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DeFiプロトコル「Wonderland」、財務責任者が金融犯罪者と判明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

QuadrigaCXとのつながり

分散型金融(DeFi)プロジェクト「Wonderland」がスキャンダルに見舞われている。

「@0xSifu」として知られる同プロジェクトの財務責任者の実名が、Michael Patrynであり、2019年、唯一の秘密鍵管理者であったCEOの突然死により破綻した、カナダの暗号資産(仮想通貨)取引所「QuadrigaCX」の共同設立者だったことが判明したためだ。

QuadrigaCXは、当時のレートで160億円相当の顧客資産にアクセス不能に陥り、巨額の資金が引き出せない状態となった。債権者に支払うべき資金の不足分を捜査するため、裁判所より監査役として「Ernst&Young(EY)」が任命され、調査開始された結果、複数の不可解な点が指摘さた。

また、2020年6月に発表されたオンタリオ州証券委員会(OSC)の独自調査では、死亡したGerald Cotten CEOが不正行為を行い、資金を使い込んでいたことも明らかにされた。この事件は、現在でも法的手続きが進行中だ。

関連:加仮想通貨取引所QuadrigaCXの巨額損失事件で、債権者は元CEOの検死を要請

Wonderlandは27日に公式声明を出し、共同設立者で財務責任者である「@0xSifu」を退任させると発表した。現在、@0xSifuが財務責任者としての職務に相応しいかどうかについて、48時間にわたる公開投票が行われている。(執筆時は反対が83%超)

退任措置の背景

アバランチ(AVAX)ブロックチェーン上のOlympusプロトコルのフォークとして、2021年9月にローンチされたWonderlandは、@0xSifuとDaniele Sestagalli氏によって設立された。

Sestagalli氏はツイッターで、1ヶ月ほど前から@0xSifuの経歴を知っていたと明かした。しかし、共同でのプロジェクト構築を通して、@0xSifuに対する信頼が生まれ、「過去は必ずしも未来を決定するものではない」との考えから、@0xSifuを支持し、セカンドチャンスを与えるという立場をとっている。

しかし、コミュニティには反対する意見も多く、分裂が起きているため承認投票の結果が出るまで、@0xSifuには退任してもらうのが最善だと決断したようだ。

なお、@0xSifuが管理していたWonderlandの資金は、マルチシグが導入されているため安全だとSestagalli氏は強調している。

マルチシグ

マルチシグとは、複数の「秘密鍵」で署名を行わないと取引が実行されない仕組みや技術を指す。「複数」を表す「multi」と「署名」を表す「signature」を組み合わせた「multi-signature(マルチ・シグネチャ)」の略。秘密鍵が1つ漏洩した場合でも、別の秘密鍵がないと取引ができないため、セキュリティを向上させることができる。

▶️仮想通貨用語集

DeFi運営の匿名性が仇に

しかし、@0xSifuを名乗ったMichael Patryn氏のこれまでの経歴は、決して自慢できるようなものではないようだ。

ブルームバーグの報道によると、Michael Patryn氏は過去、Omar Dhananiと名乗っており2002年に、クレジットカードと銀行カード番号の取引サイト「Shadowcrew.com」を運営したことで有罪となった。2005年にはクレジット・銀行カード詐欺、さらに2007年には、強盗、重窃盗罪、コンピュータ詐欺などの複数の刑事事件で有罪が確定。米国連邦刑務所に18ヶ月服役後、カナダに強制送還されたという。

その間にOmar Patryn、Michael Patrynへと2回名前を変えていることも明らかにされた。

なお、前出のQuadrigaCX事件に関しては、同社の共同設立者であったMichael Patryn氏は起訴されていない。Patryn氏は、同社の上場プロセスをめぐるCotten CEOとの根本的な意見の相違を理由に2016年、QuadrigaCXを退社したと伝えられている。

WonderlandのネイティブトークンTIMEは7日で約70%値下がりし、関連プロトコルのSPELLトークンも急落している。

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