はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米議員が警鐘「北京冬季五輪でデジタル人民元を米選手に使用させてはいけない」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル人民元による監視を懸念

複数の米上院議員は、2022年冬の北京オリンピック中に試運転が展開されるデジタル人民元(e-CNY)に警戒を高めており、米国のアスリートが使用することを禁止するよう求めた。特にデジタル通貨のシステムにより行動が監視されることを懸念しているという。

e-CNYは、中国人民銀行が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)である。すでに中国の様々な都市で一般市民がショッピングなどに使用する実証実験が行われており、北京オリンピック中にも、競技場付近での無人販売カートに採用するなど新たな実験が実施される予定だ。

関連中国人民銀行、「デジタル人民元」に関するホワイトペーパー公開

CBDC(中央銀行デジタル通貨)

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

今回、三人の上院議員(Marsha Blackburn氏、Cynthia Lummis氏(ビットコイン推進派)、 Roger Wicker氏)が、米国オリンピック・パラリンピック委員会宛てに書簡を提出。同委員会に「北京オリンピック中にアメリカのアスリートがデジタル人民元を受け取ったり使用したりすることを禁止する」ことを要請した。また、次のように続けている。

デジタル人民元は、中国人民銀行によって完全にコントロールされており、追跡されている。中国政府はデジタル人民元に2014年から取り組んでいたが、最近その重要な機能を発表した。その中には、誰がどこで何を購入したかを正確に知ることができるというものも含まれている。

中国の共産党は、紙幣や硬貨のデジタル化が目的だと主張しているが、デジタル人民元は、中国の国民や中国を訪れる人々を大規模に監視するため使用される恐れがある。

さらに議員らは「中国のデジタル通貨がグローバルな商取引に組み込まれることは、プライバシーの面で多くの問題を抱えている」とも意見した。書簡の末尾では、この問題について「上院の商務・科学・運輸委員会が検討することを求める」としている。

e-CNYの匿名機能について、先週公開されたホワイトペーパーでは、「コントロールされた」匿名性を有して、「少額は匿名、多額は法に基づき追跡可能」という原則の下、少額決済は匿名で可能となるものの、多額の送金の際には、デジタル人民元が違法行為に使用されぬよう取引がマネーロンダリング防止およびテロ資金対策の要件に適合することを保証する必要がある、と記されている。

政府関係者は経済制裁への影響を注視か

Bloombergが以前報じたところによると、米バイデン政権はデジタル人民元を注視している。

関係筋によると、一部の米国政府関係者は、長期的にみて中国のCBDCが、世界の主要な基軸通貨というドルの立ち位置を揺るがす可能性があることを懸念。財務省、国務省、国防総省などの関係者は、デジタル人民元がおよぼす潜在的な影響力を把握しようとしているという。

また世界的な金融構造への直接的な影響よりは、むしろ米国が行う経済制裁への影響について警戒しているとも伝えられた。

現在、国際取引におけるドルの優位性が、米国に制裁対象となる国や組織のグローバルな金融システムへのアクセスを遮断する力を与えている。このため、デジタル人民元の台頭により、米国政府の経済制裁能力が低下することが懸念されている格好だ。

米国内では、CBDC開発の面で中国に遅れを取っていることを指摘する声も上がっている。これについて米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は4月に「いち早く発行することよりも、正しい方法で発行することが重要」だと説明した。また米ドルが世界で広く普及していることから、仮に中国がCBDCを正式に発行しても、それが国際的な覇権を取ることは難しいともコメントしている。

関連パウエルFRB議長、金融市場の過熱感・デジタルドルに言及

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/22 水曜日
20:18
ソラナ(SOL)現物ETF、香港で初承認 10月27日取引開始
香港証券監督委員会がアジア初となるソラナ現物ETFを承認。ChinaAMC運用(香港)で10月27日取引開始。ビットコイン、イーサリアムに続く3番目の仮想通貨ETFとして、米国市場に先駆けた上場となる。
16:39
仮想通貨取引、米国で前年比50%増 トランプ効果鮮明に=2025上半期報告
TRMラボの最新報告書によると、トランプ政権下で米国の仮想通貨取引高が50%増の1兆ドル超に。日本は普及ランキング9位に上昇。ステーブルコインは前年比83%増で過去最高を記録。
15:50
金融審議会、暗号資産のインサイダー取引規制と銀行の取扱要件が焦点に
金融審議会が暗号資産のインサイダー取引規制案を提示。DEX・P2P取引も対象に。銀行本体の取扱いは慎重に検討する一方、子会社には門戸を開く方針。無登録業者への罰則も強化へ。
14:30
「量子コンピュータはビットコインの最大リスク」、CoinMetrics共同創設者が警告
CoinMetrics共同創業者ニック・カーター氏が、量子コンピュータがビットコインの暗号セキュリティに及ぼす脅威について警告する論説を発表。ビットコインのセキュリティの仕組みについて解説し、量子技術の進化が現在の状況を変える可能性があると指摘した。
13:50
リミックスポイント、米ビットワイズのBTC保有企業ETFに新規採用
ビットワイズが3月から提供する「OWNB」ETFに、日本企業メタプラネット、リミックスポイント、ネクソンも組み入れられている。
13:30
ビットコインL2「Arkade」ベータ版公開、BTC上のステーブルコインや貸借の基盤に
Ark LabsがビットコインL2「Arkade」のベータ版を公開した。オフチェーンでステーブルコインやレンディング機能を実現し、ライトニングネットワークを補完する新基盤を目指す。
13:15
米国初で百貨店チェーンが仮想通貨決済導入、創業110年の「Bealls」
創業110年の米百貨店チェーンBeallsが仮想通貨決済を導入。Flexa経由でビットコイン、イーサリアムなどに対応。全米初、複数ブロックチェーンから同時決済を受け入れる小売業者に。
12:55
「Saga」スマホ、発売から2年でサポート終了 次世代端末「シーカー」へ移行
ソラナ・モバイルが仮想通貨スマホ「サガ」のサポートを発売から2年で終了。2万台の完売を成し遂げ、ミームコインのエアドロップで注目を集めた。同社は現在、第2世代端末「シーカー」に注力し、15万台以上の予約を獲得している。
11:25
イーサリアム『フサカ』、取引のガス上限を導入
イーサリアムは次期アップグレード「フサカ」でEIP-7825を導入し、1取引あたりのガス上限を約1678万に制限する。ホレスキーとセポリアで既に稼働しており、12月3日のメインネット実装を予定している。
10:50
イーサリアム元開発者が財団批判 ヴィタリックの影響力と支配層の存在を指摘
仮想通貨イーサリアムの元コア開発者シラージ氏がイーサリアム財団の体制を批判。ヴィタリック氏を中心とした支配層の存在や報酬格差を指摘し、ポリゴンCEOも不満を表明した。
10:50
「史上最大の金融包摂」USDTステーブルコイン、ユーザー数5億人達成
テザーのステーブルコインUSDTがユーザー数5億人を達成。時価総額1820億ドルでステーブルコイン市場の70%を占め、ケニアのKotani Payへの投資と米国向けUSAT発行を発表。CEOは「史上最大の金融包摂」と評価。
10:10
ビットコイン現物売り優勢で膠着、ゴールド・株高の中で独自の値動きに|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは横ばいの推移を続けている。日経平均株価が5万円に迫り、金も最高値圏にあるなかで、ビットコインのみが低調な動きを示している。
09:50
金融庁、正式に銀行の仮想通貨投資解禁を検討へ
金融庁は、銀行と保険会社がビットコインなどの仮想通貨を投資目的で保有できるようにする制度改正の検討を始めることが正式に明らかになった。公開された資料には売買などについても考えが書かれている。
09:45
アジア主要証券取引所が仮想通貨保有企業の上場に慎重姿勢、香港は5社以上に異議
香港証券取引所は仮想通貨保有を中核事業とする企業5社以上の上場計画に異議を唱えている。インドと豪州も同様の反対姿勢を示しており、日本を除くアジア太平洋地域で規制が強化されている。
08:45
コインベースがエコーを570億円で買収、オンチェーン資金調達強化へ
コインベースはオンチェーン資金調達プラットフォームのエコーを約3億7500万ドルで買収すると発表した。今年8件目の取引となり、仮想通貨企業の資金調達支援を拡大する方針だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧