CoinPostで今最も読まれています

米リップル社に対し新たな訴訟|仮想通貨XRPの有価証券議論から募る不安

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップルの訴訟問題
米Rippleは、アメリカ・カルフォルニア州の高等裁判所にて、「証券に関する州法および連邦法に違反し、未登録の証券を不当に販売している」と個人投資家から訴訟を受けている。
XRPとは
米Ripple社が開発する仮想通貨で、ネットワーク上の仮想通貨やフィアット間をつなぐブリッジ通貨の役割を持つ。Googleが出資しており、銀行間における国際送金システムでの利用で将来性を期待されている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

リップル社への新たな訴訟

アメリカ、カルフォルニア州のサンマテオ郡高等裁判所にて、リップル社は一般投資家のDavid Oconer氏(以下、Oconer氏)により、未登録の証券を不当に販売しているとして訴訟を受けました。

リップル社は、ここ2ヶ月で3件目となる訴訟を受けたことから、市場に不安が募っています。

原告のOconer氏は被告として、リップル社CEOのBrad Garlinghouse氏、子会社XRP II社の名前を挙げ、「証券に関する州法および連邦法に違反し、消費者を欺いて未登録証券であるXRPトークンを販売した」と主張しています。

以前行われた訴訟では以下の内容が裁判での主張があがり、有価証券の問題に関して問われています。

  • 仮想通貨XRPが、リップル社の商品に密接に関係、依存していること
  • 総発行量1,000億XRPのうち、当初200億XRPがリップル社の創業者たちに分配され、残りの800億XRPが会社に譲渡されたこと
  • 550億XRPが、未だ同社のエスクロー(第三者預託)口座に凍結され、中央集権的特性を持ち合わせていること
  • 凍結の発表後、価格が実際1,000%の上昇を遂げたこと

仮想通貨XRPがビットコインやイーサリアムとは違い、マイニングされることはなく、個人ユーザーが参加できず所有権の分散化が十分に行われていないと言及、5月に行われた訴訟の原告であるRyan Coffey氏は、XRPは「終わることのないICO」と語りました。

XRPが証券であるのかの議論と主張の違い

今回の訴訟は、あくまでも仮想通貨XRPが一般投資家によって証券であると主張されただけであって、実際に法的機関によってXRPが証券であると定義された訳ではありません。

しかし、その仮想通貨が証券であるか否かは、今後も議論の余地があり投資家にとって重要な内容であると言えるでしょう。

訴訟同様、有価証券該当肯定派

仮想通貨ヘッジファンドMulticoin Capitalの共同創業者を務めるKyle Samani氏は、XRPが証券であると考える一人で、以下のように主張しました。

私たちは、XRPが証券であることは明確であると考えている。

この議論がいつ終わるのかは定かではないが、業界内の人々も徐々にXRPから手を引いているように感じる。

もしXRPがアメリカ証券取引所(SEC)によって公式に証券であると定義された場合、現行の(対象となる)仮想通貨取引所はXRPの取引を停止せざるを得ないだろう。もしそれが現実になれば、XRPは流動性を確保できなくなり、価値が急落する恐れもある。

と、現在の状況に強い懸念感を示しました。

有価証券否定派

一方でリップル社は、仮想通貨XRPが証券でないことを強く主張し、同社のCEOを務めるBrad Garlinghouse氏も以下のように述べています。

XRPが証券でないのは明白だ。

仮想通貨XRPは独立して存在しており、仮に明日会社を畳んだとしても、変わらずXRPは存在し続けていく。

さらに、アメリカ財務省傘下の法執行機関FinCENも、以前2015年に仮想通貨XRPを通貨として認めていることも、その通貨が証券であると判断されることはないとコミュニティが予想する一要因となっています。

このFinCENの定義はとても重要と考えられています。

合意事実記載書にて、「”XRP”として知られるリップルネットワークの通貨」と記載されており、MSBの定義にも通貨取引業、交換業を営む企業という名目が含まれていることから、XRPが通貨として認知されていた事実が伺えるとされています。

現時点でSECは、ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)が有価証券に該当しないと表明しているものの、リップル(XRP)については未だ言及されていません。

SECの公式見解となる続報がないことも不安な状況を継続させている一因となりますが、今後のSECの判断で、いい方向もしくは悪い方向に影響を与えることは明白であり、大きな注目が集まっていると言えるでしょう。

CoinPostの関連記事

XRP(リップル)を「有価証券」ではないとする3つの理由
先日、アメリカ証券取引委員会(SEC)によって、ビットコインやイーサリアムが「有価証券には該当しない」と発表された。そんな中、Ethereum World Newsでは、XRPが証券に該当しない3つの理由について記述された。
リップル チャート・価格・相場・最新ニュース一覧
リップル(Ripple/XRP)のチャート・価格・相場や、最新ニュース一覧を掲載しています。また、リップルとは何か、通貨の概要やその詳細も解説しています。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06:45
米SoFi、仮想通貨取引サービスを停止へ Blockchain.comへ移行
米オンライン融資仲介サービス大手SoFiは29日、仮想通貨取引サービスの閉鎖および移行計画を発表した。Blockchain.comへの移行が必要となる。
06:05
ブラックロックとInvesco、ビットコインETFの上場申請でSECと再び面談
米SECは現物型ビットコインETFの上場申請について、今週28日に申請側のブラックロック(2度目)・Invescoと会議を行ったことが判明した。ゲンスラー委員長は別のイベントでETF申請についてコメントをした。
05:30
米で13番目のビットコインETF上場申請に、スイスPando
スイスの資産管理会社Pando Assetは米国で、現物型仮想通貨ビットコイン(BTC)ETFの上場申請を行っていることが判明。
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。
10:45
香港行政長官、Hounax詐欺事件について発言
香港の行政長官や規制当局責任者は、仮想通貨取引所Hounaxの詐欺事件について発言し今後の姿勢を示した。また香港警察が事件概要を説明している。
09:50
チェーンリンク、ステーキング機能をアップグレード
チェーンリンクは、ステーキングの新バージョンを仮想通貨イーサリアムのメインネットにローンチしたことを発表。特化する目標や移行スケジュールを説明している。
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア