スタバ、Web3.0に参入へ
大手コーヒーチェーンの米スターバックスは3日、年内に発行予定の独自NFT(非代替性トークン)戦略について詳細を発表した。
経緯として、同社のハワード・シュルツ CEOは4月、スターバックスはNFTを活用したデジタルイノベーションに取り組んでいると発言しており、詳細を今後数週間のうちに発表するとしていた。今回の記事は、追加情報を報告するものになっている。
米スターバックスは、ブログ記事でデジタルの「サードプレイス(第三の場所)」を創造したいと説明。サードプレイスとは、家庭でも職場でもない、帰属感を感じられる居場所を意味しており、同社の企業戦略で頻繁に使用されている。
これまでには、先駆的に店舗でのWi-Fi導入や、報酬ポイントシステムをいち早く取り入れてきた経歴を持ち出し、今後も積極的にWeb3.0やブロックチェーン技術などの新たなテクノロジーを取り入れていくと語った。
同社はWeb3.0を使うと、こうした新しいグローバルなデジタルコミュニティを構築することが可能だとして、独自のNFTコレクションを年内にリリースする方針を表明。NFT保有者には限定的な体験や特典を付与すると説明しており、テーマはスターバックスの伝統的なアートや新たなアートに基づくという。
長期的には他社のブランドとの「世界レベルのコラボレーション」も示唆された。今年(2022年)後半には、ラテアートとストーリーテリングをベースにした、最初のNFTコレクションを発売する予定で、同時に、デジタルのメンバーシップ、コミュニティも開始していく方針だ。
米スターバックスは、Web3.0プラットフォームを構築する上で、高速で安価なブロックチェーン技術に支えられた、親しみやすいフロントエンドを開発することを検討していると説明している。
その上で、「最終的にはマルチチェーン(複数チェーン)またはチェーンにとらわれない」プラットフォームになる見込みだという。最初に、どのブロックチェーンを採用するかは、まだ明かしていない。
すでにブロックチェーンを活用
米スターバックスは、これまでもブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)を事業に取り入れてきた。
2020年には、マイクロソフト社と提携して開発したブロックチェーンのトレーサビリティシステムが、消費者にも公開されている。全米のスターバックス店舗で販売されているコーヒー豆のパッケージに記載されたコードを、専用サイトで入力すると、その生産地から焙煎所までの情報を入手することが可能になった格好だ。
また、2019年にも、米国内の一部店舗で、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨による決済を可能にしている。
関連:スターバックス、ブロックチェーン技術で消費者とコーヒー豆農家を繋ぐ
関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー