はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン一時25000ドルに迫る、インフレのピークアウト示唆やブラックロック参入が追い風に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

10日の米株式相場ではダウが前日比2.1%高に。

米労働省が同日に発表した米消費者物価指数(CPI)が、市場予想の8.7%を下回る前年同月比8.5%の上昇に留まったことが背景にある。約40年ぶりの記録的水準となった前月の9.1%からは大幅鈍化した。

これにより過去数ヶ月間で上昇の一途を辿っていたインフレのピークアウトが示唆され、今年4月以降は極度の悲観相場に陥っていた反動もあり、投資家のリスク選好が強まった。直近ではウクライナ情勢などに起因する資源高が一服。原油及びガソリン価格の低下がインフレ高進の抑制につながったものと見られる。

ただし、現時点で楽観するのは早計だ。専門家の間では「米金融当局にとってインフレ抑制(金融引き締め)目標達成までの道のりは、未だ程遠い」との見方が大勢を占める。依然として過去最高水準にある統計データは、今後の”推移”を十分注視する必要があり、FRB(米連邦準備制度)の金融政策判断に直ちに影響するものでない点に留意したい。

金利先物市場では、来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3回連続で0.75bpの利上げに踏み切るとの見方が、12日昼時点で36%織り込まれている。

暗号資産(仮想通貨)市場では、10日のCPI発表を受け、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要銘柄が上昇した。BTCは先月末の直近高値を更新し、一時24,929ドルに達した。

BTC/USD 日足

一目均衡表の雲上で上昇を一服した。5月安値の25,350ドル付近の抵抗線で上値を重くする可能性も考えられる。

先物市場では11日、過去24時間で5億1000万ドル強のポジションがロスカットされた。内60%はショートポジションの強制清算だった。株高のほか、ニューヨーク外為市場でリスク資産と逆相関傾向にあるドル・インデックス(DXY)の下落も暗号資産(仮想通貨)上昇の追い風となった。

出典:beincrypto

ただし、UBS Group AGのストラテジストらからは、「ピークに達した可能性はあるが、ドルが大幅な一段安になるという見方には慎重」との見方がある。12日にかけて市場は落ち着きを取り戻し、BTCは前日比1.03%安で推移する。

ブラックロック参入

12日には、最大手投資運用会社ブラックロックが、機関投資家向け「ビットコイン投資信託」の提供開始を発表した。

関連:米ブラックロック初、ビットコイン投資信託を提供開始

Digital Currency GroupのBarry Silbert(@BarrySilbert)CEOは、「各国の中央銀行は、ビットコインに簡単かつ安全に投資できるようになった」として、中央銀行が将来的にビットコインなどのデジタル資産を保有する可能性について示唆した。

運用資産規模10兆ドルを超えるブラックロックは4日、米大手取引所コインベースと提携を発表したばかり。

大規模管理システム「Aladdin」及びCoinbase Primeを介して、機関投資家がビットコイン(BTC)を購入できるようになるほか、将来的には他のアルトコインにもアクセスできるようになる見込み。

ビットコイン投資信託「GBTC」を提供するグレースケールのように、その仕組み上ビットコイン(BTC)現物をブラックロックが保有することになると考えられることからも、強気材料として受け止められている。

イーサリアム(ETH)

BitMEXのアーサー・ヘイズ元CEOは、イーサリアム(ETH)先物契約のダイナミクスの変化について言及。23年1月までバックデーション(先物価格<現物価格)にあることを指摘した。

通常は現物価格に対して数%のプレミアム(プラス乖離)となるが、この点についてアーサーは「マージが失敗する可能性に備え、マージ前にETHのエクスポージャーをリスクヘッジしていることが理由にある」との見方を示した。

イーサリアムのThe Merge(ザ・マージ)は仮想通貨史上で最も大掛かりなイベントの1つであり、技術的難易度の高いアップグレードであることから、マージ実装前後で不測の事態が起こらないとは限らない。

アーサーの見立てによれば、マージが成功した場合はヘッジ解消によるショートカバーを招き、ネット・ロングになることを確信している。マーケットメーカー現物ロング、先物ショートに保有するポジションを逆転させる必要があり、このシナリオが実現すればETH価格を強く押し上げる可能性があるとした。

これについてWagmi(3,3)氏は、「9月限と12月限の先物曲線は逆転している」と指摘。「分岐を伴うハードフォークの可能性を見据え、ETH PoWのエアドロップ目当ててで現物ロング、期限付き先物ショートの需要も見られる。」との見方を示した。

大規模アップグレードの際に想定し得る各種リスクを最小限に留めるため、イーサリアムのコア開発陣は、試験用のテストネットで度重なる準備を重ねてきた。

関連:イーサリアム最後のテストネットで「マージ」完了

11日には、”Ropsten”、”Sepolia”に続くテストネットの最終段階である”Goerli”にてマージの実装に無事成功した。

開発者Tim Beiko氏は、マージ実行スケジュールの目安となる「TTD(Terminal Total Difficulty:期間中の合計難易度)」に言及。暫定予定日が当初の9月19日から、9月15日前後に前倒しされた。

2段階アップグレードの起点となる「Bellatrix」は、早ければ9月6日から始まる可能性が浮上している。

関連:イーサリアム「マージ」、暫定実施予定日が明確に

オンチェーンデータでもイーサリアム(ETH)への関心が集まっている。Glassnodeのデータによれば、1,000ETH以上を保有するクジラ(大口投資家)は、過去4週間で保有量を大幅に増やした。

Glassnode

また上記データによると、ETHの約10.8%がETH2.0プロトコルにステークされており、約27%がDeFi(分散型金融)プロトコルでロックされていることを意味する。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。
11:05
取引所BybitとKraken、ソラナ基盤トークン化株式「xStocks」を190カ国で提供開始
世界第2位の仮想通貨取引所BybitがBacked社のトークン化株式サービス「xStocks」を取り扱う。Apple、Amazon、Microsoft等60銘柄超をソラナブロックチェーン上で24時間365日取引可能に。
10:40
トランプ氏関連のミームコイン「TRUMP」、口座開設キャンペーンで配布へ
ドナルド・トランプ氏が公認とされるミームコイン「TRUMP」がもらえるキャンペーンがBITPOINTで7月末まで開催中。特典内容や条件を詳しく解説します。
10:20
国内Web3関連企業BACKSEAT、組み込み型Web3体験でブロックチェーン社会実装目指す
BACKSEAT株式会社が第三者割当増資により累計14億円の資金調達を完了。Spiral CapitalとHeadline Asiaが共同リード投資家として参画し、組み込み型Web3体験の実現に向けサービスローンチを本格化。
10:02
ロビンフッド、トークン化した米国株やETFの取引サービスを欧州で提供
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、トークン化した米国の株やETFの取引サービスをEUユーザー向けにローンチしたと発表。独自ブロックチェーンを開発していることも明かした。
09:55
テキサス州、戦略的ビットコイン準備金設立に続き「金・銀」を法定通貨として認可
テキサス州のアボット知事が金・銀を日常取引の法定通貨として認可する法案に署名。戦略的ビットコイン準備金設立法案も成立し、米国初の大規模な貴金属・仮想通貨政策を実現。
09:40
ビットコインマイニング難易度が7.5%低下 米テキサス州猛暑が影響か
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が約7.5%低下した。米テキサス州の猛暑による電力制限が主要因と指摘されている。6月中旬にハッシュレートも下落していたところだ。
09:15
ナスダック上場企業SRM、140億円のトロン財務戦略完了でTRXをステーキング
フロリダのテーマパーク向け記念品製造企業SRM Entertainmentが、1億ドルのTRON財務戦略の一環として3.65億TRXをJustLendにステーキングした。年率最大10%のリターンを目指す。
08:55
ドイツ最大手銀行グループ『シュパーカッセ』、2026年夏に個人向け仮想通貨取引開始へ=報道
ドイツ最大の銀行グループSparkassenが方針転換し、個人顧客向けビットコインなど仮想通貨取引サービスを2026年夏に開始予定。EU規制整備を背景に3年ぶりの決定となる。
08:10
SEC、ビットワイズ・イーサリアムETFのステーキング承認判断を延期
米証券取引委員会がビットワイズ社申請のイーサリアムETFのステーキング機能追加提案の承認判断を延期。投資家保護と公正な市場慣行への適合性について追加審査を実施中。
07:45
サークル、米国でナショナル・デジタル通貨銀行設立を申請
米ステーブルコイン発行企業サークルが米通貨監督庁にナショナル・トラスト銀行設立を申請。承認されればUSDC準備金の自己管理と機関投資家向け仮想通貨カストディサービス提供が可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧