2月初めに重大なバグを修正
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューションOptimismは11日、今月初めに重大なバグを修正していたことを発表した。
公式ブログによると、このバグは、イーサリアムの人気クライアントソフトGeth(Go Ethereumの略称)上で発見されたという。
レイヤー2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
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このバグは、2月2日にOptimismチームに報告された。チームがバグを確認した後、このバグを発見した開発者Jay Freeman氏に、約200万ドル(約2.3億円)の賞金が授与されたという。
Optimismは、バグが不正使用された形跡はないとして、次のように説明している。
バグを確認して数時間以内に、修正プログラムをテストし、OptimismのKovanとメインネットワーク(すべてのインフラプロバイダーを含む)に設置した。
また、複数の脆弱なOptimismフォークとブリッジ・プロバイダーに対しても、このバグの存在を警告した。そこで、こうしたプロジェクトもすべて、必要な修正を適用完了している。
賞金プログラムの重要性を強調
Optimismは、レイヤー2ソリューションとしてイーサリアムのブロックチェーンの外で取引を集約する「Optimisticロールアップ」の開発に注力しているプロジェクトだ。イーサリアム・ネットワーク上の取引コストを削減することを1つの目的としている。
しかし、本日の報告が示すように、レイヤー2プロトコルにも、セキュリティの問題がつきまとっている。
Optimismは、今回のことで「バグ発見者への賞金プログラム」の重要性が実証されたと述べた。
特に、仮想通貨間の互換性技術を提供する「Wormhole」で、最近12万ETHがハッキングされたことにも触れている。Wormholeは現在、350万ドル(約4億円)の賞金プログラムを立ち上げようとしているという。
Optimismは、「他の大規模プロジェクトも、早急にバグ賞金プログラムの設置を検討すべきだ」と推奨しているところだ。また、ホワイトハッカーに対しても、Optimismが実施している賞金プログラムをチェックして、プロトコルのセキュリティを維持することに一役買ってほしいと呼びかけた。
Optimismは、バグ賞金プログラムのプラットフォームを提供するImmunifyと提携して、バグ発見者に報酬を付与している。
Immunefiは、Synthetix、Chainlink、SushiSwap、PancakeSwap、Compound、その他多数のプロジェクトと提携しており、これまで総額10億円以上の報酬を、バグ発見者に支払ってきた。
Optimismの成長
仮想通貨メディアThe Blockが収集したデータによると、現在、「Optimisticロールアップ」は様々なプロジェクトで利用されており、預け入れ総額(TVL)は50億ドル(約5,800億円)以上に達している。