CoinPostで今最も読まれています

米FRB副議長、仮想通貨やDeFi規制のあり方について見解示す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨やDeFiのリスクと規制対応を語る

米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード副議長は8日、英中銀主催のカンファレンスで、暗号資産(仮想通貨)やDeFi(分散型金融)のリスクと規制のあり方についてスピーチを行った。

こうした分野で責任あるイノベーションを実現するためには、規制当局が仮想通貨の金融システムにも対応し、新技術に関連する新たなリスクに適切に対処していくことが必要だとしている。

ブレイナード氏は、ステーブルコインUSTディペッグ騒動と、それが与えた市場への悪影響についても言及。「投資家の損失が大きいにもかかわらず、仮想通貨金融システムはまだ、他の市場や金融システム全体にリスクをもたらすほど大きくはない」「伝統的な金融システムと相互接続されているようにも見えない」とした。

関連FTXサムCEO、「最悪の事態は過ぎ去った」

逆にいえば、まだ仮想通貨セクターが比較的小規模な今こそ、「仮想通貨金融システムの健全な規制のための基盤を確立することが重要だ」と意見する形だ。

ブレイナード氏は、規制のあり方について「同一リスク同一規制」を推奨している。従来の金融規制の境界線を、仮想通貨セクターにも拡大し、既に規制されているものと同様のリスクを持つ商品やサービスに対しては、同様の規制や透明性を適用するべきだという。

その上で、主に以下の4つに関わる規制の方向性を提示した。

  • 利益相反、市場操作リスクなどから消費者を保護する
  • 仮想通貨取引所やレンディングについて規制の穴を埋める
  • 仮想通貨プラットフォームはマネロン規制を遵守するように設計するべき
  • 既存の規制アプローチを新しい技術に適合させる

ブレイナード氏は、規制を新技術に適合させることについては、特にDeFiを例に挙げた。

「ピアツーピアや自動化という性質、ブロックチェーンに展開されたコードの不変性、自律分散型組織(DAO)におけるトークンを通じた統治機能の行使」などは、それらのプロジェクトが説明責任を果たすのを難しくすることがあると指摘。

「運営責任を果たす自動的なインセンティブをシステムに組み込む」などの、デジタルネイティブなアプローチも考えられるが、それが適切な代替策になるかは分からないと続けている。

DeFi(分散型金融)とは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。

▶️仮想通貨用語集

銀行の参加とステーブルコイン

ブレイナード氏は、中核的な金融システムへの波及リスクが高まっている分野として、特に「銀行の仮想通貨活動への参加」と「ステーブルコイン」の2つを指した。

銀行が参加することで、規制当局が監督しやすくなる一方で、適切なガードレールなしに仮想通貨セクターのリスクを金融システムの中心に持ち込むことは、波及の可能性を高め、金融システムの安定性に影響を与える可能性もあるという。

ブレイナード氏は、「銀行が有益なイノベーションに参加し、デジタル金融の能力をアップグレードすることは重要」であるものの、仮想通貨に対する強力な規制の枠組みができるまでは、銀行の参加はリスクが高く規制が浸透していないエコシステムを定着させてしまうことに繋がりかねないと主張した。

ステーブルコインについては、UST騒動を踏まえ「暴落に対して非常に脆弱」と指摘。取り付け騒ぎや決済システムの脆弱性を抑えるような規制を適用することが極めて重要だと述べている。

また、ステーブルコインのネットワークが個々に分断されたり、逆に、単一の支配的なステーブルコインが出現するリスクもあるとした。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧