NFT人材募集へ
米大手エンタメ企業ディズニー社は公式サイトの採用ページにて、NFT関連の求人募集を実施していることが明らかとなった。
以前よりメタバース(仮想空間)構想に意欲を見せている同社は、ビジネス開発担当マネージャーを始めとするNFTの専門家を採用することで、提供するサービスにNFT(非代替性トークン)やメタバースなどの技術を取り入れていく模様だ。
ディズニー社のCEOを務めるボブ・チャペック氏は、2021年の第4四半期決算説明会で、独自のメタバース(仮想空間)の構築に意欲を見せており、同年末にはAR(拡張現実)やメタバース関連の特許を取得している。
今回の募集はそれらの実現に向けたものと見られ、同社が本格的にNFT・メタバース領域への参入に動き出したものと考えられる。
募集概要
今回の求人で掲載されている職業は、ビジネス開発担当マネージャー、カルチャートレンド・マーケティングマネージャー、セールス&デジタルマーケティング担当ディレクター、ESPN(ディズニー傘下のスポーツ専門ケーブルテレビ局)ビジネス開発職の4つで、それぞれの求められる条件・スキルに関しては以下のように掲載されている。
- ビジネス開発マネージャー
- カルチャートレンド・マーケティングマネージャー
- セールス&デジタルマーケティング担当ディレクター
- ESPNビジネス開発
「進化する市場のモニタリング・カテゴリー戦略の設定・主要パートナーの管理など、NFT領域におけるディズニーの取り組みをリードする」ことが求められる。
ディズニーの傘下に属する動画配信サービスHulu(フールー)などのブランドが「ストリーミング以外の他の市場(音楽・ゲーム・NFT・仮想通貨・メタバースなど)にどのように参入するか」を考案できるスキルが求められている。
「AR/VR・フィルター・NFT・ライブストリームなどの新興技術に関するディズニー・ミュージック・グループ(DMG)の取り組みをリードする」ことが求められる。
ESPNのコンテンツの提供を強化する新たなビジネスチャンスを創出する責任があり、業界の新興技術(NFT、仮想通貨、ブロックチェーン技術など)に関する深い理解が求められる。
また、これらに加え、いずれの職業も「デジタルとNFTのカテゴリーに関する知識と情熱」が必須となっている。ディズニーは傘下の企業を含めればエンタメ・音楽・動画配信・テーブルテレビなど提供するサービスは多岐に渡るため、様々な分野でNFTが取り入れられる可能性がある。
2021年にNFT市場が過熱感を増した他、旧フェイスブックによる「メタ」へのリブランディングとメタバース領域への参入表明をきっかけに、メタバースへの関心が急速に高まっている。2022年になっても大企業による同領域への参入の発表が相次いでいるため、ディズニーのようなエンタメ企業に限らず様々な業界の動向に注目が集まる。
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