米財務省、ロシア制裁回避での仮想通貨利用を警戒

FinCEN、ロシアの制裁回避に注意促す

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は7日、金融機関に対し、ロシアが制裁回避のために暗号資産(仮想通貨)を使うことに注意するよう警告を発した。

FinCENの通知には、次のように書かれている。

すべての金融機関(仮想通貨取引業者や管理者など、換金可能な仮想通貨やその動きに関連する機関を含む)は、制裁回避との関連が疑われる活動を迅速に発見・報告し、リスクベースの顧客デューディリジェンス、あるいはデューディリジェンスの強化を実施する必要がある。

顧客デューデリジェンスとは

事前に定めたリスク基準に照らして、顧客の情報や取引内容を調査し、関連するリスクを低減すること。金融機関ではマネーロンダリング防止などのために実施されることも多い。

▶️仮想通貨用語集

現在、米国の機関や議員は、ロシアが制裁を回避するために仮想通貨を使用することを警戒しているところだ。また、欧州や日本も対策を講じようとしている。

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個人規模の取り締まりに重点

一方で、現時点では、ロシアが制裁回避に仮想通貨を使っているという証拠はほとんどない。FinCENのヒム・ダス長官代理もこのことを認めつつ、次のように述べている。

仮想通貨などの手段を用いた大々的な制裁回避は、まだ確認されていない。しかし、疑わしい活動を迅速に報告することは、米国の国家安全保障と、ウクライナを支援する取り組みに資するものだ。

また、国家的な規模での制裁回避に仮想通貨を使うのは難しいかもしれないが、制裁対象となる各個人などが制裁回避に用いる可能性があると指摘。次のように続けた。

ロシア連邦のような政府が、仮想通貨を使用して大規模に制裁回避することは容易ではない。しかし、仮想通貨関連の事業者や金融機関は、制裁対象に指定されているロシア人やベラルーシ人その他の仮想通貨ウォレットや活動に結びついた取引を監視することができる。

FinCENは金融機関に対し、ロシア関連のランサムウェア攻撃がもたらす危険性についても注意を促している。

ランサムウェアとは

ハッキングを仕掛けたうえで、元の状態に戻すことを引き換えに金銭を要求するマルウェアのこと。「身代金要求型マルウェア」とも呼ばれる。感染すると、他人の重要文書や写真ファイルを勝手に暗号化したり、PCをロックして使用を制限した上で、金銭を要求してくる。

▶️仮想通貨用語集

ロシアのウクライナ侵攻を受け、米国、EU、英国、日本、韓国、スイスなどの国は、ロシアの国家的行為者やオリガルヒ(新興財閥)への制裁とその口座凍結に団結して取り組んでいるところだ。

ウクライナ当局は、仮想通貨取引所に対して、ロシア人が保有する口座にある資産をすべて凍結するよう圧力をかけているものの、現時点では、制裁リストに掲載されている行為者のみが措置の対象となっている。

ルーブルの価値が下落し、制裁によりロシアから外国為替にアクセスすることが難しくなったことを背景として、ビットコイン(BTC)とルーブルの間の取引量は増加傾向だ。

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