スクエア社決算、アプリのCash Appが力強い成長
決済サービスやCash Appを展開するスクエア社が2021年第3四半期(Q3)の決算を発表した。全体の売上総利益は前期比でやや減少した。また、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン取引サービスからの利益はビットコイン市場の価格が落ち着いたことなどを理由に控えめな結果となった。
スクエア社全体の収益は38億4000万ドル(約4365億円となっている。売上総利益(粗利)は前年同期比で43%増加しており、11億3,000万ドル(約1,284億円)となった。
ビットコイン(BTC)の収益は18億1,000万ドル(約2,060億円)だったが、売上総利益は4,200万ドル((約48億円)に留まった。ビットコインの収益は、ビットコインの顧客への合計販売量となっている。
収益、売上総利益が前期比で減少している点については、ビットコインの値動きが比較的安定していた点を理由として挙げた。
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ビットコインの売上総利益は、2021年第1四半期(Q1)の7,500万ドル(約85億円)が最高となり、それからQ2、今期となるQ3にかけ収益額と共に減少が続いている。
スクエア社はユーザーからの需要やビットコインの値動きにより、収益、売上総利益については今後も上下する可能性があるとしている。
ビットコインの窓口となっているスクエア社のアプリ、Cash App全体も好調で、収益が23億9,000万ドル(約2720億円)に対し、5億1,200万ドル(約582億円)の利益となっている。ビットコインを除いたCash Appの収益は5億7,800万ドル(約657億円)となった。
ビットコインへの投資
スクエア社は、ビットコインへの投資をこれまでに5,000万ドル(約57億円)と1億7,000万ドル(約193億円)の二回に分けて行っている。
ビットコインは無期限の無形資産として会計上は評価される。「ビットコインの公正価値が評価期間中に帳簿価額を下回った場合、ビットコインは減損損失の対象になる」という。
そのため、第3四半期のビットコインの減損損失は600万ドル(約6億8,000万円)だった。なお、市場価格に基づいたビットコイン投資の公正価値は3億5,200万ドル(約400億円)となっており、投資の帳簿価額を2億300万ドル(約230億円)上回っている。
スクエア社は、今年7月にビットコインのハードウェアウォレットを開発する計画、そして分散型の金融サービスを簡単に構築できる開発者向けのプラットフォームの計画を明らかにした。
また、10月にはビットコインのマイニングシステム構築を検討していることを明かしており、CEOのジャック・ドーシー氏の元、ビットコインの公共財的なサービス開発を進めている。