仮想通貨は買い一巡後に反落、景気後退見越した下落トレンド長期化懸念など根強く

仮想通貨市況

23日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が前日比1.6%安の274万円(20,300ドル)、イーサリアム(ETH)が2.9%安の14.6万円(1,080ドル)と下落した。

BTC/USD日足

2万ドルラインを底割れるなど売りが過熱していた反動もあり、ショートカバーを伴う反発がみられたが21日夜までに上昇を一服。日本時間22日夜に米上院委員会におけるFRB(米連邦準備制度)パウエル議長証言を控えていたこともあり、買い一巡後は利益確定売りが優勢となった。

市民生活に深刻な影響を及ぼしかねない物価高へのインフレ対策は急務とは言え、過去類を見ないレベルの「急速な利上げペース」は景気後退を招くとの懸念が根強く、コロナ対策の21年冬までに緩和マネーがもたらした過剰流動性の逆流も相まり、株や暗号資産(仮想通貨)などリスク資産が売られやすい状況が続いている。

年初から弱気目線を一貫するil Capo Of Crypto(@CryptoCapo_)氏はビットコインの相場観について、「(昨年底値を支えた)3万ドル付近のサポートを底割れた後の現状は、2018年に重要サポート1BTC=6,000ドルを割り込んだ時の相場を彷彿とさせる」と指摘。

「オシレーターのRSIは弱気のヒドゥンダイバージェンス(下落トレンド継続)を示唆しており、ローソク足のチャートをトレースした場合、降伏フェーズが終わっていない可能性が高い。デリバティブの資金調率推移も確認する必要がある」との見解を示した。同様のシナリオを辿った場合に形成する底値ラインは1BTC=16,000ドル付近と見立てている。

なお、市況急悪化やテラ・ショックを発端に大手ヘッジファンド「Three Arrows Capital(3AC)」の債務超過、及び財政破綻の危機に発展している問題で、計6億5700万ドルを融資したVoyager Digitalがデフォルト(債務不履行)通知を発行する可能性が新たに生じた。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)が報じた。

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Voyager Digitalは、22年6月24日までに2500万ドル分の返済を要求し、27日までにステーブルコインUSD Coin(USDC)とビットコイン(BTC)を全て返済するよう要求している。

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17日には、仮想通貨貸借サービス大手Genesis TradingとBlockFiのマージンコール(追加証拠金の要請)に応じることができず、ポジションを強制清算されたことが報じられた。

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マイナー情勢

データ分析企業Arcaneのビットコインマイナー(採掘業者)調査によれば、5月のマイナー販売率は100%に達した。

Arcane

2022年以降最初の4ヶ月は約30%で推移していたが、ハッシュレート(採掘速度)が上昇する中、ビットコインの弱気相場と電気代上昇などインフレの影響で収益率が大幅に減少したことが背景にあるものとみられる。資金繰りが悪化すれば、事業コストを賄うため採掘済みのビットコインは安値でも売却せざるを得ない。

ハッシュレートは中国の全面禁止令で大手マイナーが稼働停止を余儀なくされた21年5月以来、相場環境の回復も相まって右肩上がりの推移をたどってきた。依然として高い水準にはあるが、直近ではやや落ち込みが目立つ。

ハッシュレート

Antminer S9など旧型のマイニングマシンは、すでに損益分岐点を下回りキャッシュフローがマイナスになっているという。米上場企業で大手マイナーのMarathonは、3月31日に公開された決算資料で、マシン購入代など計7億2900万ドルの負債を抱えていたことが判明している。

カナダ拠点のビットファームは先週、市場環境の悪化に伴うリスク回避のため、ビットコインの総保有量の半数を占める3,000BTCの売却に踏み切ったことを発表した。

アルトコイン相場

イーサリアム(ETH)基盤の大手仮想通貨分散型取引所(DEX)のガバナンストークン「Uniswap(UNI)」が前週比38.6%高と大幅上昇している。NFTマーケットプレイスアグリゲーター「Genie」の買収が21日に判明した。

今後、Genieの機能をUniswapのWebアプリに導入し、今秋を目処にUniswap上で複数のNFTマーケットプレイスを介したNFT取引が直接行えるようになる。

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ユニスワップは今年5月、累計出来高1兆ドルのマイルストーンに到達した。

これまでに、数百万人のユーザーをDeFi(分散型金融)の世界に引き込んだという。

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