仮想通貨市況
20日の米国株式指数は、一時上昇するも日本時間午前3時過ぎから売りが膨らんだ。米経済のインフレ加速や利上げを巡る懸念が強まり、景気減速への警戒感が台頭している。
過剰流動性を生み出した経済下支えのための金融緩和フェーズでは、市場に溢れた資金が株や暗号資産(仮想通貨)などのリスク資産に大量に流れ込んだ。
しかし、昨今。金融引き締めフェーズが意識されるにつれ、高PER(株価収益率)のハイテク株中心に構成されるナスダック市場が大幅安に。米国債利回りが急上昇する一方、ナスダック指数は7ヶ月ぶりの安値を付け、調整局面入りを余儀なくされた。
このような金融マーケットのリスクオフは、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)市場にも影響を及ぼしている。19日には、ナスダックとBTC市場の相関係数(30日間)は0.82に達し、極めて高い相関を記録したことがわかった。
Bitcoin <> Nasdaq 30-day correlation at 0.82. $BTC $QQQ pic.twitter.com/oGoMrlgPdL
— Dylan LeClair 🟠 (@DylanLeClair_) January 19, 2022
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ビットコイン(BTC)価格は21日、再び4万ドルを割り込み一時39,188ドルまで下落した。
一時上昇していた米株の追い風もあり、保ち合い上抜けで43,518ドルまで上昇するも、大引け前にかけて米株市場が急落すると投資家心理が悪化し、BTCも連れ安となった。
結果的に日足で上髭陰線を付けた上、10日の直近安値を更新するなど厳しい情勢だ。3年ぶりのアルトバブルの翌年にあたるため、利上げ観測のある今年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧米の「確定申告」シーズンを通過するまでは積極的な買いも入りにくいか。このまま掘り進んだ場合、デリバティブ(金融派生商品)市場におけるロスカット連鎖を伴うダウンサイドリスクが懸念される。
また、crypto.comは20日、ハッキング被害に遭ったことを認めた。17日時点で盗難された暗号資産(仮想通貨)は、443.93BTCと4,836.26ETH、その他66,200ドル。計3400万ドル(40億円相当)に及んだものとみられ、市場への影響も懸念される。
ロシア情勢
ロシア中央銀行が20日、「金融政策及び金融システムの安定、環境リスク」を理由に、ロシア国内の暗号資産取引とマイニング(採掘事業)の全面禁止を求め報告書を出したことも相場の重石となった。
現時点では検討段階とみられるが、マイニングを含む暗号資産(仮想通貨)の全面禁止となれば、20年5月の中国に続き、先進国による極めて強い規制措置となる。
移転先を探す中国大手マイナーにとって、寒冷地で環境面に優れるロシアは主要候補地の一つであり、ハッシュレート(採掘速度)シェアは世界3位まで上昇している。
同じくマイナーの主要移転先として注目度の高まったカザフスタンでは、年初より市民の大規模暴動が発生。政情不安の影響で安定した電力供給や採掘活動が困難となり、ハッシュレートが一時下落する場面があった。カザフスタンからロシアへの移転計画が伝わっていたが、全面禁止となれば再移転計画を白紙にせざるを得ず、今後混乱が生じる可能性もある。
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オンチェーン分析
このような状況にある中、オンチェーン分析では、ビットコイン(BTC)供給とステーブルコインの供給比率を測定するSSR(ステーブルコイン供給量レシオ)が、19日に過去最低の5.26を記録した。
SSRはオンチェーン・アナリストWilly Woo氏によって考案された指標であり、ステーブルコイン建の購買力を示すもの。
Glassnodeの統計データを元にしたbeincryptoの考察によれば、テザー(USDT)の循環供給は20年9月以降上昇傾向にあり、過去2ヶ月間にわたって増加が目立っている。
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