仮想通貨市況
20日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+0.81%の479万円(41,974ドル)で推移している。
依然として際どいライン上にあり要警戒ゾーンであるが、いつ底割れてもおかしくないところで下げ渋っているようにも見受けられ、保ち合いを上抜けることができれば反騰機運も高まるか。
米国時間とアジア時間
Arcane Researchが、ビットコインや米国株指数(S&P 500)を含む金融市場取引に関するレポートを公開。ビットコインの取引傾向を分析した。
Arcane Researchは、BTC価格は米国時間(22:00~翌10:00、サマータイム21:00~翌9:00)中の上昇率が高いと指摘。ビットコインの取引量全体の実に43%が、米株式市場が開いている時間帯に集中して記録されており、仮想通貨市場でも米国人トレーダー比率が高まっていることを言及した。
米国時間に上がりやすく、アジア時間に下がりやすいアノマリーについては、TheBlockの調査などでかねてより指摘されてきたところだ。
この点についてFTXのサム・バンクマン・フリードCEOは当時、「ビットコイン採掘業者が中国近郊などのアジア地域に滞在していることから、採掘業者(マイナー)による売却が一因」と指摘。米国人とは保有の時間軸に関する「文化的な価値観の違い」の側面もあるとの見立てを示した。
QCPの共同創設者Darius Sit氏は、「欧米トレーダーは強気に傾倒しやすく、アジア時間で反動売りが出ている」と分析している。
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特にここ数ヶ月は米株市場と相関係数が上昇傾向にあるが、米国勢比率の上昇は、ビットコインのパフォーマンスに対して株価が影響を与え得る一因になっているものとみられる。
国際通貨基金(IMF)のレポートによれば、新型コロナウイルスのパンデミックによるコロナショック(2020年3月)前は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と株価指数との相関性はほぼ見受けられなかったが、金融緩和フェーズで投資家のリスク選考が強まるにつれ、強く相関するようになった。
2020〜21年の測定値では「0.36」まで上昇している。
"Bitcoin's correlation with stocks has turned higher than that between stocks and assets such as gold, investment grade bonds, and major currencies, pointing to limited risk diversification benefits in contrast to what was initially perceived." #IMFblog https://t.co/0EhROZfX88 https://t.co/Bgn2QZVJxD
— Gita Gopinath (@GitaGopinath) January 11, 2022
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また、米国における約40年ぶりのインフレ率高止まりが問題視される中、英国のインフレ率(消費者物価指数:CPI)も前年同月比5.4%上昇し、1997年1月より始まった30年間の統計データで過去最高に達した。
コロナ禍から経済回復局面で、輸送に係る燃料や食料品などの需要が急増する中、新型コロナウイルス・オミクロン種の感染拡大に伴うサプライチェーンの混乱などの影響により、輸送コストや食品などの物価高が広範な影響をもたらしている。
法定通貨の大量増刷含むインフレーション局面では、相対的に現金・預貯金の価値が目減りする懸念も生じるため、中・長期的には希少価値の高いデフレ資産性を有するビットコイン市場にとって、インフレヘッジ需要から追い風となり得る。
一方、インフレ抑制のために金融引き締めが加速することで、短期的には米株安の順相関リスクの方が懸念されるため、留意したい。
アルトコイン市場の動向
国内上場銘柄では、Liquid by QuoineのQASHが、前週比+30.1%、前日比+13.7%と反発している。
19日には、最大手デリバティブ取引所のFTXが「”日本のパートナーと協力して”、日本の法規制に準拠した日本居住者向け取引サービス拡充を示唆した」ことで、思惑買いが加速した可能性もある。
Liquid Globalは21年8月、ハッキング被害を受けた際、大手デリバティブ仮想通貨取引所FTXから130億円(1.2億ドル)規模の融資を受けた。
サム・バンクマン・フリードCEOは、融資の用途として、Liquid Globalのキャピタル生成、流動性提供、バランスシート改善のほか、日本やシンガポールのライセンスプロセスの努力に充てる計画があることについて言及していた。
17年11月にICO(イニシャルコインオファリング)で124億円の大型資金調達を成功させたQASHであるが、メインネットローンチは当初の予定よりも大幅に遅延している。
そんな中、Liquid by Quoineは21年6月、リキッドチェーン及びスマートコントラクトの監査終了を報告。21年10月には、日本法人のQUOINE株式会社が、証券会社や外国為替証拠金取引業(FX)を行うために必要な厳格なライセンスである「第一種金融商品取引業」の登録完了を報告するなど進展も見られていた。
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