はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米CFTCの規制権限拡大の機運高まる──仮想通貨関連の公聴会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「デジタル資産規制の未来」

米国下院農業委員会の分科会(商品取引所、エネルギー、信用取引)は23日、デジタル資産の規制について公聴会を開催し、規制の現状と将来の規制の枠組みについて議論した。同委員会は商品先物取引委員会(CFTC)を管轄している。

分科会のSean Patrick Maloney委員長は、冒頭陳述でCFTCが仮想通貨市場の規制当局および執行機関として果たしてきた役割に言及する中、その権限が限られているため、「市場の監督と規制にギャップがあることを懸念している」と述べた。

規制の必要性は明白だが、「どのように規制するかが重要であり、新しい考え方が必要かもしれない」と述べた上で、Maloney氏は、議会が正しく行動することにより、「CFTCに投資家保護に必要なツールを与えつつ、米国でイノベーションを促進することも可能だ」と主張した。

公聴会ではCFTCのVincent McGonagle市場監視部門ディレクター、ジョージタウン大学法学部のChristopher Brummer教授、ブロックチェーン分析企業Chainalysisの共同設立者で最高戦略責任者のJonathan Levin氏、カルダノ開発企業Input Output GlobalのCharles Hoskinson最高経営責任者が証言を行った。

CFTCとは

商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する機関。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨市場とCFTC

CFTCのMcGonagles氏は、デジタル資産は商品取引法に基づいて「商品(コモディティ)」であると広く判断されていると述べ、これまでもCFTCが指定契約市場で上場している先物、オプション、スワップについて幅広い規制監督をおこなってきたことに言及した。一方、CFTCに現物市場を規制する直接的な法的権限はないが、州を跨いだ仮想通貨を含む商品現物市場に対し、不正防止や虚偽報告などに関する執行権限を有すると述べた。

以上のような経緯から、仮想通貨に関する深い理解と経験を有するCFTCは、今後も顧客保護の使命を履行していくと、同氏は主張した。

一方、Brummer教授はCFTCと証券取引委員会(SEC)の規制当局としての、強みと弱みに言及。CFTCのこれまでのビットコインおよびイーサリアム先物市場の監督経験から、現物市場への監督権限拡大も可能だとの考えを示した。一方、SECと比較した場合、組織としてCFTCの規模や予算が劣ること、また情報開示に関しては向上の余地がある点を指摘した。

Maloney委員長から改めて、「CFTCは現物市場を規制する直接的な法的権限を持つべきか」と尋ねられると、Brummer氏はCFTCにはその能力があることは間違いないが、適切な予算と人員が必要になると付け加えた。

関連:米超党派議員ら、仮想通貨の規制を明確化する法案提出

仮想通貨の特徴と可能性

ChainalysisのLevin氏は、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーンの透明性により、仮想通貨市場についての独自の洞察が得られ、リスクに対する理解も深まると主張。また、不正行為に関してもネットワーク全体の情報を解き明かし、市場操作の傾向などについても、当局が理解するためのデータが揃っていると指摘した。

そして、安定し規制に準拠した市場を米国で構築することが重要であり、規制当局の責任について明確にすることがその一歩となるだろうと付け加えた。

Input Output GlobalのHoskinson氏は、ブロックチェーン技術の真の力とは、その普遍性であり、イノベーションのためのパーミッションレスモデルだと指摘。そのため、一国内で中央集権型の規制当局に規制を委ねることは効果的ではなく、規制すること自体を抑制してしまう恐れがあると述べた。

仮想通貨は「金融の幹細胞」であり、いかなる資産にもなる可能性があり、時間と共に変わることもあるが、その原理は変わらないため、カテゴリーや細部によって規制するのではなく原理を基盤とした規制を考える方が良いと主張した。

ブロックチェーンによってもたらされる新しい可能性の結果を予想するのではなく、例えば、どのようなリスクに対処するのか、消費者の基本的権利は何か、最大の恩恵を受けるにはどのように新たなツールを使うのかなどが重要だと語った。

90年代に米国議会が制定したインターネット規制の枠組みが、数兆円規模の企業を生み出したように、現議会も、仮想通貨業界と協業し、原理を基盤とした規制のアプローチを取ることで優れた成果を上げることができるだろうと、Hoskinson氏は結んだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧