はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

スタンフォード大学研究員開発のブロックチェーン、約40億円を調達

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大規模資金調達に成功

ゼロ知識証明技術を用いたプライバシーとスケーリングを提供する米スタンフォード大学発のL1ブロックチェーン「Espresso」は、37億円相当の資金調達に成功した。

Espressoは、スタンフォード大学の研究者らが立ち上げた企業「Espresso Systems」によって開発を進められるプロトコルであり、ゼロ知識証明技術を用いて、安価なガス代(取引手数料)・高いスループット(取引処理能力)・プライバシー・分散性を提供することを目標としている。

ゼロ知識証明とは

ゼロ知識証明とは、証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。

▶️仮想通貨用語集

関連:個人情報管理のカギとなる「ゼロ知識証明」とは|XSL Labs寄稿

今回の資金調達ラウンドでは、Espresso Systemsが、Greylock Partner、Electric Capital、Sequoia Capital、Blockchain Capital、Slow Venturesといった大手VCファンドから、37億円相当の開発資金を調達した格好となる。

新たに達した資金は「Web3.0を広く普及させるためのインフラや製品を研究、構築、実装するチームの成長に必要なリソースを提供するもの」であり、「エンドユーザー製品の配布、開発者の採用、起業家、新興企業、企業とのパートナーシップ」といった活動に充てられる予定だ。

なお、Espresso Systemsはこれまでに、大手仮想通貨VCファンドとして知られるPolychain Capital、Alameda Research、Coinbase Ventures、Gemini Frontier Fund、Paxos、Terraform Labsといった企業からも支援を受けている。

Espresso

Espressoは、StarkWareやzkSyncといった企業が研究・開発に参入しているゼロ知識証明技術を用いたロールアップ(zkRU)を備えたPoS(プルーフ・オブ・ステーク)合意プロトコルの統合を目指すパブリックL1ブロックチェーンとなっている。

関連イーサリアムのL2ソリューション「StarkNet」、本格稼働を開始

zkRUは、イーサリアム(ETH)のL2スケーリングソリューションとしてよく知られる技術。イーサリアムでは、合意プロトコルをPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行した後の「The Surge」という段階で、zkRU技術の導入が計画されている。

関連:ヴィタリック氏「イーサリアムの開発の進捗状況は50%」

課題解決の目標

究極のスケーリングソリューションとしての見方が挙がるzkRUだが、現時点でいくつかの課題点を抱えている。

Espressoは、zkRUの課題として「取引ブロックの有効性を伝えることができるが、将来の取引を構築するために必要なデータの可用性を保証することはできない」ことを指摘。最初からzkRUとPoS合意プロトコルを緊密に統合をすることで、スケーリングとデータの可用性における課題を解決するとしている。

また、同チェーンではCAPE(Configurable Asset Privacy for Ethereum)というEVM互換のスマートコントラクトアプリケーションが開発されている。

EVMとは

EVM(イーサリアム仮想マシン)とは、イーサリアムのスマートコントラクトのコントラクトコードを実行するための「翻訳機」として機能するもの。

▶️仮想通貨用語集

これは、CAPE上で発行したステーブルコインやNFT(非代替性トークン)といったデジタルアセットのプライバシーをカスタマイズできるサービスで、用途に応じたトークンの透明性の制限を可能にするものとなっている。

Espresso Systemsは今後数週間に渡って、「CAPEをイーサリアムRinkebyテストネットに展開し、アプリケーションのグラフィカル・ユーザー・インターフェースをリリースする予定」としている。

なお、公式からはEspressoやCAPEといったトークンはリリースしていないため、公式トークンを装った偽物に対し注意喚起している。

関連: Polygon、ゼロ知識証明に特化したプロジェクト「Mir」を買収へ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
13:55
Bitcoin Core、史上初の公開セキュリティ監査をクリア 「重大な脆弱性なし」
ビットコインの基盤ソフトウェアBitcoin Coreが16年の歴史で初となる第三者セキュリティ監査を完了した。Quarkslabによる4ヶ月間の徹底調査で致命的な脆弱性は発見されず、300兆円規模のネットワークの安全性が裏付けられた。
13:30
金融安定理事会、ステーブルコイン監視強化を表明 G20サミット前に警告
金融安定理事会(FSB)のベイリー議長がG20首脳会議を前にステーブルコイン規制強化を表明。市場規模3000億ドル突破を受け、ECBも警戒。2026年作業計画で国際協力推進。
13:05
仮想通貨団体ら、税制改正などをトランプ大統領に要望
ソラナ政策研究所など65以上の仮想通貨団体がトランプ大統領に書簡を提出。税制の改善、規制の明確化、イノベーションや開発者保護の取り組みを求めた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧