で可能となるものの、多額の送金の際には、デジタル人民元が違法行為に使用されず、取引がマネーロンダリング防止およびテロ資金対策の要件に適合することを保証する必要がある。

さらに、デジタル人民元は銀行口座に頼らずに価値を移転できる価値機能を持ち、「決済としての支払い」という特徴を持つオフライン取引に対応している。

デジタル決済の需要

また、累計2,087万以上の個人ウォレットと351万以上のパブリックウォレットが開設されたと説明した。利用が順調に進んでいる背景には、デジタル経済の発展に伴う現金利用の減少傾向にあるとした。

同行が2019年に実施した調査によれば、WeChatやアリペイの取引件数は全体の66%を占め、送金金額も59%を記録。現金取引の処理件数は23%、取引金額も16%と、中国の現金使用率は近年減少傾向にあった。

そこに加え、中国人民銀行は「現在、中国経済は高度成長期から質の高い発展期へと移行している」と述べており、デジタル経済に代表されるイノベーションが経済的な発展の勢いを生み出す重要な原動力になっていると捉えている。

また、2020年以降のコロナウイルスの感染拡大以降、オンライン決済やリモートワークなどデジタル経済が拡大するきっかけになったと指摘。オンライン金融サービスへの需要は今後さらに増加するとの見込みを示した。

今後の計画

デジタル人民元の長期的な計画については、中国政府の「第14次5カ年計画に沿って着実に推進していく」と記し、開始時期を定めずに、以下の分野を中心に着実に推進していくと説明した。

  • 研究開発と実証実験を辛抱強く、順序立てて継続
  • 関連法案と制度の検討および改善
  • 主な課題に関する研究の強化

レポートでは実証実験を行う地域の利用範囲をさらに拡大に、長期的にはパイロット地域のフルカバレッジ実現を目指す。また、各州法令の改正を積極的に推進し、金融情報やデータのセキュリティなどの観点から、包括的なシステムセキュリティのテストと評価を実施していく。

また、法定デジタル通貨が金融政策、金融システム、金融安定性に与える深い影響についての研究と評価を深め、デジタル人民元の研究と開発のための優れた理論的政策基盤と応用の見通しを築いていくとした。

中期的には、2022年の北京冬季五輪にてデジタル人民元の実証実験を行うと説明。今回の白書にて、オリンピックの競技場付近で無人販売カートや自動販売機、無人スーパーなどの革新的なアプリケーションを実装予定であるとした。新たな試みとして、決済の際に利用できる手袋やバッジなど、決済機能を持つ服装の販売を想定しているという。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入がETF上回る、2025年上半期24万超BTC取得で4倍以上増
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧