仮想通貨に直接投資するファンド
米国の大手VC「Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)」は17日、最大で約700億円規模となる仮想通貨ファンドをローンチすることを発表した。
新ファンドは主に流動性のある仮想通貨に投資するもので、すでに取引所に上場した銘柄と未上場銘柄も対象になる。投資テーマについては、特にゲームFi(ブロックチェーンゲーム)やクロスチェーンプロトコルに対するセコイアの関心度が高いという。同社のパートナーであるShaun Maguire氏はThe Blockの取材で、「我々はまだクリプトのスタート点にいる。仮想通貨は今後の20〜30年間のメガトレンドになっていくと考えている」とコメントした。
ファンドの資金規模は570億円〜700億円になるが、昨年10月にセコイアが再構築した「Sequoia Capital Fund」に入る形になる。
また、今回のファンドのほか、同社は引き続きシードラウンドやベンチャー、グロースファンドからも仮想通貨スタートアップに投資していく方針だ。これらのファンドの総規模は約8,700億円に及ぶ。
セコイアは2015年から、仮想通貨関連企業のエクイティとトークンの購入を実施しており、ポートフォリオにはFTX(取引所)、Fireblocks(カストディ)、StarkWare(L2技術企業)、Filecoin(FIL)などが入っている。
一方、今回ローンチされるトークンに直接投資するファンドはセコイアが1972年に創業されて以降の初のセクター固有ファンドになる。このタイミングでセクター固有のファンドをローンチする理由について、Maguire氏は「多くのプロジェクト創設者がセコイアに、よりアクティブにトークンを運用するよう求めてきた。新ファンドは我々に、プロジェクトにより深く関わる柔軟性を与えてくれる」とコメントした。
「アクティブにトークンを運用する」という点に関しては、今後、トークンを単に保有するだけでなく、ステーキングや流動性の提供、ガバナンスへの参加にも関わる予定があるという。
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