はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米シカゴ・オプション取引所代表:来たる規制の波はICO市場に大きな衝撃を与える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICO市場への影響
米証券取引委員会がICOトークンを有価証券であると示唆したことを受け、米シカゴ・オプション取引所代表のChris Concannon氏は、今後SECの規制が入れば、ICO市場に大きな混乱を与える可能性があることを主張しました。
ICOとは
「Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開」のこと。資金調達したい企業や事業プロジェクトが、独自の仮想通貨トークンを発行・販売し、資金調達する行為を指す。 ハイリスクハイリターンで投機的側面が強い反面、各国の法整備が追い付いていないことで、詐欺まがいのICOが横行するなど問題点も多く、国際的な規制強化が協調路線にある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ICO市場への打撃

CBOE(米シカゴ・オプション取引所)の代表および、COOを務めるChris Concannon氏は、以下のように語りました。

その規制は、2つの波が押し寄せるようにして、ICO市場に大きな衝撃を与えるだろう。

現在のICO市場では大きな変化が起きており、いずれ投資家は夜も眠れなくなる。

BATS Global MarketsのCEOも務めるConcannon氏は、Business Insiderに対し、SECがICOトークンを”有価証券”であると定めることで、ICO市場における規制が、まもなく変更されるのではないかと語っています。

ウォール街からの事前通告は、主にFUD(市場参加者の不安感を募る手法)であると片付けられがちですが、Concannon氏は仮想通貨に精通しており、在籍するCBOEも2017年にビットコイン先物取引を開始していることから、信憑性は高いのではないかと考えられています。

Concannon氏は、SECがまずICO市場参加者を追跡した後、ICOチームやプロジェクトに対し、集団訴訟を起こすのではないかと考えられています。

アメリカの各当局が、仮想通貨やICOに対して不明確な立ち位置を取っていると非難されていた中、6月初頭にSECの代表を務めるJay Clayton氏は、ICOトークンを特別扱いすることはないと明らかにし、市場に出回っているほとんどのICOが有価証券に値し、SECが規制するべきであることを示唆しました。

それぞれのICOプロジェクトの将来的利益を共有するあらゆるICOトークンは、有価証券であると見なされると記述されており、Concannon氏は考えられる”規制の波”は軽視すべきでないと主張しました。

SECは実際、2018年に入ってからも、仮想通貨取引所を運営する多くの企業を呼び出しており、”規制の波”の予兆はすでに起きていると考えられています。

なお、2018年だけでも、すでにICOで50億ドル(約5,500億円)もの資金調達が行われているとされており、SECはトークンを発行し、資金調達を行なったプロジェクトの中から、未登録の証券を発行した疑いがある組織を断定していくと予想されています。

もし実際このSECの介入が行われた場合、プロジェクトチームだけでなく、投資家も何らかの法的措置を課せられる可能性があります。

トークンが無価値になるリスク

Concannon氏は、以下のように述べています。

「未登録のコインを提供した組織は、未登録の有価証券を提供したことになるかも知れない。」

「コインを販売したあらゆる組織が、未登録の証券受取業者であると見なされる可能性がある。」

コーネル大学で金融規制分野の教授を務めるRobert Hockett氏(以下、Hockett氏)は、現時点でSECが過去に遡ってまで、全ての市場参加者に対して法的措置を取るかは不明であると主張しました。

ICOに携わった人々が、法を侵しているとして起訴されることはないのではないか。しかし、明らかに悪意のあるものに関しては、例外であると言える。

投資家にとって最大の懸念事項は、ICOが未登録の有価証券であると見なされた際に、トークンが無価値になってしまう可能性でしょう。そして、これがConcannon氏の語る”第2の波”であるとされています。

Concannon氏は、「あなたが未登録の有価証券を販売したとして、それを購入した人が裁判を起こした場合、責任を問われるのはあなた自身になってしまう。」と言及しました。

もし彼が言うような事態が起きれば、アメリカの投資家は、自身の損失を最小限に抑え、自己防衛に走り、同様の考えを持つ人々同士で乱戦とも言える訴訟が起きるのではないかと危惧されています。

すでに仮想通貨市場では、仮想通貨XRPによって損失を被った投資家が、仮想通貨は証券であるとして米リップル社を相手取って訴訟を起こすなど、複数の集団訴訟が行われています。

Hockett氏は、このような訴訟が、今後も裁判所で取り上げられるのではないかと危惧しつつ、規制が行われていない中で、人気が高まってきている新興資産では、このような過程がよく行われることだとしています。

「規制枠組みに理解のある人々が、投資家に安心感を植え付けた上で、搾取し、誤解を与えたことを証明できれば、一部の訴訟は、行う価値があると考えられている。」

「これは、人気化した”新興資産”ではよく見られる過程だ。チューリップバブルに始まり、ジャンク債でも、モーゲージ証券(不動産担保融資の債権を裏付けとして発行された証券)でも例外なく見られた。」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧