CoinPostで今最も読まれています

米FRB、仮想通貨企業の連銀口座開設に関する新ガイドラインを発行

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨銀行の審査を考慮

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、暗号資産(仮想通貨)を扱う企業やフィンテックなど新しい種類の金融機関を念頭に、連邦準備銀行マスター口座開設に関わるガイドラインを発表した。こうした金融機関に対しては一般的に、より厳格な審査が行われるという内容を盛り込んでいる。

背景

金融機関が他の機関との決済を行うためには、連銀にマスター口座を開設することが必要となるが、これまで仮想通貨銀行などについては、この口座を開設する許可が付与されにくい現状があった。

FRBのジェローム・パウエル議長は1月、「SPDI(特別目的預託機関)にマスター口座の開設を許可することは、これまでにない重大な前例を作るケースであるため、慎重に審議している」との発言を行っていたところだ。

SPDI(特別目的預託機関)とは

SPDIとは「Special Purpose Depository Institutions」の略で、米ワイオミング州が2019年に新たに制定した金融機関の形式。従来の銀行業務を行いながら、仮想通貨の取引や保管、資産管理が可能となる。ただし顧客の法定通貨預金での融資は禁じられている。

▶️仮想通貨用語集

関連米FRB議長、公聴会で仮想通貨・デジタル通貨関連の質問に回答

一例としては、仮想通貨銀行Custodia(旧称Avanti)に関する審査遅延がある。同銀行は6月、マスター口座への申請に関する決定を遅らせたとして、FRBとカンザスシティ連銀を原告とする訴状をワイオミング州地方裁判所に提出している。

内容としては、同社の申請手続きが1年半以上も保留状態にされており、この遅延は1年という法定期限や、マスター口座付与の決定には通常5〜7日かかるとする申請スケジュールに違反していると訴えるものだ。

この遅延により、同社は単独でのサービス提供を見送り、マスター口座を持つ他の銀行と提携せざるを得なくなった。これにより余分なカウンターパーティの信用リスクや決済リスクが発生し、運営コストも高くなったという。

金融機関を3層に分類

FRBの7人のメンバー全員が、新ガイドラインに賛成票を投じた。FRBは次のように説明している。

近年、新しいタイプの金融商品を提供する機関や、新しい種類の認可を受けた機関が増加しており、その多くが、連邦準備銀行が提供する口座(マスター口座)や決済サービスへのアクセスを要求している。

このガイドラインは、連邦準備銀行が、透明で一貫性のある評価項目を用いて、こうした要求を審査するために使用される予定だ。

新ガイドラインは、リスクの程度に応じて金融機関を分類し、準備銀行が適用するデューデリジェンス(リスク査定)などのレベルを明確にするものとなった。

具体的には3つの層に分類しており、1層目は連邦預金保険に加入している機関で構成される。こうした金融機関は一般的に、より効率的な方法で審査されることになるという。

2層目は連邦預金保険に加入していないものの、連邦銀行機関による監督対象となる機関や、その持ち株会社が連邦準備制度の監督対象となる機関で構成され、中間レベルの審査を受けることになる。

3層目は、連邦預金保険に加入しておらず、連邦から、当機関またはその持株会社に対する監督が行われない機関があてはまる。こうした金融機関は、最も厳しいレベルの審査を受けることになるとしている。

米連邦預金保険公社(FDIC)は7月に、連邦預金保険は「株式、債券、投資信託、コモディティ、仮想通貨などには適用されない」「仮想通貨企業のデフォルトや倒産から資産を保護するものではない」と改めて強調していたところだ。

関連米FDIC、「仮想通貨企業は保険適用外」と強調

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/31 金曜日
17:01
ETHGlobal Tokyo、世界的ハッカソンイベントを東京で開催へ
ETHGlobal Tokyoという世界的ハッカソンイベントが、東京で開催されます。ハッカソンとは、エンジニアやプログラマーが集結し、短期間でプロダクトを開発するイベントのこと。ETHGlobal TokyoではWeb3市場の知識を持たない開発者でも楽しめるような取り組みも充実しています。
16:34
DEA、国内電力大手の合弁会社とMOU締結
NFTゲーム開発・運用を展開するDEAは、「電力アセットNFT」を活用した社会貢献ゲームを検討する目的でGGG社とMoUを締結したことを発表した。GGGは東京電力パワーグリッドや中部電力等の合弁会社。電力アセットNFTは4月3日に発売予定。
16:32
ネクソン、「Oasys」バリデータに参画 
国内発のゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」のバリデータとして、大手ゲーム開発企業のネクソンが参加することが明らかになった。Oasysは第二群バリデーターとして計4社を追加予定。KDDI、ソフトバンクの参画がこれまでに発表されており、残り1社の公開が期待される。
15:04
加納裕三氏、仮想通貨取引所bitFlyerの社長復帰へ
国内有数の暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyer創業者の加納裕三氏が代表取締役CEOに復帰することが発表された。今後は経営改革を加速し、株式市場での新規株式公開(IPO)を目指す。
13:40
NFTゲーム「アクシーインフィニティ」開発会社、5つのゲームスタジオと提携
人気NFTゲーム「アクシーインフィニティ」を開発するSky Mavisは、「Ronin」ブロックチェーンを大幅にアップグレードし、5つのゲームスタジオと提携して、Roninエコシステムを拡大すると発表した。
12:43
AI画像生成ツールMidjourney、無料版を一時停止
AI画像生成ツールMidjourneyは、新規ユーザーの急増や無料トライアルの乱用を受け、無料トライアル版へのアクセスを一時停止した。当初、この決定は拡散されたディープフェイク画像との関連が疑われたが、新規ユーザーの流入によりサービスに支障が出たことが原因だという。
12:25
ビットコイン直近高値圏で揉み合う、イーサリアム先物の月間取引高は昨年5月以来の高水準に
暗号資産(仮想通貨)市場ではDeribitのオプションカットオフやCME先物SQを控え、ボラティリティが強まることへの警戒感も見られる。アルト相場では、上海アップグレードを前にイーサリアム先物の月間取引高が昨年5月以来の高水準に達した。
11:15
米ワーナー・ミュージック、人員削減もWeb3チームは維持か=報道
米ワーナー・ミュージック・グループは、全世界のスタッフの約4%を削減すると発表した。一方、Web3などに取り組む従業員については維持する可能性が高いとされる。
10:50
Magic Eden、ビットコイン版NFT「Ordinals」でシェア急増
クロスチェーンNFT電子市場Magic Edenがビットコイン版NFT「Ordinals」のマーケットプレイスをオープンして以来、Ordinals市場でMagic Edenのシェアが50%を超えるまでに増加していることが分かった。
10:00
独シュトゥットガルト証券取引所、仮想通貨カストディの認可取得
ドイツのシュトゥットガルト証券取引所は、デジタル部門が規制当局から仮想通貨カストディアンとしての最終的なライセンスを取得したと発表。ビットコインなどを扱う一連のサービスを提供する。
09:10
Web3カンファレンス「WebX」、チケット販売開始
CoinPostが企画・運営に関わるアジア最大級の国際Web3カンファレンス「WebX」のチケット販売が開始。チケット販売に合わせて、WebX公式ホームページを公開した。
08:25
Injective、SVM向け新ソリューションをリリースへ
L1ブロックチェーンプロジェクトInjectiveは、ロールアップソリューションCascadeをパブリックテストネットにリリース。Cascadeの利用で、ソラナのアプリをコスモスに展開しやすくなる。
08:05
米国株一部続伸、米四半期GDP確定値が下方修正|31日
本日のNYダウは続伸し+141ドルで取引を終えた。ナスダックもIT・テック株の買い優勢で+87ドルと続伸した。インフレ鈍化を示す経済指標が買い材料となったようだ。
03/30 木曜日
17:51
メジャーSQ前のビットコインデリバティブ相場をプロが分析|寄稿:仮想NISHI
メジャーSQを前にCFTCによるバイナンス提訴を受け一時急落したビットコイン(BTC)デリバティブ市場を金融のプロが分析。暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト「仮想NISHI」氏が市場動向を解説。
17:28
国内IEOで関心集める「Nippon Idol Token(NIDT)」とは、秋元康が次世代アイドルをプロデュース
国内4例目のIEO「Nippon Idol Token」について詳しく解説。秋元康氏が総合プロデューサーとして関わる次世代のアイドルグループ創造プロジェクトとして、メタバース及びブロックチェーン技術を用いて活動を推進する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア