CoinPostで今最も読まれています

Zcash大規模アップデートの布石|初ハードフォーク「Overwinter」が完了

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Zcash初のハードフォークを実施
送受信者や取引量を匿名化可能なZcashでハードフォークが実施された。今回は最低限の変更とされるが、ネットワークのスケーラビリティ問題解決を目的とした、大規模アップデートの布石として期待される。
Zcashとは

米ニューヨークに本社を置く、世界最大級の大手銀行・JPモルガンとの提携発表で話題になった仮想通貨。

「ゼロ知識証明」技術を応用することで、匿名性に優れている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

“Overwinter”ハードフォーク

仮想通貨Zcashは、「ゼロ知識証明」を用いて、「送信者、受信者、取引量」を非公開にしたまま、トランザクションの整合性を保つことを可能にすることで、ビットコインの弱点であった匿名性を克服し、高い評価を得ています。

また、Zcashは、”Overwinter”と呼ばれるソフトウェアアップデートのため、347,500ブロック目でハードフォークを実施しました。

ハードフォークは、アップデートを拒否する人々がいた場合、直接的なライバル通貨を作り出してしまう可能性があるため、懸念する人々も存在しています。過去にも、スケーラビリティ解決策の意見の相違から、ビットコインからビットコインキャッシュが誕生した経緯があります。

しかし、今回のZcashの”Overwinter”ハードフォークは、あくまでも、今年10月に予定されているアップグレード”Sapling”の準備段階です。

新旧のブロックチェーンの取引情報を適切に区別するリプレイプロテクションの実装や、透明性を持つ取引のためのパフォーマンス向上、一定期間取引が承認されなかった場合(取引が20ブロックに渡って承認されなかった場合)の取引無効機能など、必要最低限の更新であることから、コミュニティ内で大規模な分裂が起きる可能性は低いとされていました。

なお、新チェーンへの移行の際、Overwinter以前のソフトウェアへの誤送信を防ぐことを目的とし、移行1時間前から”セーフモード”を起動し、全ての取引を停止することで、安全性を確保すると発表されていました。

Zcash創業者のZooko Wilcox氏は、今回の移行に関して、以下のようにコメントしました。

成長過程にあるエコシステムを害することなく、信頼性を維持し、難解かつ先駆的なイノベーションを実行することができることを世界に証明したい。

今後のZcash

Zcashは2018年10月に、現状のプライバシーの高さを維持した上で、取引速度をさらに向上させ、ネットワークのスケーラビリティ問題を解決することを目的とした、より大規模な”Sapling”アップデートを予定していることから、継続して今後の発展が期待されています。

Wilcox氏は、ビットコインのライトニングネットワークや、イーサリアムのプラズマ、シャーディングなどの技術を開発し、スケーラビリティ問題の解決に向けて動き出してはいるものの、現時点では根本的な解決には至っていないことを主張しました。

Zcashの開発チームも、そのような最先端技術を入念に研究していることから、スケーラビリティ問題を本質的に解決する第一人者は、私たちになる可能性もあると言及しています。

CoinPostの関連記事

ジーキャッシュ(Zcash/ZEC) チャート・価格・相場・最新ニュース一覧
ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)のチャート・価格・相場や、最新ニュース一覧を掲載しています。また、ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)とは何か、通貨の概要やその詳細も解説しています。
Zcash独占インタビュー:他匿名通貨では不可能な独自のマネロン対策とは
Zcashのマーケティングディレクターに独占インタビューを実施しました。完全とも言える匿名性、それによるマネーロンダリングの危険性や、プロトコル強化目的の「Overwinter」などについてお話を伺いました。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/27 水曜日
17:32
ステーブルコインとマネーマーケットファンドの取り付け騒ぎとは?
米ニューヨーク連邦準備銀行はステーブルコインにおける資産逃避リスクに関するレポートを発表した。シリコンバレー銀行破綻の際の事例などを分析している。
14:35
米議員ら、SECゲンスラー委員長に現物ビットコインETFの承認を要請
米国の超党派議員らは米証券取引委員会ゲンスラー委員長に書簡を提出。現物ビットコインETFの上場をただちに承認するよう要請している。
13:30
ブラックロックなど大手運用会社、ビットコイン・マイニング投資が増加
世界の巨大資産運用会社であるブラックロック、バンガード、ステート・ストリートが、ビットコインマイニング市場での影響力を強めつつある。特にBlackRockは2020年から米マラソン・デジタル・ホールディングスへの投資を増加し続けている。
12:57
米パンテラキャピタル、Web3業界の報酬水準について調査結果を発表
米仮想通貨ファンド大手Pantera Capitalは、Web3業界の報酬調査結果を公表した。透明性を高めることで、新たな才能をエコシステムに呼び込み、イノベーションの促進を図るというのが、その動機だという。
12:25
SECがビットコインETFの審査判断を来年1月まで延期、BTC取引量は6年ぶり低水準
長期金利上昇や米政府機関の閉鎖リスクなど不確実性が高まり米株指数が続落する中、暗号資産(仮想通貨)市場では、Ark Investと21 Sharesが申請中のビットコインETF審査判断が2024年1月まで延期された。
11:05
Celestia、58万アドレスへのエアドロップで初期参加促す
モジュラー型ブロックチェーンCelestiaは、独自トークンTIAを配布する計画を明らかにした。エアドロップを通じてイーサリアムとコスモスエコシステムのアクティブユーザーの関与を促進するねらい。対象アドレスは約58万件に及ぶ。
09/26 火曜日
17:16
L2「Base」、取引数急増の背景とその重要性とは?
コインベース支援のL2「Base」がトランザクション数で競合のArbitrumとOptimismを上回った。新興のソーシャルファイ「Friend.Tech」の影響と、各プラットフォーム及びイーサリアム保有者にもたらす利点を探る。
15:17
テザー社、シンガポールにおけるUSDTの規約変更に関する噂を否定
テザー社のパオロ・アルドイノ氏は、シンガポールにおけるUSDTサービス停止に関する噂を否定した。利用規約は数年前に変更されたものだとしている。
13:21
Arbitrum、83億円相当のARBをDAOの財源へ
仮想通貨イーサリアムのL2アービトラムは、ARBのエアドロップ未申請分83億円相当をArbitrum DAOの財源に割り当てたことを発表。数量は6,944万ARBで、初期発行量の0.69%相当である。
13:14
JCBAがIEO制度改革案を公開、企業の資金調達推進へ
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、IEO制度の健全化を目指す自主規制改革の初期案を公開した。価格の安定性向上と制度の運用方法の改善を目指し、関係者のロックアップ制度の確立、流動性の確保、公募価格の算定方法の多様化、及び安定操作の整備が挙げられている。
12:54
米SEC、破綻したセルシウスの資産分配についてコインベースの役割に異議
米証券取引委員会は、破綻した仮想通貨融資企業セルシウスの資産分配について、コインベースが果たす役割に反対する文書を提出した。
10:06
Friend.techコード活用のソラナ「Friendzy」急拡大
「Friendzy」は、ソーシャルファイ分野で注目を集める分散型アプリ「friend.tech」の類似技術を利用しており、ソラナエコシステム内で活況を呈している。週間取引量は1.36億円に達し、市場を牽引するfriend.techの半分近くに迫る勢いだ。
08:30
HTX(旧Huobi)、ETH12億円相当が不正流出
仮想通貨取引所HTX(旧Huobi)のアドバイザーであるジャスティン・サン氏は、HTXからイーサリアム12億円相当が不正流出したと発表。ユーザーの資産は安全であると説明している。
09/25 月曜日
21:35
5000BTC以上ビットコイン買い増し、米マイクロストラテジー
米マイクロストラテジーは新たに1.47億ドルのコストで5,445 BTCの仮想通貨ビットコインを取得した。
20:14
三菱UFJ信託銀行、バイナンスジャパンと協業で新たなステーブルコイン検討へ
三菱UFJ信託銀行は、バイナンスジャパンとステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat」の協業により、円建てやドル建てを対象とした新たなステーブルコインの共同検討を開始することがわかった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧