パラグアイの仮想通貨法整備
南米パラグアイ共和国の上院は16日、暗号資産(仮想通貨)に関する法案を可決した。法案は特に仮想通貨のマイニング産業を適切に規制し、投資を呼び込むことを狙いとしている。
パラグアイは両院制のため、今後2022年度に、法案は下院にて議論される予定だという。
法案は、仮想通貨ビジネスの法律、財務、財政の面で安全性を保証することで、パラグアイにおける仮想通貨マイニング産業の呼び込み等を狙いとしている。
従って、この法案は仮想通貨を支払い手段として認めたり、あるいは法定通貨とするものではない点には留意する必要がある。
監督機関については、パラグアイの産業省のほか、証券委員会、マネーロンダリング防止事務局、および国家電力管理局などが行う。産業省は採掘許可を与えるだけでなく、バーチャル資産に関する技術研修を推進することについても権限を有するとされている。
また、法律等に違反した場合には、罰金やマイニング活動の停止、ライセンスの失効などの措置が取られる。
パラグアイは水力発電で国内の電力需要ほぼ全てを賄っているとされる。中でもブラジルとの共同出資で作られたイタイプダムは、発電能力で中国の三峡ダムに続く規模を誇り世界的な知名度を持つ。
法案によると、こういった水力発電によって生産されたエネルギーは、その三分の一程度しか消費されていないといい、周辺国に売電しているほか、パラグアイ国内の電気代も安くとどまっている状況にある。
マイニング業者は産業用電力とライセンスの申請を行うことで事業を行うことが可能になると法案では述べられている。
法案では、その他にも仮想通貨取引所サービスを提供する事業者に影響する内容も含まれている。仮想通貨に関する取引は証券委員会やマネーロンダリング防止事務局が、仮想通貨サービス提供者の登録用件を定め、監視体制を確立する権限を持つという。