はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

地政学リスクへの警戒感続くも、ビットコインなど仮想通貨は反発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

ここ最近、金融市場の不確実性が再び高まっている。

1つ目の理由は、先週木曜日に発表されたCPI(米消費者物価指数)が、前年同月比+7.5%という高水準を示したことだ。第2次オイルショックの発生した1982年2月以来、約40年ぶりの伸び率となった。

予想を超える物価上昇ペース、及びインフレ率の高止まりを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測が一層強まった。セントルイス連邦準備銀行のジェームズ・ブラード総裁は、利上げに関する迅速なアプローチを求め、7月までに100ベーシスポイントの引き上げを提案し、米長期金利は2.0%台を上回った。

一方、過熱感を冷ますための金融引き締め政策は、景気後退期から景気拡大期への移行フェーズの証左でもある。緩和マネーによる過剰流動性の金融相場から業績相場へ移行すれば、過去の歴史からも相場が次第に落ち着きを取り戻す可能性は考えられる。

2つ目は、地政学リスクの影響だ。直近では、ウクライナ情勢の緊迫化を警戒した売りが優勢となっており、株価、ビットコイン(BTC)価格ともに下落している。

米国家安全保障担当のサリバン高官は13日、ウクライナ情勢を巡り、「週内にも、ロシアがウクライナへの侵攻を始める可能性がある」との見方を示した。

米国務省らは、在ウクライナ大使館の職員に即時退避を命じ、日本の外務省もウクライナの危険情報をレベル3(渡航中止勧告)から最高のレベル4(退避勧告)に引き上げ、直ちに退避するよう呼び掛けるなど追従した。

一方、ロシアのラブロフ外相は14日、プーチン大統領に対し「欧米との協議を続けるべき」と進言。国営テレビで中継されると懸念が後退した。米国やNATO(北大西洋条約機構)との対話継続は示唆している。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻リスクに対し、欧米諸国は大規模な経済制裁を示唆しているが、資源大国であるロシア側が報復に出た場合、天然ガスや原油などのエネルギー価格に著しい影響を及ぼす可能性が指摘される。

このような不安定な状況にある中、想定され得るリスクを市場がどこまで織り込んでいるかが焦点となる。15日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は、前日比+2.4%の43,572ドルと反発した。

BTC/USD日足

41,000〜41,500ドル付近のサポートライン(下値支持線)を割り込まずに上昇し、45,800ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)を超えてくるようであれば、トレンド転換の機運も高まりそうだ。

ハッシュレートが過去最高値

ビットコイン(BTC)のハッシュレート(採掘速度)は12日、過去最高値の248.11TH/sに達した。

ハッシュレート推移(blockchain.com)

世界最大のシェアを占めていた中国が大手マイナーへの締め付けを強めた昨年6月時点では、58.46TH/sだったが、その後マイナーの海外移転に伴い大幅回復。

新高値を付けたことは、大手マイナーによる強気の展望を示唆しており、ビットコイン関連のインフラストラクチャに長期的な資本を投じる意欲が削がれていないことを意味する。

関連:BTCのアクティブアドレス10週間ぶり高水準に、ETHガス代は21年7月以来の低水準

BTC

オンチェーンデータ分析

Glassnodeによれば、暗号資産(仮想通貨)取引所のBTC残高は、3年ぶりの低水準に達した。

ビットコイン現物の取引所へのインフロー増加は、市場への売り圧力上昇が懸念されるケースが多く、投資家らが利益確定に動いている状況を示唆する。

アウトフローの増加は、コールドウォレットやDeFi(分散型金融)サービスなどへの預入を示唆するもので、中・長期保有を前提とした売り圧減少と見なされやすい。

Santimentによれば、ビットコイン(BTC)の下落に関わらず、取引所の供給量は、18年12月以来となる10.87%まで低下した。

また、アクティブアドレスの増加について、価格上昇の前兆と指摘している。

関連:育てて可愛いAIが強化学習?投資初心者にマイメイトがおすすめの理由

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
18:39
イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点
【2025年5月最新】イーサリアム(ETH)の将来価格と成長可能性を徹底分析。ペクトラ後の価格回復、ブラックロックのステーキングETF申請、機関投資家の700億円購入など最新動向を解説。
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧