はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

IMF報告書「仮想通貨利用率と汚職・資本規制の度合に相関関係」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の利用拡大の要因を探る

国際通貨基金(IMF)は、先月末に発表された報告書で、「暗号資産(仮想通貨)の利用率は、政治的に腐敗していたり厳しい資本規制のある国々で高い傾向にある」と指摘した。

「仮想通貨、汚職と資本規制:国を超えた相関」と題した報告書は、2020年の調査データに基づき、日本を含む世界53カ国における仮想通貨の利用と、汚職や資本規制、高インフレ率などとの相関関係について分析した。

IMFの今回の調査では、サンプル数が少ないことや仮想通貨関連のデータの質から、分析結果は慎重に解釈する必要があるが、データが示す顕著な傾向には注意を払う価値があると主張。「決定的な証拠を待つのではなく、手遅れになる前に行動を起こす緊急性」を考慮すると、仮想通貨に対しては「自由放任」的なスタンスではなく、身元確認などの規制強化が必要であるとの見解を示した。

汚職と資本規制の多さと仮想通貨利用の関係

IMFは、仮想通貨利用に関して、2020年のStatistaによる世界消費者調査のデータ(1カ国当たり2,000人から1万2,000人:55カ国からの回答)の一部を使用。汚職抑制指数(Worldwide Governance Indicatorsより)、消費者物価の平均インフレ率、資本の解放性、一人当たりの実質GDP、2017年から2019年の仮想通貨の平均送金額、インターネットサーバーの普及割合などが変数として使用された。

報告書は以下のような結論を導き出した。

汚職が多い国や資本規制が多い国ほど仮想通貨の導入シェアが大きい傾向がある。このことから、仮想通貨が汚職による収益の送金や資本規制の回避に利用されている可能性が示唆される。

このIMFの結論に対し、 米仮想通貨政策シンクタンク「Coincenter」のNeeraj Agrawalコミュニケーション・ディレクターは、IMFの結論の導き方に疑問を呈している。

なぜか、IMFは仮想通貨が悪いものだという結論に達している。。。劣悪な状況にある人々が仮想通貨を使っているのではなく

仮想通貨のリスクを強調

IMFは仮想通貨のリスクを指摘し、規制強化を呼びかける立場をとっている。

昨年10月には世界の金融安定性に関するレポートで、仮想通貨がもたらす課題とリスクを指摘し、さらなる規制強化を促した。

IMFは不十分な消費者保護対策、仮想通貨の匿名性、国により異なる規制、ステーブルコインなどをリスク要因として挙げた。

関連:IMF(国際通貨基金)、仮想通貨の規制強化を促す

また、世界で初めて、ビットコインを法廷通貨に認定した中米エルサルバドルに対しては、昨年から繰り返し懸念を表明。今年1月に行われた同国との二者協議でも、ビットコインの金融安定性リスクなどを指摘し、法廷通貨としての地位を取り消すように通達している。

関連:IMF、エルサルバドルにビットコインを法定通貨から外すよう催促

一方、エルサルバドルのブケレ大統領はビットコインに対する強気の姿勢を崩しておらず、同国政府は今年1月に410BTCを約17億円で買い増した。(取得平均価格は1BTC当たり約410万円)

民間レベルではエルサルバドル政府を支援する動きもある。エルサルバドルのビットコイン採用を促進するため、仮想通貨起業家のSamson Mow氏の新会社「JAN3」は9日、同国政府と覚書を締結した。

関連:ビットコイン開発者の新会社JAN3、エルサルバドルの「ビットコイン・シティ」で政府と覚書締結

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/25 火曜日
17:47
ギャラクシー・デジタル、ポリマーケットとカルシで流動性提供を検討=ブルームバーグ
仮想通貨投資大手ギャラクシー・デジタルが予測市場プラットフォームのポリマーケットとカルシでマーケットメイカーとして流動性提供を検討。既に小規模実験を開始しており、機関投資家の参入で市場の成熟が加速する可能性。
17:39
ビットコイン急落の背景は ETF・DAT・ステーブルコインの3大需要が逆転=NYDIGレポート
NYDIGは最新レポートでビットコイン急落の本質を明らかにした。ETF資金流出、DAT企業のプレミアム崩壊、ステーブルコイン供給減少という3大需要源の反転により、強気サイクルを支えた自己強化型ループが破綻したことが大きく影響している。
17:34
ソラナとXRPのETFが好調 資金フローの明暗が鮮明に
ビットコイン・イーサリアムETFが週次で大幅流出する一方、ソラナとXRPの現物ETFは資金流入を維持。20日連続流入のSOLや週次トップのXRPなど、資金フローの明暗を比較する。
17:05
CMEグループ、仮想通貨先物・オプション取引高が過去最高を更新
CMEグループが11月21日に暗号資産先物・オプション取引で過去最高の79万4,903件を記録。年初来の平均取引高は前年比132%増となり、機関投資家の参入拡大と市場成熟を示す。
15:38
SEC、Fuseエナジートークンを証券非該当と判断 実用型トークンに新たな道筋
SECが英Fuse Energyの実用型トークンを証券非該当と判断し、ノーアクションレターを発行。DePIN分野の規制明確化が進む中、市場規模は190億ドル(約2.9兆円)に達し、前年比270%の急成長を記録。
13:54
「プレミアムで取引されるデジタル資産トレジャリー企業は少数に」ビットワイズ見解
ビットワイズCIOがビットコインなどを保有するDAT企業の今後を分析した。プレミアムを維持できるのは一部のみで、多くはディスカウント価格で取引されると予想している。
12:13
中国、ビットコインマイニング世界3位に復活か シェアの14%を占める=ロイター
ロイター通信によると、中国のビットコインマイニングシェアが2021年の全面禁止後に約14%まで回復し、世界第3位に返り咲いた。新疆や四川で余剰電力を活用した地下採掘活動が活発化。
12:01
JPモルガン、仮想通貨企業CEOの口座閉鎖か 「チョークポイント2.0」と波紋を呼ぶ
ビットコイン決済アプリStrikeのCEOがJPモルガンの口座を閉鎖されたと訴えている。仮想通貨業界への銀行サービス拒否が続いている可能性が浮上し波紋を呼んでいる。
11:44
グレイスケール、XRP・ドージコインETFを上場開始 管理手数料は初期免除
グレイスケールがXRP・ドージコイン現物ETFを11月24日にNYSE Arcaで上場開始。管理手数料0.35%、初回3カ月間または10億ドル到達まで無料。米国初の純粋なドージコイン現物ETFとして、キャナリー・キャピタル、ビットワイズに続く市場参入。アルトコインETF市場が急拡大中。
11:35
米ビットコイン現物ETF、4週連続で資金が純流出
米上場の仮想通貨ビットコインの現物ETFは、先週の資金フローが約1,914億円の純流出だった。これで週次としては4週間連続で純流出となったが、ポジティブな見方も上がっている。
06:50
金融庁、仮想通貨交換業者の責任準備金積立を義務化へ
金融庁は仮想通貨交換業者に対し、不正流出などの事案に備えて責任準備金の積み立てを義務付けることがわかった。金商法適用の議論が進む中、投資家保護を強化する。
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧