「DeFiの分散性は幻想」国際決済銀行がレポート発表

DeFiのリスクや規制について議論

国際決済銀行(BIS)は6日、DeFi(分散型金融)についてのレポートを発表。その「分散性は幻想」であるとして、仕組みやリスクについて分析、規制方法を提案した。

DeFiとは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。

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BISは、DeFiの重要な要素として「暗号資産(仮想通貨)の取引、貸付、投資をサポートするブロックチェーン上の自動化されたプロトコル」と、「資金移動を促進するステーブルコイン」を挙げた。

その上で、レポートは結論を次のようにまとめている。

DeFiでは、ガバナンスを行う必要性から、ある程度の中央集権化が避けられず、システムの構造的側面から権力の集中が起こっている。このため、我々はその分散化は幻想だと主張する。

また、DeFiが広く普及した場合、その脆弱性が金融の安定性を損なう可能性がある。こうした脆弱性は、高レバレッジ、流動性のミスマッチ、システムの相互接続性、ショックを吸収する機関の欠如などにより、深刻になる可能性がある。

「ガバナンスシステムが規制の介入ポイント」

以上のような状況で、レポートは、DeFiに既に存在しているガバナンス・メカニズムは、規制当局が「金融安定性、投資家保護、違法行為」などの課題に対処する際に、介入点になるだろうとしている。

より具体的には、DeFiプラットフォームが「ガバナンストークン」の保有者などを中心とする、意思決定を行う中央の運営体制を持っていると指摘。また、大量のトークンを保有している者に決定権が集中しやすいとも論じた。

こうした集中化の要素が「DeFiプラットフォームを企業と同様の法的実体として認識する根拠となり得る」という。一例として、DeFiアプリを管理することの多い自律分散型組織(DAO)も、2021年4月から米ワイオミング州で法人として登録することが認められたことに言及した。

関連米ワイオミング州、自律分散型組織(DAO)の法人化法案が成立

DAOとは

自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

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DeFiの脆弱性を分析

さらに、DeFiのリスクについては、高いレバレッジや、従来型金融システムにおける銀行のような、ショックが起きた時にそれを吸収する機関がないことなどに触れた。

また、DeFiでよく用いられるステーブルコインの裏付け資産の問題にも言及。裏付け資産に関する投資家の信頼が失われた場合、売却や法定通貨への変換などに向かわせる圧力となり、広くDeFiシステムに影響がおよぼされる可能性があるという。

ステーブルコインが裏付けとして、従来型金融システムの預金証書やコマーシャルペーパーを保有していたり、仮想通貨へ参入する金融機関や企業が増えていることからは、将来DeFiと、伝統的な金融システムがさらにつながっていくことが考えられると指摘。その場合、DeFiで起きた不安定性が従来型金融システムにも影響をしかねないと論じている。

BISは、以上の理由でDeFiには規制が必要だと述べており、次のように説明した。

過去の歴史を見ても、新しい技術の開発初期には、その技術が広く利用しうるイノベーションを生み出しながらも、バブルや市場の健全性が失われることなどがあった。

DeFiは、ブロックチェーンのスケーラビリティ向上、伝統的資産の大々的なトークン化によって金融システムにおいて重要な役割を果たす可能性がある。そのうえで最も重要なことは、適切な規制によって安全性と信頼性を高めることだ。

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