STOサービス提供へ
シンガポール大手のフィリップ証券は22日、デジタル証券の発行プラットフォームのSecuritize Japan株式会社との提携を発表した。ブロックチェーンを活用したセキュリティ・トークン・オファリング(STO)の開発に着手する。
STOは、発行元がブロックチェーン等の電子的手段を用いて発行する「セキュリティトークン」により資金を調達するスキーム。開発されるサービスは、年内に一般投資家を対象に提供を開始する予定だ。
STOとは
STO(Security Token Offering)の略称、株や社債など有価証券機能を付与したトークンをブロックチェーン上で発行する資金調達方法。株式や債券などの上場取引、さらにはクラウドファンディングに次ぐ新たな手段として着目されている。
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不動産商品の証券化が初案件
今回の提携について、Securitize Japan株式会社の⼩林英⾄カントリーヘッドは以下のようにコメントした。
今回、世界有数の総合⾦融サービスグループの⼀員であるフィリップ証券とのパートナーシップは⾮常に意義深いものがあります。
STOを活⽤することにより、これまで以上に幅広い資⾦ニーズのある企業・案件が資本市場のメリットを享受できるようになり、また投資家にとってはこれまでアクセスが難しかった投資機会への参加が可能となります。
フィリップ証券のマーケットプレゼンスと Securitize の持つグローバル最先端のSTOプラットフォームの協業により、⽇本の資本市場・企業活動の活性化に少しでも寄与できれば嬉しく思います。
また、フィリップ証券の永堀真代表取締役社長はSTOのメリットとして小口の証券化事業が可能になると指摘。STOサービスの最初の案件は不動産商品の証券化になると述べた。
将来的には、より「多様な権利や資産の証券化を実施していく」と語った。
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