仮想通貨に関する法規制
日本政府は、ウクライナに侵攻するロシアへの制裁について、暗号資産(仮想通貨)が制裁回避に利用されることを防ぐための法案の枠組みを固めたことが分かった。国内メディアが報じた。
以前から伝えられている通り外為法を改正して、仮想通貨の交換業者に対し、制裁対象者への送金ではないか確認する義務を課す。また、制裁対象者が第三者に仮想通貨を送金することを規制する。ロシアの制裁対象者が保有する資産を換えるなどして制裁の抜け穴として仮想通貨を利用することを防ぐ狙いで、4月上旬に閣議決定し、今国会での成立を目指すという。
外為法とは
正式名称は「外国為替及び外国貿易法」。対外取引の正常な発展、日本や国際社会の平和・安全の維持などを目的に、外国為替や外国貿易などの対外取引の管理や調整を行うための法律を指す。(参考:経済産業省)
▶️仮想通貨用語集
ロシアに対しては日本を含め各国が制裁を課しているが、その抜け穴として仮想通貨が利用される可能性は以前から指摘されてきた。今月11日にはG7(主要7カ国)が、仮想通貨が制裁回避に使われないようにするという共同声明を発表。28日には岸田首相が、ロシアに対する経済制裁の実効性を強化するため、仮想通貨を用いた制裁回避を防げるように、今国会で外為法を改正する準備を進めるとすでに表明している。
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現状の外為法では、制裁対象者に関係する送金に該当するかを確認する義務を交換業者に課していないという。これまではロシアの制裁対象者との取引を停止するように政府から「要請」が出ているだけだったため、法律の網をかけて制裁の実効性を強化する。
一方で、法規制で十分な効果が得られるかを疑問視する声も上がっている。例えば、交換業者を介さない自己管理型ウォレットのやりとりを見つけるのは困難だ。また、偽名を使った取引を見抜けるかなどの課題も指摘されている。