グーグルがCMEに出資へ
米大手デリバティブ取引所CME(シカゴマーカンタイル取引所)は4日、IT大手グーグルのクラウド部門「Google Cloud」と、10年契約の戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。
今回のパートナーシップで、グーグルはCMEに10億ドル(1,130億円)の出資も行う。これから両社は協力し、グーグルのクラウド技術を活用して、グローバルにCMEのデリバティブ市場を変革する計画。市場の効率性を向上させたり、リスク対策ツールなどの新しいプロダクトを作ったり、アクセスを拡大したりすることが目的だ。
デリバティブとは
仮想通貨や株式といった元になる資産から派生した金融商品のこと。英語表記は「派生」を意味する「derivative」で、日本語では「金融派生商品」とも呼ばれる。
代表的なデリバティブ取引には先物、オプション、スワップなどがあり、原資産の取引におけるリスクを軽減したり、単純に高い収益性を追求したりするために活用されている。
▶️仮想通貨用語集
CMEは、株価指数から農産物まで幅広い金融商品の取引を提供しているデリバティブ取引所。仮想通貨のデリバティブ商品も取り扱っており、今月にはマイクロイーサリアム(ETH)先物のローンチ予定を発表した。また、米国で最近誕生した、ProSharesとValkyrieのビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)は、CMEのビットコイン(BTC)先物で運用されている。
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今回のパートナーシップは仮想通貨に限定されたものではないが、発表によると、来年からCMEのインフラを、Google Cloudのネットワーク上に移行していく計画。上述した以外にもCMEは、リアルタイムのデータ提供や分析の機能を強化したり、セキュリティを高めたり、新しいユーザーがより簡単に市場に参加できるようにしたりしていくという。
発表で、CMEのTerry Duffy最高経営責任者(CEO)は、以下のようにコメントした。
市場をスムーズに変革できるように、顧客とも密に連携して段階的に作業を進めていく。
今回のパートナーシップで、CMEは新しい金融商品やサービスをより速く提供できるようになり、柔軟性やスケーラビリティが高い環境を構築することができるだろう。