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ビットコイン2万ドル水準回復の背景は、SOPRでは長期保有者の「降伏シグナル」も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

5日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+%の万円(20,169ドル)と反発した。

BTC/USD日足

6月下旬から2番底を試しに行く展開にある中、18,000ドル台後半で下げ渋ると下値を切り上げ反転。5日にかけて2万ドル台を回復した。

東京株式市場では米株指数及び先物上昇を背景に日経平均も続伸しており、金融市場の地合い改善がリスク資産全般に追い風となった。

米経済のリセッション(景気後退)リスクが取り沙汰される中、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも75bpの大幅利上げを示唆しており、消費者物価指数(CPI)などインフレ指数に改善傾向が見られない限り、予断を許さない展開が続くだろう。

相場の懸念後退

暗号資産(仮想通貨)市場では2日、テラ・ショックで莫大な損失を抱えた大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)がハイリスク運用に傾倒した結果、破産に追い込まれた。

関連:仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows、米国で破産申請

取引先の融資大手など関連企業にも飛び火しており、一部プラットフォームでは取り付け騒ぎに発展。CoinLoanとVauldが相次いで出金制限をかけるなど臨時対応に追われた。

関連:シンガポールの仮想通貨融資企業Vauldが出金停止、財務リストラを公表

関連:CoinLoanも出金制限、Three Arrowsなどの影響が拡大

一方、3ACの破産で噂売りが一服し、事実買いが観測されたとの見方もある。FTXやバイナンスなど業界最大手取引所らが関連企業の救済策に乗り出したことが伝わると、過度な警戒感が後退したことが背景にある。

ここ最近の相場では、ビットコインが20,000ドルの節目を大きく割り込み、17,600ドルまで急落。Crypto Fear & Greed Indexのデータによれば、恐怖指数はコロナ・ショック時を上回る「7(Extreme Fear:極度の恐怖)」に達するなど悲観のピークを迎えた。目先の悪材料が出尽くせば、相場のアク抜けにつながるとの思惑もある。

Crypto Fear & Greed Index(6/16時点)

問題の渦中にある大手レンディング企業Celsius Network(セルシウス)における懸念が和らいだことも、一部好感された。

DeFi Exploreのデータによれば、過去24時間以内にMakerDAOに1億4200万ドルを返済し、担保にするラップビットコイン(wBTC)の強制清算価格(ロスカットライン)を半分以下の5,000ドル未満まで引き下げた。

ビットコイン(BTC)が今後数日以内に1BTC=5,000ドル台まで暴落する可能性は現状だと考えにくいことから、当面の安全圏を確保したものと見られる。

セルシウスは、2日にはAaveとCompoundに6,700万ドルの追加債務を返済したが、米The Blockの報道によれば、現時点でMakerに8200万ドル、Compoundに1億ドル、Aaveに1億7500万ドルの残債があると見られる。

詳細:セルシウス、160億円相当の「DAI」をMakerに返済

長期保有者の降伏シグナル

データ分析企業CryptoQuantに投稿したIT Tech氏は、ビットコインの「LTH-SOPR」が降伏を示しつつあることを指摘した。LTH:Long term holderは長期保有者を示す区分。

IT Tech(SOPR)

2週間平均線(14D SMA)は「0.62」を示しており、過去の弱気相場の大底の値「0.48」に接近した。1BTC=41,647ドルを推移していた今年4月21日時点のSOPRは「1.31」だった。

長期保有者のSOPR比率が損益分岐点の閾値1.0を明確に下回ったのは、2015年と2018年12月、2020年3月の3回しかない。

直近価格における実現価格帯では、長期保有者を意味する「6ヶ月〜12ヶ月」、あるいは「12ヶ月〜18ヶ月」のホルダーの損切りを示唆するデータが示された。

SOPRとは

BTCホルダーの利益率を表す「SOPR(Spent Output Profit Ratio)」は、ブロックチェーン上のコインの履歴を評価。受金時の購入価格と送金時の売却価格の差分から算出するもの。

SOPRの低下は投資家が損失確定して売却(損切り)したことを意味する。

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