はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ステーブルコイン・プロトコル「Beanstalk」、230億円相当のハッキング被害

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

巨額の資金流出が発覚

イーサリアムベースのDeFiプロトコル「Beanstalk」がハッキングを受け、計230億円(1億8,200万ドル)の資金が不正流出したことがわかった。

セキュリティ企業PeckShieldは、不正流出発見当初、ツイッターでフラグを立て、ハッカーが2万4,830ETHと3,600万BEANを含む100億円超(8,000万ドル)を盗難したと発表。その後の調査で被害額はさらに拡大することとなった。

Beanstalkは、2021年10月に取引が開始された、イーサリアムベースの米ドルのステーブルコイン・プロトコル。安定性の供給には従来型の担保ではなく、分散型クレジットをベースしている。

ハッキング発覚後、1ドルにペグすべきBEAN価格は一時、0.06ドルまで大幅に下落(-94%)。執筆時現在、0.23ドル(-77%)で取引されている。

フラッシュローンを悪用

ハッキングが可能になった背景には、事件の前日に提出されたフラッシュローンに関する要件変更が関係しているようだ。Beanstalkのプロジェクトリーダーは以下のように述べている。

Beanstalkは、BIPに賛成票を投じるStalkの割合を決定するにあたり、フラッシュローンに耐性のある手段を講じなかった。これが、ハッカーによってBeanstalkが利用される脆弱性となってしまった。

フラッシュローン(Flash Loan)

フラッシュローンとは、スマートコントラクトで実行される無担保の融資。対象資産のトークンについて借り入れと返済の処理を同一のトランザクション内で完了することが条件となる。

▶️仮想通貨用語集

ハッカーは融資プラットフォームAaveのフラッシュローンを利用して、Beanstalkのガバナンストークン「Stalk」を大量に入手。このトークンによって付与されたBIPの議決権を使って、自身に利益をもたらすガバナンス案を素早く可決し、全てのプロトコル資金を引き出した。

Etherscanのデータによると、ハッカーはその後分散型取引所UniswapでDAI、USDC、USDTをイーサリアムと交換したほか、ミキシングサービス「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」を利用してマネーロンダリング(資金洗浄)を行った疑いがある。

なお、ブロックチェーンセキュリティ企業のOmniciaは、この事件後の分析を発表。その中で、ハッキングが起きたBeanstalkのスマートコントラクトのコードは、Omniciaによる監査終了後に、フラッシュローン要件が変更されたものだと指摘している。

Beanstalkチームは、現時点でユーザーに対する補償については明らかにしていない。

関連:Deus Financeなど複数のDeFiプロトコルで16億円超のハッキング被害

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/01 土曜日
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。
07:40
ビットコイン、サトシ・ナカモト執筆のホワイトペーパー公開から17周年に
仮想通貨ビットコインは10月31日、ホワイトペーパー公開から17周年を迎えた。SNSでは祝福の声が投稿されており、コインベースのCEOは、1つのPDFが世界を変えたとコメントしている。
07:30
米連邦控訴裁、仮想通貨銀行カストディアのマスターアカウント請求認めず
米連邦控訴裁判所が仮想通貨銀行カストディアに対するFRBのマスターアカウント拒否を支持した。裁判所はFRBがアクセスを認めるかどうかの裁量を持つと判断し、地方裁判所の判決を支持した。
06:45
コインベースが民主党議員の政治献金批判に反論 、「中立的活動」と主張
仮想通貨取引所コインベースが民主党マーフィー上院議員からの政治献金批判に公開反論した。同社幹部は仮想通貨業界PAC活動が非党派的で企業献金は歴代政権で標準的慣行だったと説明。
06:10
ストラテジーのセイラー会長、ビットコイン企業買収に消極姿勢
ストラテジーのセイラー会長が他のBTCトレジャリー企業の買収に関心がないことを明らかにした。不確実性が多く時間がかかることを理由に挙げ、デジタルクレジット販売とビットコイン購入に注力する方針だ。
05:45
カナン、日本の電力会社と契約 ビットコインマイニングで送電網安定化図る
BTC採掘機器メーカーカナンが日本の大手地域電力会社とマイニングサーバー販売契約を締結した。水冷式アバロンサーバーで送電網バランシングとエネルギー効率最適化を実現し、2025年末に稼働開始する予定だ。
10/31 金曜日
18:45
American Bitcoin CEOが語る、環境配慮型マイニングの未来|独占インタビュー
American BitcoinのMichael Ho CEO独占インタビュー。ビットコインマイニングの60%以上が再生可能エネルギー由来という実態や、トランプファミリーとのビジネス関係、日本市場への期待について詳しく聞く。
18:41
万博ウォレットがリニューアル、JPYC対応開始&総額1億円配布へ
EXPO2025デジタルウォレットが「HashPort Wallet」としてリニューアル。JPYC対応を開始し、総額1億円プレゼントキャンペーンを開催。Ethereum・Polygon対応も。
18:33
SBIホールディングスが上半期で過去最高益 暗号資産事業は堅調・Web3戦略を本格化
暗号資産事業も堅調 SBIホールディングス株式会社(東証プライム:8473)が31日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)連結決算は、純利益が前年同期比3….
16:59
ゲーム会社gumi、子会社で予測市場サービスの事業化を検討
gumiが子会社gC Labsで予測市場サービスの事業化検討を開始。AIとブロックチェーンを活用し、政治・経済・エンタメなど幅広いテーマで集合知を生成。海外で急成長するPolymarketを参考に、日本での新市場創出を目指す。
16:53
金融庁、ビットコインなど暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供を「望ましくない」と牽制
金融庁は31日、海外で組成された暗号資産(仮想通貨)ETFを原資産とするデリバティブ商品の取扱いについて「望ましくない」との見解を表明した。IG証券が開始したブラックロックのビットコイン・イーサリアムETFのCFD取引が背景とみられる。国内では暗号資産ETFの制度整備が進行中で、税制面の不透明さも課題となっている。
14:38
バンクマン=フリード被告のXアカウント、「FTXは破産していなかった」とする文書を公開
破綻した暗号資産取引所FTXの創設者サム・バンクマン=フリードが「FTXは破産していなかった」と主張。収監中の身ながら、X上で14ページの反論文書を公開した。
14:08
コインチェック、『Eternal Crypt - Wizardry BC -』関連NFT取扱い終了へ
Coincheckは、ブロックチェーンゲーム『Eternal Crypt - Wizardry BC -』のサービス終了に伴い、NFTコレクションの取扱い終了とBCトークン購入の一時中止を発表しました。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧