仮想通貨市況
米長期金利(10年債利回り)上昇を受け、14日の米株式市場ではダウ平均株価が反落、主要3指数も揃って下落した。金利上昇局面では、割高感の意識されやすい高PER(株価収益率)のグロース株を中心に売りが先行しやすい。
オプション満期日に加え、15日からのイースター休暇(3連休)を前に手仕舞い売りが優勢になったとの見立てもある。
ここ最近は10年債利回りが急上昇しており、14日時点で2.83%に達した。JPモルガン・アセット・マネジメントらは、利回りが3%を超える公算が高いと見る。
FRB(米連邦準備制度)は、株などのリスク資産よりも市民生活に直結するインフレリスク(物価上昇)の抑制を最優先課題に位置付けており、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%→0.5%の大幅利上げと、バランスシートを縮小させる「量的引き締め(QT)」開始の可能性が示唆されている。
軟調な米株指数を受け、15日の暗号資産(仮想通貨)市場も冴えない。ビットコイン価格は前日比2.6%安の505万円(39,952ドル)で推移し、再び4万ドル水準を下回った。
米国では「確定申告」期日を18日に控えており、納税売りも相場の重石となっているものとみられる。
市場心理を表すCrypto Fear & Greed Indexは、「極度の恐怖(超弱気)」を示す22まで後退した。
48,000ドルまでの反発局面では楽観水準の60に達していたが、米株指数の下落に連れ安した。
なお、暗号資産調査会社Crebacoのデータによると、インド拠点の暗号資産取引所における仮想通貨の取引量は、4月1日に過去最低水準まで落ち込んだ。インド最大手取引所のWazirXでは、70%近くも出来高が落ちていることがわかった。
利益の30%に課税される新たな「キャピタルゲイン税」の施行が背景にある。
そんな中、大手レンディングプラットフォーム「Nexo」の共同創設者であるAntoni Trenchev CEOは米CNBCのインタビューで、ビットコイン(BTC)が1年以内に100,000ドルに達する可能性があると強気の見通しを示した。
短期的な見通しとしては、インフレ抑制のための金融引き締めの影響で伝統金融市場とともに大幅下落するリスクを懸念した。一方、株式市場の暴落を受け最終的には再び金融緩和を余儀なくされるとの見立てを示している。
Antoni Trenchev氏によれば、20年1月時点で「ビットコインが今年中に5万ドルを超える」と予想した際は誰もが信じなかったが、その翌年の2021年の強気相場で1BTC=50,000ドルを上回った。
オンチェーンアナリストWill Clemente(@WClementeIII)氏によれば、Glassnodeのデータ(週平均)において、主要取引所から過去最大級の大量の外部送金が確認された。
On only 3 other occasions have we ever seen Bitcoin withdrawn from exchanges at this rate. pic.twitter.com/oQZcIf1WYM
— Will Clemente (@WClementeIII) April 13, 2022
取引所外へのアウトフロー急増は、売り圧力低下とみなされる。この水準は過去3度しかない規模であり、コロナ・ショック直後の20年3月をはじめ、当時の過去最高値1BTC=2万ドルを3年ぶりに更新した20年12月、昨年下旬にかけて発生した強気相場の21年9月に匹敵する。
一方、Santimentのデータによれば、イーサリアム(ETH)では10万〜100万ETHを保有するクジラ(大口投資家)の数が、21年8月以降減少傾向にある。過去8か月で154から140まで減少した。
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